【詩】まなざし

あなたが私に声をかけると
私は忽ちその言葉に染められ堕落する

私は私を規定する存在でなくなり、
あなたの思考で瞬時に邪悪に形成される

私は昨日考えていたような私の姿を忘れて
あなたに押し付けられた私を私だと思う。

脈は早まり、背筋が凍り、心臓が高まる。

私は実際にはあなたに規定されてなどいない。
あなたの言葉は私には関係がない。

だが関係ない。
あなたが口を開くときには
私はあなたに完全に規定されるのだ。

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