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メンタルトレーナがいらない。強くなりたいのであれば表現者の声を聞けばいいって話。

2005年の自分の試合を見たら恥ずかしくなった。
当然だけれども完成度も低いし、これで偉そうなことを言っていたと思うと恥ずかしいにもほどがあるのだけれども、相対的にはそれなりに上にいたわけで、相対的に順位は決まるので、2005年当時はそれなりの立ち位置にいたのだ。

どうしたら強くなれるのか。どうしたら勝てるのか。

この問いかけに対して、誰よりも向き合ってきた自負がある。

一度は生活ができないからと就職をして、それでも情熱を抑えきれずにPRIDEの加藤浩之さんに拾われて、DREAMを必死でやって潰して、国内MMAがどん底の時期を生き抜いてきた。出版もしたし、文章も書くし、講演もするし、プロレスもするし、どんな仕事だってやってきた。生活するためだと寂しい目で見る人もいるのは知っている。けれども信じてやってきた。強くなるために。

そうなんだ。強くなるためなんだ。ここを勘違いしちゃいけない。

強くなるのは格闘技の練習だけでないことに気がつかなければいけないし、僕が格闘技だけをやっている人間に負けるわけがないと思っていることに皆が気がつく頃だと思う。宇野薫はファッションを学ぶことで強くなってるし、僕は本を読んだり友人と話すことで強さを手にしていると思っている。(ここ数年は特にだ。)

『どうしたら強くなるのだろうか。この課題をそろそろ真剣に考えていく必要がある。』

どうしたら強くなるのだろうか。この課題をそろそろ真剣に考えていく必要がある。少子化で人口は増えない、欧米人と比べて肉体的なハンデ、その上経済的にも明るい未来が見えないこの国で、強くなっていくことを考えるのは簡単じゃない。アントニオ猪木は有名な猪木問答で「明るい未来が見えません」の問いに対して、「てめえで見つけろ」と答えたけれど、2019年の今も同じことを僕たちはやっている。これを進化していないと捉えるのか、本質をついていると捉えるのかで生きかたが変わってくる。

僕は最初から考えることが大事だと一貫して伝えてきたし、弱者が勝者になるためには「思考」と「クリエイティブ」にしか活路はないはずだ。2019年も終わりを迎えようとする中、忙殺されそうになりながらも、独り寒い部屋で強くなるためにはどうしていくのかを考えている。この作業をずっと続けてきたし、これからも続けていくのだろうし、死ぬまで達観から距離を置き続けたいと思っている。

僕が気になっているいくつかのことを取り出して書いていこうと思う。
強くなるためであれば全て書いていくのがいいのだけれども、そこまでの時間もなければ、何よりも今は体力がない。そのくらいに練習に仕事に詰まっているのだ。

心技体で書き出すと技術も体力もそれぞれに専門家や得意な人がいるし、動画もあるし、書籍などもあって情報過多なのではないかと思うくらいだから、やる気と検索能力と考える力があればそれなりのレベルにまではいくはずだ。

検索する能力がないとか、続けられないとか、考えられないとか言い訳並べるのであれば、それは『愛』と『教養』がないのだから諦めるか、もう少し勉強をしてから出直してくるのがいいだろう。格闘技選手、表現者って仕事は数ある仕事の中で上位にくるキツさだし、数ある仕事の中で上位にくる報われなさだと思う。その仕事で生きていこうっていうんだから並大抵の『愛』ではできないし、1+1が2にならない表現をしているんだから、それなりの教養がないとやってられないはずだ。

メンタルトレーナなどいらない。本を読め。表現を見ろ。

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