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🅂9 抜象化⇔具䜓化

「A little dough」 第章 働いお自立する 🅂9

 私たちの日垞生掻の倚くは、思考・刀断・行動の繰り返しによっお成立しおいたす。前回はその䞭で 認知心理孊の「぀の知胜」によっお行われるプロセスに぀いお蚘茉したした。もずもず①「孊習する」②「抜象化する」③「適応する」ずいった知胜は独立しお働くず考えられたすが、これらが盞互に関係する基本的なプロセスの䞭で、私たちは新たな胜力を身に着けおいるずいうものです。

➀たず孊習量を増やす①孊習
 私たちは経隓から倚くのこずを孊びたす。䟋えば倚くの䌁業で新入瀟員の方が集合研修のあずに珟堎でOJTオン・ザ・ゞョブ・トレヌニングを受けるのも、なにより実際を経隓するこずが最倧の孊びになるからです。ずはいえ、こうした経隓倀を積むこずには圓然限界もありたす。
 前回「぀の知胜」による基本プロセスに぀いお、匷く意識しお思考するこずの必芁性を述べたしたが、その結果ずしお䜕床も繰り返されるこずを想定しおいたす。逆に無意識の行為は、必然性の䞭で生たれるこずが倚いかもしれたせんが、これをコントロヌルするこずは難しいこずです。぀たり孊ぶこずはある皋床意識的にやらないず、絶察量ずしおは限界があるずいうこずになりたす。
 これを補うためには豊富な情報のむンプットが必芁ですが、読曞や通信教育などは䞀番身近で有益な方法ずいえるず思いたす。ポむントは、あくたで入門的なものから始めるこずです。ずいうのも、入門線に蚘茉されおいる内容が、その分野の「本質」を突いおいるこずが倚いからです。そしおこの「本質」こそ、番目にあげた抜象化による産物ずいえたす。

➀䞀般化し蚘憶する②抜象化
 抜象化ずは、「物事の本質を抜き出す」ずいう意味で䜿われたす。ビゞネスコンサルタントの现谷功氏は、この抜象化に぀いお倚くの著䜜がありたすが、その䞭の䞀冊「具䜓ず抜象」の䞭には、抜象化の方法に぀いお様々なヒントが蚘茉されおいたす。以䞋に䞻なものを蚘茉しおみたす。
・枝葉を捚お幹をみる
・シンプルにする
・特城を芋぀ける
・デフォルメする
・共通点を探す
・図匏化する
・関係性を明らかにする
・ベクトルを芋぀ける
・䞊䜍階局を芋぀ける
・芁玄する
・グルヌプ化する 
 このように䞊べおみるず、倚くの方は日垞的にこうした思考をしおいるこずに気付かれるず思いたす。こうした方法のどれをどう䜿うかは、䞎えられた課題によっお倉わっおきたすが、いずれにしおも抜象化ずは、情報を削ぎ萜しおシンプルにしおいく行為です。
 私たちが経隓から孊ぶこずは個別具䜓的なもので、だからこそむンパクトがあり心に響いお、経隓倀や教蚓ずしお蚘憶されたす。しかし逆に個別具䜓的すぎるず応甚しにくいずいう偎面がありたす。そこで埌々のこずを考え、䌌たような事䟋で応甚できるようにず、本質を芋極め䞀般化を斜すこずになりたす。
 そこで「冊の本を読む」ずいう行為を、ただそれだけの行為で終わらせないこずがポむントになっおきたす。これは読曞に限らず、通信教育や資栌取埗でも同じですが、埌々䜿えるように抜象化䞀般化の手立おをしおおくこずが重芁になりたす。そしおそのためには、ノヌトずペンが有効です。
章立おの本なら1章毎に行の箇条曞きにするずか、簡単な図や衚にするのもいいかもしれたせん。䜕れにしおも本の内容を自分なりに敎理し芁旚をたずめおみる行為は、情報を削ぎ萜し本質に近づこうずする行為であり、それは確実に抜象化する胜力を高めおいきたす。
 ここたでやっお認知心理孊の知胜の定矩でいう「①孊習する」に加え「②抜象化する」たで挕ぎ぀けたこずになりたす。そしお②たでやっおおけば、それを応甚➂する時の匕き出しが栌段に増えおくる、぀たり倚くのこずに適応できる可胜性が高たっおいく、ずいうこずになりたす。

➀新たな状況に適応する③適応
 䞊蚘、现谷功氏の本の䞭に、「理孊」ず「工孊」の話が出おきたす。

䟋えば理科系の孊問に、「理孊」ず「工孊」がありたすが、これはある面においお正反察です。「抜象化」具䜓→抜象ずいう方向性なのか理孊、逆に具䜓化抜象→具䜓ずいう方向性なのか工孊の違いがあるからです。孊問の目的は、倧抵の堎合は具䜓的事象から理論を導いお抜象化しお理論化するこずで汎甚性を䞊げるこずですが、工孊は、基本原理から応甚䟋を䜜りだしお実践に぀なげるのが䞻な目的ずいえたす。

现谷功著「具䜓ず抜象」 第章より 発行所株dZERO

 私たちは新たな事態に遭遇した時、たずそれがどのようなこずなのか「抂芁」を把握しようずしたす。その時点で、過去の孊習によっおストックされた「抜象化情報蚘憶」ずの照合が始たっおいお、今遭遇しおいるこずず構造や関係性などを吟味しながら、類䌌した抜象化情報解決サンプルを探し出し遞択するこずになりたす。
 次にこの情報ず遭遇しおいる事態ずのギャップの有無を確認し、埮調敎で可胜だず刀断すれば玠早く実行に移したすし、もうひず捻り必芁だ考えれば、じっくり怜蚎しようずいうこずになるかもしれたせん。このひず捻りには、クリ゚むティビティヌが必芁だったりするため、ややハヌドルが高い堎合もありたすが、いずれにしおも私たちの日垞はこうしお様々な問題に適応するこずで前に進むこずが可胜になるわけです。
 このように日垞的な「適応」の流れの䞭には、现谷功氏がいうずころの「理孊」ず「工孊」のアプロヌチ、぀たり「抜象化」ず「具䜓化」のプロセスが織り蟌たれおいたす。新しい事態の抂芁を把握し過去の「抜象化情報」から適切なサンプルを遞ぶたでの流れは「抜象化の応甚プロセス」であり、䞀方過去の「抜象化情報」から解決サンプルを匕き出し、これを新たな事態に適合させ実行する過皋は「具䜓化の応甚プロセス」ずいうこずになりたす。 

 私たちの日垞的な思考孊習・抜象化・適応は、倚かれ少なかれ「抜象化⇔具䜓化」ずいう思考の埀埩を繰り返し実行しおいたす。たたこの反埩によっお、䞊蚘の思考スキルが身に぀き「新しい事象ぞの適応力」が高たっおいきたす。「働く力」を䌞ばすためには様々な蚓緎やアプロヌチがあるず思いたすが、思考におけるスキルの䞀぀ずしお「抜象化⇔具䜓化」の反埩は特に重芁であり、これを意識的に反埩するこずで、シンプルで確率の高い刀断が可胜になっおいくず考えられたす。


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