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大奥 フジ2024

【大奥】

▶連続ドラマ



フジテレビ大奥待ってました!

物心ついた時から母がフジテレビ大奥を流していて自然と好きになった大奥。
当時、母が学校の歴史でちゃんと勉強して徳川将軍のことスラスラわかっていればもっと楽しく見れるのに〜(ニュアンス)みたいなことを言っていてそのおかげで歴史に興味を持ち日本史の勉強が楽しくて今でも日本史が大好き。
でも学校で学ぶような史実に沿った将軍とか表に立つ人の王道に愛されている歴史よりも、史実にはほとんど残っていないような当時は日の当たらなかったギラつくお偉い人をかげで支える女性に興味がある。もしかしたら女性こそが歴史を作り出していて裏の根回しや汚いことをしていたから将軍様たちが偉そうにトップに立てていたのかもとかいう嘘か本当かわからないことを想像するのが好きなのもきっと大奥の影響だと思う。
史実をある程度理解したうえで、全く別物のif物語として大奥を楽しむのが大好き。
そんな原点ともいえる作品が令和に帰ってきた!

これを機に昔のフジ大奥を見返していたけど改めて良いなあと。
そしてそれぞれの良さはあるものの昔の大奥のほうが女同士のドロドロ色が強かったから好みだな。
フジ大奥としては前回(木村文乃主演分)のスペシャルドラマで完結という形をとっているし、今回から脚本家が変わっていたり演出が加わっていたりしているので別物と考えるとこれはこれで良かった。


今回の大奥は、倫子(小芝風花)を中心に渦巻く男のドロドロ色が強くて今までとはスポットライトの当たる側が違っていた。
時代的に嫁姑問題も御台所側室問題もとくに起こっていないし、愛をテーマにということもあって仕方ないのかもしれないけれど、物語として将軍家治(亀梨和也)と松平定信(宮舘涼太)と田沼意次(安田顕)が主軸のように見えた。
上様と姫たちVS田沼意次VS松平定信という構図に見えた。
最終回まで見て改めてそう思う。
それに気付かず振り回され続けた可哀想な倫子。
ただひたすらに泣き続ける倫子が最後に唯一救われたのは上様の愛が残したお知保(森川葵)とお品(西野七瀬)との絆をもって万寿姫とともに長生きし上様の理想が形になり田沼と松平を排除したあとの社会を見れたことだと思う。
これまでの大奥総取締役、将軍生母、御台所や側室の女の怖さとは違う怖さがあって田沼や松平の怖さが時々ホラー級。
私の待ち望んでいた大奥とはちょっと方向性が違ったけどこれはこれでドキドキの展開だった。


田沼意次を演じた安田顕は言わずもがなの怪演。
目の演技だけで怒りが湧いているのか悔しい思いをしているのかなど感情の全てが伝わってくる。
とくに最終回、上様から御下命を受けてから自害するまでの田沼の地位と心の移り変わりはひとり異次元の演技だとさえ思わされるほど。そこには間違いなく生涯苦しみながら生きた田沼の魂が存在していて大奥ということも忘れるほどの、語弊を恐れずに言うとトラウマ級の田沼の死を魅せつけられた。
私の予想外だったことは松平定信を演じた宮舘涼太がかなりのハマり役で最後まで安田顕に負けない怪演をしたこと。
(失礼ながら)出演者発表のときは亀梨和也のバーターかなと思ったし大奥にアイドルばかりもちょっとと懸念さえしていた。
でも誰よりも江戸時代の衣装も似合っていて佇まいも声もぴったりで。
爽やかそうな面とサイコパスな面の演じ分けのうまいこと。でもひとりの人物としてどこかその二面が繋がっているのがわかる。
次は大奥の女たちに翻弄される将軍様をやってくれないかなと密かに思っている。


たくさん楽しんだけどやっぱり大奥らしい女の園の怖さをふんだんに詰め込んだ物語がまた見たいな。
どうしても家治と倫子の仲睦まじかっただろう史実が好きだから、史実通り亡くなったうえでなお家治が倫子を思い続けるラストが見たかったという欲が捨てきれない。
上様は大奥にさほど振り回されることのない(田沼には振り回されていたけど)自立していて二枚目の立ち位置だったし、松島(栗山千明)と高岳(田中道子)が意外と睨み合うことなく終わっていったからもう少しライバル関係を見たかったし、御台所とお知保が早い段階でいつの間にか心通じあっているし、お品のあんな裏切りがあったのに御台所の気持ちにもお品の気持ちにもあまりフューチャーされていなくて、最後は丸く収まっていた。もっともっとライバル関係にある女たちの争いと心の葛藤が見たかったなあ。

あと、SNSにて浅野ゆう子出演発表とお品のクランクアップの髪型が公開されてしまったことで盛大なネタバレが行われたことは残念でならない。
上様の死を改変するのか?という推測が容易にできたがさすがに堂々と載せるわけがないかと思いとどまり裏の裏までかいてしまったが非常にストレートなラストで1度目の視聴では倫子と上様の別れのシーンから全然感情移入できず、再度翌日に心を入れ直して見直すことになったので。


それでも何より好きだと思ったのはラストの倫子のセリフ。
なんて作り手から倫子への愛に溢れた物語だったんだろうと、そう思わされるとてつもなく好きな終わり方だった。




ずっとずっと泣いていた倫子。
いつか小芝風花共々壊れてしまうんじゃないかと何度も心配になるほどの人生を生きた倫子だった。
どうかしっかりお休みください、小芝風花様。の気持ち。


昔の大奥を見返していてかつらの精度?技術?が良くなりすぎていて感動。

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