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知ればもっと食べたくなる栗きんとんの世界

秋が徐々に深まりを見せてきて、
同時に栗が美味しい季節がやってきました🌰

栗を使う和菓子といえば、栗きんとんがあります。

皆さんは栗きんとんを食べたことがあるでしょうか?
実は、「栗きんとん」という和菓子は極めてシンプルで、
かつ全スイーツの中で最も栗の風味を楽しめるスイーツです

今回は、そんな栗きんとんの歴史から現在の人気度まで、
幅広く深堀していこうと思います。

この記事を読んで、
「あ、今シーズン中にちょっと栗きんとん食べてみたいな・・」
と思っていただければとても嬉しいです!

「栗きんとん」ってどんなお菓子だっけ?

「栗きんとん」と言われるとどんなお菓子を想像しますか?

A. 秋に食べる栗の形をしたお菓子

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(https://www.instagram.com/iga.no.iseya/?hl=jaより)

B. お正月におせちに入っている栗のお菓子

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(https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1270017418/より)

おそらく想像するのは、ABどちらかではないかと思いますが、
実はAとBは違う和菓子です。

Aは、漢字で書くと「栗金飩」と書きます。
原材料としては基本的に栗と砂糖だけを使用しており、
栗に砂糖を加えて練り上げ、茶巾で絞り、栗の形に仕上げた和菓子です。
原材料が少ない分、栗の風味が存分に引き立つのですが、
風味豊かな旬の栗を使用する必要があるので、
製造時期が秋口〜冬手前に限らがちな点も特徴ですね。

一方のBは、漢字で書くと「栗金団」と書きます。
栗を使うことは一緒なのですが、さつま芋と砂糖で作った黄色いあんを
むいた栗と絡めたものになります。
栗金団における、「金団」とは金の団子もしくは金の布団という意味です。
さつま芋と栗によるきれいな黄色から黄金に見立てられ、財産や富、金運を得る縁起物としてお節料理に起用されているのです。


今回は、秋ということなので、Aの栗きんとんについて詳しく覗いていきましょう!


栗きんとんはどこから来たのか?

ちょっとした和菓子あるあるなのですが、
和菓子は歴史が深い分、どこでその和菓子ができたか?
という問いに対して、複数の説があることが多いです。

栗きんとんもその類で、
・岐阜県中津川市 発祥説
(江戸時代中期に中津川宿で旅人に振る舞われたのが発祥とする説)
・岐阜県八百津市 発祥説
(明治5年創業の緑屋老舗の3代目が考案したとする説)
の二つの説が存在しています。

いずれにしても、岐阜県を中心に生産が盛んであることは間違いありません。

現在でも、以下のような項目で、
街ごとに栗きんとんの特徴に差が生まれています。

<店舗数>
・中津川市 20店舗
・八百津市 4店舗

<平均価格>
・中津川市 約248円
・八百津市 約200円
※メテスガ調べ

どちらの街にも美味しい栗きんとん屋さんがあるので、
それは後ほどご紹介します!


実は健康にも良い栗きんとん

岐阜県を中心に生産が盛んな栗きんとんですが、
原材料の栗はたくさんの栄養素を含んでいます。

岐阜県の公式ページにわかりやすくまとまっていたので、
抜粋してきました。

皮にはタンニンと尿素、花にはアルギニン、果実にはデンプン、炭水化物、タンパク質、脂肪、ミネラル、ビタミン、リファーゼが含まれています。
炭水化物としてはデンプンが多く含まれており、成長盛りの子供に最適です。
ビタミンB1は米の4倍、ビタミンCも多く含まれているため、
美容、疲労回復、風邪予防などにも良い栄養食品といえます
(https://www.pref.gifu.lg.jp/page/1359.htmlより)

・なんか最近疲れ気味で、、
・これから忙しいけど風邪を引くわけにはいかない、、
そんなあなたは、リポビタンDを飲む前に、
栗をふんだんに使っている栗きんとんをぜひ食べてみてください☺️


栗きんとんはなぜ美味しいのか?

そもそも栗というのは、秋を代表する風味豊かな素材です。

和食が世界無形遺産に認定された際の発表にもありましたが、
和食の特徴は、
「素材に味を染み込ませる」という発想ではなく、
素材の味を引き出す」という点にあります。

栗きんとんはその最上級ともいえるもので、
砂糖でほんのりとした甘味をつけるだけで、
あとは秋の素材「栗」の風味を最大級まで引き出すのです。

だからこそ、風味が豊かであり、お茶に合う、至上のスイーツに仕上がります。

それを強く反映しているのがレシピです。

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これは、大丸松坂屋のサイトから抜粋したレシピですが、
本当の本当に栗と砂糖以外使いません。
しかし、その素材の味を最大限に引き出すために家庭で作るとしても数多くの機材を必要とします。
もはや、原材料よりも使う機材の方が多いのですから、驚いてしまいます。

シンプルかつ素材の風味を最大限活かすという和菓子の発想こそが、
栗きんとんが最高に美味しい所以なのです!


実際どの程度売れているのか??

はい。和菓子屋さんにとっては大事なことです。
全店舗の売り上げを把握しているわけではないので、
残念ながらはっきりとした市場規模を出すことは難しいですが、
概算の段階で言えることは「めちゃめちゃ売れている」ということです。

栗きんとんの市場を引っ張る一番の名店として、
恵那川上屋があります。

https://www.tkc.jp/cc/senkei/201104_interview/
こちらに代表の方のインタビューがまとまっているのですが、
川上屋は、栗の鮮度が与える栗きんとんへの味の違いに着目し、
地元の新鮮な栗を市場価値の倍ほどの値段で買い取ることを行いました。

栗の市場価値が上がることによって、地元の栗をブランド化し、
徹底的に商品開発を進めることによって、最終的に、
2010年段階での売上についてこんなことをおっしゃっていました。

はい。業績も順調に伸びており、2010年6月期の売上は約17億円を記録しました。

少し業態がズレはしますが、2005年にJASDAQに上場したワイエスフードの年間売上高が約15億円であることからも、シーズンが限られる栗きんとんの需要の大きさを窺い知ることができます。

他にも中津川市には、地元の各店の栗きんとんを詰め合わせた2種類7つずつの「中津川栗きんとんめぐり(2068円)」というものがあります。
実はこの「中津川栗きんとんめぐり」は3ヶ月で15,000箱もの売上を作ります。

売上を計算してみると、、
2068円/箱 × 15,000箱 = 31,200,000円

なんと3000万円を超える売り上げをわずか3ヶ月間で記録しています。

そうなんです。栗きんとんは、押しも押されぬ秋の大人気の和菓子なのです🌰🌰


美味しい栗きんとんはどこで買えるんだ!?

栗きんとんの凄さを存分に書き連ねましたが、
最後に美味しい栗きんとん屋さんをいくつかご紹介しておきます。

その前に一旦CMに入りますね笑
✂︎✂︎✂︎✂︎✂︎✂︎✂︎✂︎
普段は日本中の五感で美味しい和菓子をInstagramで発信しています✨
日本の和の菓というアカウントなので、よければフォローしてください☺️

このアカウントを見れば、食べて美味しい、渡して喜ばれる、
そんな和菓子がたくさん見つかりますよ!
✂︎✂︎✂︎✂︎✂︎✂︎✂︎✂︎

はい。お待たせいたしました!
個人的にオススメの栗きんとん屋さんを3つ紹介します!

恵那川上屋
¥10コ入り2500円

先ほどもチラッとご紹介した恵那川上屋さん。
栗きんとんの市場価値を押し上げた第一人者であり、
栗という素材に最も強く向き合ってくださった和菓子屋さんでもあります。

オンラインでも買うことができる他、
東京では二子玉川に、愛知では星ヶ丘にも店舗を構えています。
季節限定で百貨店に出店することも多いので、ぜひホームページをチェックしてみてください!

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すや
¥10コ入り2635円

恵那川上屋と並んで「二大栗きんとん」と呼ばれることも多いすやさん。
江戸時代の創業と歴史が大変深く、元々はお酢屋さんであったことから、
「すや」という名前になったそうです。
恵那川上屋とは、また少し違った風味の栗を感じることができ、
強い風味の中にある優しい口当たりが特徴的です。

こちらもオンラインで買うことができる他、
松坂屋名古屋店、JR名古屋高島屋に直売店があります。
残念ながら東京や大阪には直売店はありませんが、
このシーズン高い頻度でお百貨店に出店しています。
ぜひ、ホームページをチェックしてください!

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恵那寿や
¥10コ入り2829円

最後も岐阜県からで「恵那寿や」さんです。

「自然の恵をそのままに一つずつ丁寧に」

と、ホームページに書いてあるのですが、
まさにその丁寧なお菓子作りを感じることができます。
栗には雑味が一切なく、ただただ洗練された風味だけが存在しています。
実は、今年最初に食べた栗きんとんが「恵那寿や」さんのものだったのですが、その美味しさにはほっぺたが落ちる思いでした。

こちらもオンラインで購入することができます。
残念ながら都内に直売所はありませんが、百貨店での販売は頻繁に行われています。

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最後に

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。

皆さんの口が今、栗きんとんの口になっていたら僕としては嬉しいです☺️

もしも近いうちに百貨店による用事などありましたら、
ぜひ美味しい栗きんとんを購入して、秋の風味を存分に感じてみてください!

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