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レモンポップにはぜひとも米国ダート、BC挑戦プランを組んでほしい!

2023年のJRA最初のGIレース、フェブラリーステークスはレモンポップが快勝。坂井瑠星騎手、田中博康調教師はじめ厩舎スタッフ、牧場スタッフ、オーナーほか関係者皆さま、本当におめでとうございました!

■ハイペースを難なく制したスピードの持続力

カフェファラオ、ジュンライトボルト、クラウンプライドらがサウジカップ遠征で不在のため、メンバーがやや手薄と言われていた今年のフェブラリーステークス。それでも勝ったレモンポップは“新ダート王者”の称号にふさわしい勝ちっぷりだったと思います。

1馬身半の着差もそうですが、レース内容が文句なし。この日の競馬なら何度やっても結果は同じ――そう思えるくらいのパフォーマンスでした。

レースは前半の600mが34秒6、1000mが59秒1のペース。当日の馬場差には違いがあるので単純に比較していいものではないかもしれないけれど、同じ東京マイルの条件で行われた昨年の武蔵野ステークスが35秒8-60秒1だったことを考えれば、さすがGIと言えるハイペースだったことが分かる。また、2、3着に突っ込んだのが最後方から構えた2頭だったことを考慮しても、先行勢には厳しいペースだったと言えるでしょう。

その流れの中、当のレモンポップはハナを切るぐらいのロケットスタートから、「プラン通り」(坂井騎手)と徐々にポジションを下げて4番手の好位を確保。それでいて作戦の型にハメるために無理やり位置を下げるのではなく、折り合いを欠くことなく自然とこの絶好位に収まるあたり、坂井騎手が振り返っていた通りにレモンポップのメンタル面は素晴らしいし、テン乗りでGIの1番人気というプレッシャーのかかる騎乗にも関わらずこれだけ自在に乗りこなすジョッキーの腕は見事というほかない。

ただ、スムーズに流れに乗ったと言っても、これは前述したようにハイペースの中。いくら前半が気分よく運べたとしても、それがゴールまでもたなければ意味はない。しかしながらレモンポップは、先行勢が次々と脱落していく中、そのスピードを持続させたまま後続を完封する形でゴール板を駆け抜けた。

ゴール寸前で差されてしまった武蔵野ステークスは何だったのだ、と思うくらいの完勝劇だったわけなのだけど、前半抑えて上がり勝負で屈した武蔵野ステークスと、坂井騎手がギリギリまで追い出しを待った好アシストがあったとはいえ、ハイペースのまま楽々と押し切ったフェブラリーステークス。まだ断言はできないけれど、武蔵野ステークスの敗因は距離というより、むしろレース展開だったのかも……と言えるかもしれないですね。

つまり、レモンポップは多少のハイペースでもいったん流れに乗ってしまえば簡単にはバテないスピードの持続力がある。しかも相当なレベルで――。

■BC挑戦、血統的にはクラシックでも面白い

となると、楽しみなのは次にどのレースを使うのか。報道によれば千二のドバイゴールデンシャヒーンにも登録があるようで、さっそくの世界挑戦となれば非常に楽しみ(中2週の連戦からドバイ遠征はさすがにキツそうだけど……)。

一方、僕が個人的に期待しているのは、ドバイではなくダート競馬の本場・米国挑戦。先にも書いたように、ハイペースを楽に追走できるスピードがあり、それをそのままゴールまで持続できる形はまさに米国競馬にピッタリ合うタイプ。

また、そもそも米国生まれだし、父レモンドロップキッド×母父ジャイアンツコーズウェイという血統構成からしてスピードの出る米国ダート競馬なら、さらなる距離延長だって視野に入れてもいいのではないだろうか。つまり、BCスプリントやBCダートマイルではなく、メインのBCクラシックを狙うくらいの夢を、陣営にはぜひとも見せてほしい。

今回のフェブラリーステークス優勝でBCクラシック優先出走権を獲得したわけだし、オーナーがゴドルフィンだから、案外それくらい大きなプランを立ててくれるのではないかと、もう今から勝手に期待を膨らませている。

もちろん、今回不在だったサウジカップ組との直接対決も非常に楽しみ。だけどそれ以上に、レモンポップもサウジ遠征勢に続けとばかりに、国内のスケールにとどまらず海外に挑戦する姿を見たい。なんだったら夏ごろからBCまで数戦走る長期遠征プランとか組んでくれないかなぁと、僕の頭の中では先走りしているのです。繰り返しますが、ゴドルフィンさんのことだから、それくらいのことやってくれますよね?

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