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2021年ベストアルバム

2021年に聞いたアルバムの中から気に入ったもののベスト10。
(2020年12月発売のものもあり)

01.  XIIX「USELESS」 

今ライブを一番見たいバンドの新作、一番良く聞きました。私の2021年ベストワン。
アルバムツアーの後半では、作り込んだCDの音と違って生音の迫力を楽しめるアレンジで聞かせてくれたのも素敵な音楽体験でした。
詳しくはこちらで書いています。

02.  SKY-HI「八面六臂」

2020年に設立したBMSG(事務所)を軌道に乗せる活動やオーディション番組「THE FIRST」の実施、SKY-HIの振替ライブツアー、AAAのラストライブなど、めちゃくちゃ多忙だったSKY-HIがまさかアルバム出すとは思わず。SKY-HIがこれまで業界に対して苦しい思いを抱えて活動してきたこと(「死にたい」と感じたこともあった)、今は大変ながらもやりたいことができてHAPPYに満ち溢れているということを、私はB-Town(2020年から設立されたSKY-HIのオンラインサロン的なFC)の住人としてリアルタイムで彼の思いや行動を追って来たので、アルバムにはSKY-HIの軌跡がそのまま詰まっていると感じます。「良かったね日高くん!」って言いたくなるアルバム。

「THE FIRST」テーマ曲の「To The First」は、ライブでも毎回やっていたし2021年の思い出の1曲です。14歳の3人をゲストに招いた「14th Syndrome feat. RUI, TAIKI, edhiii boi」もとりわけお気に入り。SKY-HIと14歳が一緒に歌っていて何の違和感もない不思議。清々しくて希望に満ち溢れて愛おしく感じる1曲。「One More Day feat.REIKO」では、「ずっと孤独だった 歯車の立場 値札になっちまった本名の名札」「誰と話をしても不安だ」からの、「怖くても独りじゃないから」ってREIちゃんが歌っているのほっとする。BMSGの未来は明るいね。

03.  THE KEBABS「セカンド」

ケバブスがこんなにちゃんとしたアルバム作ると思わなかった(笑)
半分趣味で組んでいるようなお遊びバンドだし、1stアルバムが1発撮りのライブバージョンだったので。多忙で集まるのが難しく個々でスタジオに入った結果、凝ったものができたそう。
新井さんが新曲を書いてくれたことが何より嬉しくて(「メリージェーン知らない」が大好きなので)、「ジャンケンはグー(新井さん作曲)」と「てんとう虫の夏(新井さんと田淵で作曲)」を聞いた時は、新井さんが本気出して来たー!って思ってすごくテンション上がりました。ファンキーな曲、シンセがバリバリの曲、どちらも今までのケバブスになかったタイプ。
佐々木の「夢がいっぱい」も、大人の青春みたいなやんちゃでほんわか幸せな気持ちになれるので大好き。私、佐々木の作る曲も好きなんだなとやっと気づきました。「テストソング」も「うれしいきもち」(佐々木曲)も大好き。
「ロバート・デ・ニーロ」は、なんだこの歌詞?と思わせつつも、さりげなく田淵が言いたいことを忍ばせていたりして心憎い。浩之さんの見せ場ソロも増やしてくれて嬉しい。このバンドは本当にアベンジャーズだなぁと思って愉快な気持ちになります。
緊急事態宣言の時、1stアルバムを聞きながらよく散歩してました、心と体が元気になるので。「セカンド」も同じく。単純に「音楽、楽しいー!」ってワクワクするので、疲れた時に無意識に再生している。ケバブスは私にとって常備薬です。

04.  Gotch「Lives By The Sea」

2020年12月リリースですが、今年たくさん聞いたので入れました。Gotchのソロの中で一番好き。
「The End Of The Days」はCD買う前にサブスクでもよく聞いたし、「Stay Inside」は自粛で不安な時に聞いて元気が出ました。懐かしの「Taxi Driver」も入ってるし盛りだくさん。
「Endless Summer」が爽やかでお気に入りですが、調べたら小西真奈美に提供した曲のセルフカバーでした。歌詞は、小西さんバージョンはゴッチ&小西さんの共作で、本作はゴッチのバージョンになっています。男性目線と女性目線が歌われていて面白い。雰囲気がアジカンの「廃墟の記憶」に似ている(廃墟の記憶はホリエアツシ作曲ですが。)

このアルバムについてPOP LIFEで語っていたことがちょっとばかりショッキングでした。「鎮魂歌」とのこと。

「Eddie」は太いシンセの音が印象的で明るくて楽しい曲調なんだけど、レクイエムだと知ってから歌詞に目を向けてみると、確かに。「彼を終点に届けなくちゃ」だなんて。あえて明るい曲調にしているところが胸に来るな…。
「Lives By The Sea」も癒されるし穏やかな気持ちになる。カモメの声や浮遊感サウンドで海辺の雰囲気がよく出ているんだけど、最後の淡々と続くラップもまたマッチしていて心地良い。これも鎮魂歌なのだと思うと納得です。
全般に渡って歌が心地良いところも好き。近年アジカンに父性を感じるようになったけど、ゴッチの歌に癒しを感じるようになるなんて。
ライブで聞いてみたかったんだけど、今年1度だけ参加したゴッチ出演のイベントでは、このアルバムからは1曲も聞けず。いつかツアーやってくれるかな。

05.  くるり「天才の愛」

くるりっぽい!耳に引っかかるポイントが多くて楽しい1枚。「I Love You」のマリンバの音色、「荒益男さん」のオッペケペッポー ペッポーポーの微妙にクセになる感じ。「大阪万博」は、「Tokyo OP」に増して妙なリズムが心地良い。
何より「野球」が、もろに野球の応援そのもので面白いんだけど、野球愛をめちゃめちゃ感じる、名前の並びとかすごく考えたんだろうなと伝わる名曲。「かっとばせかっとばせみんな!」にぐっとくるし、デンデケデケデケ~(ベンチャーズ)で加速するとこめちゃくるりっぽくて笑う(「トレイン・ロック・フェスティバル」的な)。ライブで聞いたらさらに最高でした。あと「赤星~」のコーラスのメロディーが絶妙過ぎて笑ってしまう。野球が大好きでリスペクトがある岸田氏だからこそ書ける曲だと思います。

06.  ストレイテナー「Crank Up」

昨年フルアルバム「Applause」出して、今年はミニアルバム。なかなかのペースでファンは嬉しいです。テナーらしい、どこか切なくてメロディアスな曲も多いんだけど、断然好きなのが「倍で返せ!」。KasabianのClub Footみたいに内側からたぎってくる感じや妙な展開が面白くて最高。ホリエらしい美メロも好きなんだけど、たまにぶっこんで来るへんてこな曲が好きです(チュチューンとかパパパパンケーキみたいな)。
「七夕の街」は最初にインタライブの弾き語りで聞いていたんだけど、バンド編成になるとだいぶ雰囲気が変わっていて胸に響くね。
あと初回限定盤DVDがすごく良かったです。レア曲を都内スタジオで撮りおろし、大型LEDパネルを駆使したVJ(white white sistersのkouta tajima)がめちゃくちゃかっこ良かった。

07.  クリープハイプ「夜にしがみついて、朝で溶かして」

ラジオで初めて「ナイトオンザプラネット」を聞いて、ギターのふよんふよんした音色としんみりした素敵なメロディーにやられて、これはアルバムを聞かねば!と思いました。すごくすごく良い……しみじみと沁み入る曲ばかりで、尾崎さんの書く歌詞がいちいち引っ掛かって、泣きたくなったり歌への愛しさが募っていくような。改めて私は尾崎世界観の歌が好きだなと感じた1枚(文章も好きなので著書も読んでいる)。ちょっとひねくれた目線が人間くさくて、でも可愛いげのあるところもあって憎めない。そんな尾崎さんの歌に心揺さぶられてしまうんだよね。

「四季」の歌詞が好き過ぎて、ちょっと泣けてくる。

この季節になるとなぜかいつも無性に聴きたくなるバンド
全然さわやかじゃないけど
忘れてたら 忘れてた分だけ 思い出せるのが好き

バンドマンの側からしたら忘れられるのはちょっと寂しいことのような気がするんだけど、それを「忘れてた分だけ 思い出せるのが好き」って書ける感性が素敵。
「なんか出てきちゃってる」も、遊び心たっぷりポエトリーリーディングみたいな謎の曲で、笑っちゃうんだけどお気に入り(笑)

そしてカオナシさんの「しらす」も良き。誰もが一聴してわかる、カオナシ節。尾崎さんのコーラスも良いし、子供の声は尾崎さんの甥っ子の声だとラジオで言っていました。可愛い。

08.  折坂悠太「心理」

まるで遠い異国を旅しているような気分になる1枚。折坂さんの音楽は、国籍不明に感じるところがあるから、普段私がよく聞く音楽(直球のロックとかポップス)と少し違っていて面白いです。
アルバムのツアーも、7人の重奏スタイルで、折坂さんが船頭となって静かな水面を進んでいたと思ったらいつの間にかエキゾチックな世界に辿りついて華やかな世界を見せてもらった、という贅沢な音楽体験をしました。
不協和音になりそうでならない絶妙なアンサンブルとかすごい病み付きになる折坂ワールド。
じっくり聞かせてくれる曲もいいんだけど、「心」みたいなリズミカルで明るい曲も大好き。前作で言うところの「逢引」みたいな賑やかな曲。
ライブをまだ片手ほどしか見ていないので、来年はもっとライブへ行けるといいな。

09.  TRICERATOPS「TRIBUTE TO TRICERATOPS」/ a flood of circle「GIFT ROCKS」

トリビュートなので同列で。

(2020年12月発売ですが、2021年に聞いたので入れました。)
全曲良かったですが、特にKanの「トランスフォーマー」の中毒性にハマりました。しばらくリピート止まらず。とりわけ後奏がメルヘンに溢れていて遊び心が炸裂していて、きゃりーちゃんの世界みたいで楽しい。可愛らしい女性の声で「トランスフォーマー」って入るのもすごく好き。KANさんも相変わらずお声がキュート。

オカモトズの「Guatemala」も良かったです。もともと「Guatemala」が大好きだから楽しみにしていたんだけど、メインボーカルはコウキくんで、甘い声で曲の雰囲気にぴったり。コーラスワークも素敵だし、曲の世界観そのままにロマンチック。サブスクでは「Guatemala」は解禁されていないので、CD買って良かったです。
ユニゾンの「赤いゴーカート」も、ユニゾンファンとしては楽しませてもらいました。「instant EGOIST」のようなやんちゃなリズム。「セレナーデは止まらない」が入っているのもファンがニヤリとする仕掛け。

田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)、SIX LOUNGE、Rei、THE BACK HORN、 山中さわお(the pillows)がa flood of circleに曲を提供(GIFT)。どのミュージシャンも好きなこともあって、すごく楽しい1枚でした。
中でも「星屑のレコード」は、バクホンがこんなロマンチックな曲調を?って意外だったけど、そこが狙いどころだったようで見事にやられました(作詞がマツで作曲が将司とのこと)。
お返しとして、フラッドが各バンドのカバーしているバージョンはサブスクにはありませんが、そちらも良かったです。特にReiの「BLACK BANANA」は、バンドでカバーしないでどうするっていう曲なのでピッタリでテンション上がります。


10.  the LOW-ATUS「旅鳥小唄 -Songbirds of Passage-」

ELLEGARDENが好きなんです。好き過ぎるゆえにthe HIATUSもMONOEYESもあまり聞きたくなくて(エルレが恋しくて寂しくなる)、でもthe LOW-ATUSはいいなぁ。ライブ行ってみたい。曲をちゃんと聞いたのが初めてだったのですが、わりと真面目に作ってるんだなと意外でした。「いつも通り」なんて、詞も曲もめちゃくちゃ細美節だけど、TOSHI-LOWさんの存在感のおかげでエルレを思い出さないで済むよ。
そんな中、「みかん」を聞いた時は爆笑した(笑)演歌ばりの曲調に、コミカルな歌詞が乗っている(お腹 お腹いたい お腹 お腹 お腹……の連呼ののち、笑い声まで入っている)。細美さんが、こんなゆるい曲を作るなんてびっくりだよ。それもこれもTOSHI-LOWさんのおかげだな(笑)

★ serial TV drama「パワースポット」

既に解散してしまったserial TV dramaが2011年に出したアルバム。ケバブスの新井さんが所属していたバンドで、当時私は知らなくて、今さらですが気になってシリアルの作品をいくつか聞きました。特にこのアルバムが好きだったので記録。
80年代の誰もが知っている洋楽のオマージュが色濃い。とても楽しい。こういうの大好き。私が知っているところで言うと、BEAT CRUSADERSやPOLYSICSとやっていることが似ていると感じました。特にコーラスワークはQueenを彷彿とさせる。ライブ行ってみたかったな。
なぜかWinkのカバー「愛が止まらない」まで入っていて、しかもロックアレンジがかっこ良くてめちゃくちゃ刺さりました。若者よりも大人の方が楽しめるアルバムなんじゃないかなーと感じました。当時のインタビューもいくつか読んだけど、若者に元ネタを知ってもらいたい、という狙いもあったようですね。

シリアルはボーカルが途中で変わっていて、今作は新しいボーカル氏になってからの作品。パワフルなボーカルが作風に合っているなと感じました。でも前のボーカル氏も繊細で好きです(ストレイテナーファンには馴染みのある、another sunnydayの伊藤さん)。ケバブスでカバーしたシリアルの「まばゆい」は、伊藤さん時代の曲ですね。「まばゆい」も好きなので、またケバブスのライブでやってくれると嬉しいな。(新井さんは恥ずかしいのかもしれないけど。)

バンドを続けるって大変。新井さんが「音楽と人」の単独インタビューで「自分はバンドに失敗してる」って言ってたけど、続けることができなかった意味では失敗なのかもしれないけど、こうして後追いのファンも聞いていいなぁと思える音楽を残してくれてありがとうって思います。

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