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お金の減らしかた

▽「お金の増やし方」について書いた本はたくさんありますが、「お金の減らし方」について書いた本はあまり見たことがありません。その逆張り的な発想のタイトルに、思わず興味を持ってしまいました。この本は森博嗣さんという方の本ですが、現在配送中で、私もまだ読んでいません。なので、書評ではなく、このお題で1000字ほど書いたみたいと思います。

▽お金を減らすとは、お金を使うという風に考えると、使いようによっては増えてしまうこともありますので、これは正しくない。あくまで減らす、に拘る。しかし、とはいえ私たちは、何らかの満足を売るためにお金を使う場合が殆どですので、お金は減ったけれど何かを得ている、時にはマイナスの場合もありますが。何かを得るためにお金を減らすのであれば、結局私たち自身が何らかの欲求を持たなくてはなりません。

▽そんなものいくらでもある、と思った方もいらっしゃると思いますが、私はそれほど、思いつかないのです。もちろん家族みんなで旅行に行ったら、とか食事をしたらとか言うのはありますが、そんなのはせいぜい数百万円も使えばいいところでしょう。そのあとどうしようか、ポルシェ買っても1500万円、それで終わり?と言われてしまいそうです。軽井沢に別荘で1億円、このくらい単価を上げないとなかなか減りません。

▽しかしです、軽井沢の別荘は要りません。欲しくないのです。買ってもめったに行かないし、そもそもメンテに追われて過ごす毎日は嫌です。管理人に全部やらせればいい?それじゃぁちっとも楽しくない。ポルシェも今は要りません。ポルシェを楽しむほどの運転技術も知識もないからです。単にいろいろ高額のものを並べて想定しても、その人の欲求にぴしゃりと合わない限り、お金を減らすことは結構難しい、ということのようです。

▽私が社会人になりたての頃、毎日新宿のバーでバーボンを飲んで帰ってましたが、そのころは銀行のカードの裏側のキャッシングによくお世話になりました。(給料)<(飲み代)という赤字体質で、結構負債が積み上がっていました。こういうことが出来ればとも思いますが、残念ながら、今では気力も体力も一緒に遊んでくれる友人もいません。

▽こんな状況で無理してお金を減らそうとしても、普通程度の満足感すら、得られるとは思えません。要するにお金を使って何かをしようとしても、それをやり遂げるための相応の準備期間が必要で、それなしに楽しむことはできないようです。

▽自分のための利己的な行動に対して、他人のために行うことを利他的行動といいます。キリスト教社会である欧米では、大金を稼いで社会的地位を持つ人は、相応の寄付行為を行います。その究極が、ビルゲイツ財団やそこに遺産を預けると宣言したバフェットです。お金を確実に減らす方法は、やはりこれが一番かなという気もします。もともと社会から頂いたお金は、社会へ戻そうという発想なのかもしれません。尤もそのためには、社会の為にお金を使うことの意義について勉強し、心の底から納得することが必要です。

▽どうやら、お金を(増やすのも)減らすのも、私にとっては至難の業という気がしてきました。もちろん、減らす心配をするほどの資産は有りませんが、当面我が家の書斎プロジェクトを完遂させるのがいいところかな、という感じです。とりあえず、森さんの本に期待して、少し勉強してみたいと思います。

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