pigeon.

鳩)ウーウーッウッウッ

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鳩)ウーウーッウッウッ

最近の記事

鳩がメシを食わなくなった ゲージの隅で縮こまったまま、瞼を閉じて あちこちに飛び出た羽 小さくて、汚い 電気、つけてないからか、 PM5:11   若干の頭痛 目眩 倦怠感…だっけ? 薄茶色のゲージ 塵が浮かぶ水 手つかずの餌 動かない鳩 青白い光をつけても 薄汚いままだった

    • はと 詩①

      私の足を避けない屈強な鳩 ぎりぎりまで避けない肝の据わった鳩 英単語を必死に覚える勤勉な鳩 無知の知でありながら行動を起こさない怠惰な鳩   過去から何も学ばない未熟な鳩 肉を食べながらその肉が何なのか知ろうとしない 愚かな鳩

      • 旅日記② 郷愁青森編Ⅱ

        駅近くでレンタカーを借り、そこから道の駅や市場を巡っていたので車を降りるともう空は夕刻に差し掛かっていた。  人っ子一人見当たらない。山ばかりに囲まれている。 田んぼがどこまでも広く広く、広がっている。 生ぬるい風が吹く度に稲草が漣のようにして揺れる。 なぜだか懐かしい気のする虫の声。  橙色の陽が頬を照らす。 いつの間にか存在しない故郷に帰ってきたような気持ちになってくる。 コテージまでの緩い坂を登っていると夕刻を告げるサイレンが響いた。 きっとあの間延びす

        • 漫画AKIRAについて。 6巻 鉄雄の走馬灯?のシーンがすごい。今までの色々な場面が鉄雄視点で描かれていて、施設に入っていたときのこととか,,, もうとにかくたくさん情報が出てきて。鉄雄だって前までは普通の少年だったんだよなとか考え始めてたら泣いちゃった。 

        • はと 詩①

        • 旅日記② 郷愁青森編Ⅱ

        • 漫画AKIRAについて。 6巻 鉄雄の走馬灯?のシーンがすごい。今までの色々な場面が鉄雄視点で描かれていて、施設に入っていたときのこととか,,, もうとにかくたくさん情報が出てきて。鉄雄だって前までは普通の少年だったんだよなとか考え始めてたら泣いちゃった。 

          MIMIZU①

          庭へと出る網戸を開けて、足元に目を落とした私は悪態未満のうめき声を上げた。 タイルの上に一匹の赤黒い蚯蚓が横たわっている。  忌々しい虫に目線はずらさないまま、青いサンダルに足を滑り込ませて素早く網戸を閉める。 注意深くしゃがみ、蚯蚓を観察することにした。 昼下がりの日差しは思いのほか優しくなかった。 蚯蚓は頭と思われる先の部分を上へ伸ばし、ゆらゆらさせている。その揺れる肉の動きはまるで頭が新しく生えようとしているかのようだ。  しばらくの間、私は蚯蚓を凝視していた。

          MIMIZU①

          旅日記② 郷愁青森編I

          ある夏のことだった。 夜行バスですごした窮屈な夜を終え、どこかもわからぬ駅の中を歩いている。体に合わない縦長のリュックは背負っているというよりリュックに 背負わされている気がする。気を抜くと重さに引かれてバランスを崩しかねない。私より幾分も歩くのが早い母についていくのはなかなかきつい。  これからどこに向かうのか、どこに泊まるのか、朝ご飯はまだか。とにかく私が把握している情報が少なすぎる。私がきちんと理解していたのはここが青森県であることぐらいなものだ。 母から荷物の見張

          旅日記② 郷愁青森編I

          旅日記① 黄昏砂漠編

          広い空には深い夜がにじんでいる。  薄黒い砂原が橙色の陽を飲み込んでいく。 私はこの砂漠で異国の歌を幾度と聴いた。 ドバイの高層ビルが見下ろす街を離れ、タクシーに揺られる。 目的地は砂漠のホテル。砂漠に行くのは初めてだった。 当時、まだ幼い私は車に酔ってしまう前に母の膝を枕に寝てしまうのが常だった。ガソリンの匂いにむせながら目を閉じる。 タクシーから降りてホテルへと向かう。 まだ寝ぼけていたのだろうか。どうやら私にとっては、広大な砂丘よりフロントでもらった小さなレモンキャ

          旅日記① 黄昏砂漠編