見出し画像

Dear. 김남준

少し前、私がTwitterも見るだけでnoteも書いていなかった時
家で仕方なく私のオタクに付き合って映像を見ていてくれた母が私に

「ねぇ、もしBTSの中で1人だけに会えるなら誰に会いたい?」

と、聞いてきた。

「1人だけ?えーじゃあユンギさんかな。お母さんは?」

と、ARMYでもない母に何となく聞き返してみたら、母はこう答えた

「ナムさん。あんなにかっこいい人、本当にいるのか見てみたい」


2021年9月12日
ナムさんの誕生日

BTSの始まりであり、ジョングクがBig Hit(HYBE)に入るきっかけになった人物。

Rap Monster , RM , 김남준 , ナムさん , リーダー
たった1人しかいないのに多くの名前を持っている人

BTSの始まりである彼の誕生日に
BTSについても、彼への思いについても
振り返ってみたい。

"生まれてきてくれて、ありがとうございます。"
心からそう伝えたい人物だから。

検閲

画像1

世界を熱狂させる、いまだかつて無い事を数々成し遂げた奇跡のアイドルグループのリーダーってどんな気分なんだろう。
落ち着いていて頭脳明晰な彼だけど、実は誰よりもプレッシャーを抱えているのではないだろうか。

"世界的"に有名なアーティスト
カルチャーや思考が違う多くの人々が、韓国人の若い男性である彼らの音楽やダンス、ビジュアルや洋服だけでなく発言や考えにまで目を凝らし耳を傾ける。
自分だったらと考えただけでも、ゾッとしてしまうけれど私もその多くの人々の一員なんだ。


"僕という人間を検閲されている気分"

ナムさんは落ち着いた声でそう言っていた。
この言葉はきっと多くのファンを心配させたのでは無いかな
私も、心配になったし、不安だった。

でも、この不安は
もしかしたら私も?という不安でもあった。

ナムさんは賢くて、頭の回転が早い。
インタビューの通訳をする時に、少し質問のニュアンスを変えてメンバーに伝えたり、ちょっと気を付けて答えないといけなそうな質問を投げかけられたら、小さい声で「(発言に)気を付けて」と言っている時もあった。

そんな大人で冷静なナムさんをいつも眺めているから
いつも真っ直ぐで矛盾がない人なのだと、勝手に思い込んでいるのかもしれない。

彼らの事が大好きで、何を思って生きているのか、どう思って行動しているのか、どうしようもなく気になって過去の発言や最新のコンテンツを"追って"、彼らの放つ言葉や行動を心に収めているのは
果たして彼の言う"検閲"とは違うのだろうか。


2020年に公開されたインタビューの中にこんな質問があった

RMは昨年、BTSが全曲英語で歌えばそれはBTSではなくなると話していました。なぜこのタイミングで英語で歌うことを選んだのか、理由をもう少し教えてもらえますか?
(引用元:VARIETY)

怖かった。
まさに、"検閲"という言葉をナムさんから聞いた時と同じ怖さがあった。

BTSのファンとして、気を抜くとキラキラでカラフルな色眼鏡がかかってしまう私は、衝動的に「意地悪...」と言ってしまった。
しかし、実際のところ意地悪ではない。
"それはもうBTSじゃない"なんてハッキリと言っていたのを目にした人々は【Dynamite】がリリースされた時に「え?」と疑問を抱いただろう。
ナムさんはどう回答したのだろうか。
恐々と回答に目をやった。

RM. はい、少し前にインタビューで、僕たちが英語で歌う事があればもうBTSではないと思うと言いました。それは事実です。
その時、それは僕の正直な本心でした。
その頃から、多くのことが変わったと認めなければならないと思います。
ウイルスとパンデミック、そして僕たちはステージに立つことができず、コンサートができません。
多くのことが変わり、僕の考え方やマインド、そして僕自身も変わりました。
そして今、僕たちは「Dynamite」と呼ばれるちょっとクレイジーなショットを決めようとしている。
僕が言えるのはそれだけです。
(以下省略)

ああ。この人は本当に頭がいい。
このように脳内にある事をパッと言語化するのがとても上手い、驚くべきことにこの回答は英語でしたそうだ。

人は変わる。
それを完全否定できる人などきっといない。
ましてやこのパンデミックは世界共通
私のギランギランの色眼鏡を抜きにしても、理解できる回答だろう。

このナムさんの回答に、私は大きな力と勇気を貰った。
過去の自分と今の自分を比較した時、"矛盾"だと感じてしまっていたのは苦しかったから。と言う話はまた今度。


そもそも、人が"嘘を言っていないか"や"本心なのか"などは本人にしか分からない考えるだけ無駄な事で、実際に会って深く対話をする事がないアイドルに対しては尚更だ。

それなのに、ナムさんが嘘や誤魔化しを言っているようには微塵も思えないのはやはり色眼鏡なのかもしれないけれど、本質がブレていないのも大きな要因だろう。

BTSの生みの親であるパンPDが言っていた事が頭によぎる

「防弾少年団の音楽は、防弾少年団の内面の話をしなければならない。」

序盤に制作した楽曲がほとんど学校の話だったのも、当時多くのメンバーが学生だったからだそう

"Born Singer" 
"2!3!"
"Spring Day"
"Tear"
"Magic Shop"
"We are Bulletproof : the Eternal"
"Friend"
"Life Goes On"
もちろん、これだけではない、彼らは多くの"防弾少年団の内面"を音楽を通して語ってくれている
では、Dynamiteはどうだろう。

「世界にポジティブな影響を与えたい」

その様な思いのもとにリリースされたDynamiteが例えば

「元気を出して」
「ポジティブでいよう」

など、例えに過ぎないけれど
端的に伝えたいメッセージをこのようにわかりやすく言葉にした時、ポジティブになれる人はどれくらいいるかな

Dynamite - BTS 
段々高まる熱気
鳴り響くベ―ス聞こえるかい 僕は準備完了
人生は甘いハチミツのよう
このビ―トは豪奢な音がする
ディスコ過熱 ハマる一方 行こうぜ
僕はダイヤモンド 僕の輝きは既知のこと
今夜 僕は星の中にいるから
僕の火花でこの夜を明るく照らすのを見守って
ファンクとソウルでこの都市を灯す
煌めかせるよ ダイナマイトのように

深いメッセージ性よりも
とにかく楽しそうな明るい歌詞に
とにかく楽しそうな明るいメロディーで
とにかく楽しそうに歌われてるディスコポップ
好きか嫌いかは置いておいてこの曲は多くの人にハッピーな感情を与えたのではないだろうか

「世界にポジティブな影響を与えたい」

と言う防弾少年団の内面は、英語という世界中で使われる言語で歌われた"Dynamite"によく現れていると思う。

それが"BTSの本質"なのではないかと、私は解釈しているし、様々な言葉を発信し続けるナムさんの中には、その"本質"がどっしり住みついているように感じる。

だから彼の言葉に矛盾を感じないのだ。

私は彼らの"本当"の姿なんてどれだけ映像で追ったって分からないし、そこを深く探究しようとすると危うく自分の首を絞める事になる。
そんな私にはナムさんは最高のアイドルであり、1人の人間だ

例え、例えに過ぎないけれど
ナムさんの発言が、賢い頭脳から生まれる"誤魔化し"だったとしても、喜んで騙されたいとすら思ってしまう。

話が少し逸れてしまったけれど、ナムさんはBTSの心臓だから
人一倍、様々な考えを巡らせて生きてきただろう。
ラップにも発言にもダンスにも彼の複雑な内面が現れている。
彼の威厳や貫禄に身震いをさせながらも、お父さんのような安心感があり、メンバーからもファンからも信頼され信用される温かい存在なのではないだろうか

彼は、天才だけれど
その脳みそに負けない、名前の通り"木(ナム)"の様な、優しく強い心を持っている。

だからプレッシャーを感じるだろうと思いながら、今日も目を凝らし耳を傾けてしまう。


愛おしい

画像2

私は隙がなく賢い完璧な人間にあまり惹かれない。

ナムさんは完璧ではない。
いや、完璧ではないと言うところも含めて私にとって完璧な人間ではある。

"検閲されている気分になる"
と言っていたナムさんがAirPodsを何個もなくしていることがネットニュースになっているときには笑ってしまった。もちろん、愛おしくて笑みが溢れたと言う意味。

森でもゴミ袋を探しているときに、ガサゴソと少し乱暴にものを扱っていて「あーあーあー」と呟いてしまうほど。
なのに、細かくて見ているこちらも気が遠くなりそうな点描画を描いていた。
あまりにも愛おしい。

部屋から出てきた順で時計に付箋を貼っていくマネージャーたちの緊急企画では
荷物がまとまらず両手いっぱいに物を抱えて、集合時間から9分オーバーし6番目に出てきたナムさんが、時計が置いてある机に持ってきた荷物を全部のせて荷物整理していた。
7番目に出てきたユンギさんはナムさんの物がいっぱいの机を見ても、当然すぐには状況が理解できていなかった
なんともナムさんらしくて愛おしい。

Black Swanの撮影中につまずいて後ろにいたメンバーがぞろぞろと巻き添えくらってたのも最高に愛おしい。

大声上げてジョングクを呼んだら隣から「え?」って聞こえてきた時のナムさんの呟く様な「いたのか」は愛おしいけどひっそり同盟組んでたのに大声で作戦会議しようとするのはちょっとやばい。

気を抜くとうっかりセトリをスポしちゃったり
つい先日のタリョラでも、うっかり答えを言ってしまい頭を抱え大きく口を開けていた。

画像3

愛おしい。

そういうエピソードは、長く素の姿を見せ続けてるからこそ尽きないくらいある。

ナムさんのちょこっとポンコツな一面を愛おしく思う反面、少し嬉しくもなってしまうのは
完璧すぎる人間に惹かれない捻くれ者な私の気持ちとか、そういうのもあるんだけど
やっぱりちょっと抜けてる一面が見れるのもナムさんを信用したり信頼したくなる要素だから。
『あぁ、こんなに賢くてカッコいい彼も、人間なんだな。』と、忘れてしまいそうになる当たり前のことを改めて実感するタイミングを与えてくれる、最高に愛おしい人物。
それがキムナムジュン。


言語

画像4

彼は流暢に英語を話すことができて、外国のインタビューではほとんどの場合メンバーに通訳をしている。
カープールカラオケではジェームズの隣に座り楽しそうに話していて、メンバーはポカーン、なんて事もあった。

英語、中国語、日本語を話せるという情報もあって最初『マジ?』と思った。

これだけ巧みに言語を使いこなすナムさんが

「愛しているという言葉よりもっといい言葉があったら良いのに」

と言っていた時、言語や言葉の意味が通用しないほどの広い心と世界が、彼の中に存在する事を知った。

そしてそんな想いを『知る』よりも『感じる』ことのできる、彼の武器
『ダンス』いや、もはや『パフォーマンス』という言語を巧みに使いこなしている様にも見える。

個人的な話にもなってしまうけれど
私はダンスをしていて、何度もぶち当たってきた壁の中で
1番の壁は『体現』だった。
それこそ、"英語"や私の場合は"韓国語"などの"言葉"は、努力すればある程度話せる様になるだろう。

ただ、体現というのは努力や練習じゃどうにもならない
"人生経験を積まないといけない"と耳にタコができるほど、私は先輩達から言われてきた。

ナムさんは『BTSの始まり』で誰よりも早く"BTS"になった人物
そしてBTSとして、世界中で多忙な生活を送ってきたのだ。
人とは比べられないくらい、遥かに大きな人生経験を積んでいるだろう。だからこそなのか
立ってるだけで彼がリーダーという事に納得がいくほどの貫禄を放つ人物。
初めて公演の映像を見た時、ヘッドセットマイクを直しながら歩いてたナムさんを見て
思わず涙が出た。

たったの20代であの貫禄って、正直普通じゃない。

私にとってキムナムジュンは
例え彼が喋れなくなったとしても、一生眺めていたい対象だ。


絶対に届かないからこそ書ける手紙

画像5

Dear. 김남준

いかがお過ごしでしょうか。今、なにを考えていますか?
今日は誰になってますか?
キムナムジュン か RM か

いつも、考える事が多いと思います。

「狂わないためには狂わないといけない」

狂わない手段をいつも手探りで必死に探していた私は、あなたがそう言った事で
上手く狂わないで、または狂う事ができています。
私達にその言葉を伝えたかったと言うあなたが、上手いこと狂う事ができているのか
心配には及ば無いとは思いますが、それでも、心配です。

あなたの見る世界はきっと薄汚くも、美しいんでしょうね
レンズ越しにその綺麗な景色を見せてくれるあなたの心にはいつもファンの姿がある事、嬉しく思っています。

かつてない功績をいまだに叩き上げ続けている伝説のチームの始まりであるあなたの存在は、私にとって伝説なのです。

背負いすぎない様にしてください。とは、とてもじゃないけど言えません。
あなたの取り巻く世界やあなたの心は、私には想像ができないほど広いのだと、感じるから。
でも、どうか、どうか幸せに過ごしてください。

神の様に崇拝するつもりはありません。
今までも、これからも。
あなたの姿をこれからも見せ続けてもらえれば、充分に幸せです。

お誕生日おめでとうございます。
これからも、よろしくお願いします。
一緒に楽しく、幸せに過ごしましょう。

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?