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ノーコードローコード2023まとめ

株式会社ふえんでノーコーダーをしている安藤です。
この記事は「NoCode & LowCode Advent Calendar 2023」の1発目の記事として書いています。

ノーコードという言葉が2019年末に出てきて3年が経ちました。
2020年の今ごろは「ノーコードっておもちゃだよね」、「個人開発には使えるよね」、「結局コード書いたほうが早くね?」という意見がほとんどでした。

2021年6月に「ノーコードシフト」を出版したときも、まだまだ事例が少なくツールも少なく、とてもふわっとした抽象的なコンテンツになっていました。

それでもたくさんの方にお読みいただき、否定的な意見もありましたが、概ね良かったというフィードバックを頂きました。

2022年末には、国産のノーコードツールが多く出てきました。ユーザーも増えてきて、かつ個人ユーザーではなく、企業で利用するという事例をよく見るようになってきました。

私は毎年、PRTimesで「ノーコード」という単語が載っているプレスリリース数を集計して出していたのですが、2022年末は多すぎて辞めました。

あと「これノーコードじゃない!SaaSやろ!」みたいなのも増えてきて、裾野が広がってきたなと感じることが多くなりました。(私はノーコード警察じゃないので、どんな定義でも一般ユーザーが利用しやすければOKだと思っています)

そして2023年です。

絶対に言及しないといけないのが、ChatGPTです。これがノーコードの裾野を大きく押し広げたと思います。

ChatGPTもノーコードです。LLMを自然言語で使えるわけで、ノーコードです。色々ご意見があると思いますが、これはノーコードです。

「自分でも使える!」ということを身体的に感じると、「デジタルは味方」という認知に変わると、私は信じています。だからノーコードをやっています。

ChatGPTはノーコードとしても大きな転換点ですし、一部のノーコード会社は「ChatGPTでアプリが作れるなら、うちのツールの存在意義は?」となっているところもあるくらいです。

ここから2023年のノーコードトレンドを書いていきます。

大企業の活用が急激に進む

先に海外の話をすると、北米ヨーロッパでは大手の銀行やEU全体をまたぐ不動産会社など、数万人規模の会社が自社だけではなく一般ユーザーも使うシステムをノーコードで開発しています。

それも一つだけでなく、複数のツールを連携して一つのサービスを作るなど、ITエンジニア的に言うとマイクロサービスアーキテクチャーをノーコードツールで構成するみたいなことが起きています。

複数のノーコードを全社で導入すると課題になってくるのが、ガバナンスとセキュリティです。

ここはヨーロッパでも試行錯誤が続いているようですが、それを象徴するサービスがncScaleです。

これ色々なノーコードツールに接続して、セキュリティに不備のある設定や、新規で開発されているシステムを検知してダッシュボードで閲覧できます。

日本でも同じうねりが見て取れます。私の観測範囲なので、あんまり説得力がないのですが、当社に来る問い合わせや商談、周囲の方々に聞く内容からも誰もが知っている企業の名前がでます。

もちろんセキュリティやガバナンスのノウハウづくりはこれからですが、それでも前に進んでいる感覚があります。

2024年は、Salesforceやkintoneなどこれまで知られているツール以外の事例も多く聞かれるのではと思っています。

市民開発者がどんどん出てきている

これも私の観測範囲ですが、私の周りにはノーコードを教えている人がたくさんいるので、個人開発サービスがリリースされるのをよく見ます。

これまではプログラミングスキルがないと難しかった個人開発が、ノンエンジニアでもできるようになり、多様なアイデアがサービスとしてリリースされています。

特にこの一年は、ツールの機能強化と相まって、一つ一つのサービスがしっかりサービスとして出来上がっています。

これまではアイデアの段階で練り込まれていても、サービスを開発するときにめちゃめちゃ妥協したということがあったのではと思います。でもいまはかなり忠実に実現できるようになっています。

個人としても、子育てサークルの方からノーコードの使い方を教えてほしいといわれたり、PTAでノーコードアプリが導入されたり、プライベートな知り合いにも「ノーコード勉強したいんですよね!」って言われたりします。

これは2022年にはなかったできごとです。ボトムアップもされてきていて嬉しい限りです。

ツールを組み合わせて使うようになる

アプリやシステムの開発をするときに考えるべき構成要素として「画面」「データベース」「ロジック」があります。そうすると「ん??ロジックってなに?」ってなりますよね。

ロジックというのは、画面から入力されたデータをどう加工してデータベースに保存するのか、またデータベースに保存されているデータをどのように加工してわかりやすく画面に表示するかという処理ルールのことです。

アプリやシステムを開発するとき、このロジックを設計し実装するのが一番難易度が高く、時間もかかります。

これまでのノーコードツールは「画面」つまり、Webサイトと「データベース」を担うのものが多かったのですが、最近このロジックを担うツールがたくさん出ています。

ロジックを実装するノーコードツールを「iPaaS(アイパース)」とも言いますが、2023年は国産のiPaaSの進化がすごかったです。

国内の様々なクラウドサービスと接続でき、かつ機能がどんどん追加されています。

これはノーコードでアプリやシステムを開発する人たちのスキルが上がっていてきているという証左でもあり、ツールを組み合わせることでより高度なことを実現できてきていると言えます。

まとめ

ライトな記事にしたいと思いつつも、ノーコード好きがあふれ出てしまうので、これ以降はまた次回にします。

もし海外のノーコード事情をもっと知りたい!という方は、このイベントにご参加いただけると色々お話します。

またもし仕事をお願いしたい!一緒に働きたい!という方がいらっしゃれば、こちらからお問い合わせください!


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