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謹賀新年 竹下幸之介のアームロックに「ギブアップ」の巻

竹下幸之介は強かった。強く、高く、厚く、広く、深かった。

試合15分後にこれを書いている。ちょっと何をしてるか何を言い出すかわからない。
整理が追い付かずに感情が先行してしまっていたら申し訳ない。何より生の感情を大事にしたいから、文章の完成度よりも「今ここ」の青木真也を出すことが大事だとそのままを書き出していくとする。ここは一つお許しください。

プロレスでは初のギブアップ負け。格闘技を含めても数えるほどのギブアップ負け。ギブアップを取った名を見ればマルセロガルシア、ホジャーグレイシー、クロングレイシー、ゲイリートノンと世界的に名のある選手ばかりだ。青木真也を日本人でギブアップをさせられる相手が出るとは思いもしなかった。竹下幸之介の器にやられた。

ギブアップをとられた。とても悔しい。でもそんなことはどうでもいいんだ。そんなものは僕の極めて個人的な感情でこれからの日々の糧にしていけばいい。ほんとにどうでもいい。

竹下幸之介の強さと凄さは皆が知っているだろうし、何より僕がそれは一番知っていて、同じレスラーでありながら推しレスラーとして刺激と学びを得ていた。業界が彼を知らなかったり認めたくないのであれば、これから否応無しに知ることになるだろうし、認めざるを得ないことになるだろうと思う。彼の名前と存在がこれから遥か彼方へ昇っていくのは確信しているから、竹下幸之介が日本メジャーの中心に置かれていない現状を歯痒く思うこともないわけではないけど、そこまで心配をしていない。

僕と竹下幸之介とは過去に三度試合をしている。
勝ち負けはあれど評価してもらえる試合をしていて、どの試合も思い入れがある試合だけれど、今回の試合で感じた竹下幸之介は血が濃くてドロドロしていて、情熱で押し出す強さがなければ詰まって止まってしまうような怖さと凄みを感じた。正直に言えば気圧された。

優等生で順風満帆に歩んできたとされる彼からそんなことを感じるのは意外と思う人もいるかもしれない。ただ僕の中では理屈が通っていて、竹下幸之介は傷つき打ちのめされても、泥に塗れながらも足掻いて、這いずり回って這い上がってきたのだから存在の強さに気圧されるのも納得はできるのだ。

2021年3月の大阪遠征のアパホテルの大浴場でたまたま一緒になって長話をしたことを思い出した。そのときに彼はAEW参戦を目指してアメリカに弾丸遠征行く予定だと話してくれたのだけど、AEWから試合ができる確約もなければコロナ禍で帰国後も制限が付くことを考えたら、やめておけと周りはなるのが当然な状況なのだが、彼自身の意思で渡米する決意を聞いて、ここから一気に羽ばたくと思ったら、世界中がひっくり返る凄い試合をやってのけて、何倍も何倍も大きくなって帰ってきた。

彼の自分の「プロレス」に対する想いの強さは生きることへの想いの強さと同義語なのだけれど、順風満帆に見える彼からは伝わり難かった。想いがが隠しても隠しきれないほどに肥大化したとき、彼は一気に駆け上がって誰も手をつけられない存在となった。

今日の試合は互いの「おれのほうがプロレスが好きだ!お前のことも好きだ!」の感情のぶつけあいだと感じたし、愛が深い故にレフリーストップでもセコンドのタオル投入でもなく、ギブアップを取りにきたんだと思う。過去の試合のときの竹下幸之介ではギブアップを取りにも来なければ取られなかったけれど、今の竹下幸之介と今の僕との関係性ではギブアップを容赦無く取りに来るし、取れるようになったのだと思う。互いの想いが交錯した。愛で殺された。

改めて強かった。いや強くなっていた。これからもっと強くなると思う。
我が道を思うままに突き進んでほしい。悩んだり迷ったりすることはあると思うけど、自分が思う道をただただ進んでほしい。次は僕がギブアップを取れるように日々をコツコツと生きていきます。おれたちはファミリーだ。

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