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2月20日発売「ストロング本能」発売前、一部公開。「自分のものさし」で生きよう。

「トレードオフ」の 本質を理解する

「欲しいもの」と「失うもの」のバランスをわきまえる

「一生働かなくてもいいぐらいお金持ちになって、人生のすごろくを早く上がりた い」と思っている人は多くいます。

しかし、実はそれが正解じゃない場合がほとんどです。 
「稼げば稼ぐだけ幸せになれる」「有名になればなるだけ幸せになれる」というのは、 単純に世の中の仕組みをわかっていないだけです。

よく、ファイトマネーは高ければ高いほどすごいように思われます。
「ファイトマネーが100億円! すごい!」と言っている人を見ると、ちょっと笑ってしまいます。1試合で何十億円、何百億円もらうということは、それだけプレッシャーがか かっているということ。
僕なんかは、それはただの苦行で、本当はつらいんじゃない かと思ってしまうのです。

たとえば、プロ野球でFA(フリーエージェント)制度があります。この制度で移 籍すれば年俸は飛躍的に上がりますが、そのぶんプレッシャーも半端ではなくメンタ ル的には超つらいと思います。
毎日のように周囲から注目されて、成績が振るわなかったら文句を言われる。前の チームのファンからは「裏切り者」呼ばわりされ、まさに地獄です。しかも、年俸公 開制なので「あいつは3億円」「こいつは8億円もらってる」などとバレてしまう。 隠せない世界なのです。

結果を出さなければ即クビの人生と、自分らしくある程度の自由な環境で実力を発 揮する人生と、はたしてどちらが幸せなのでしょうか。

やはり「自分が欲しいもの」と「失うもの」とのバランスをわきまえていないとい けません。高い金額をもらう代わりにメンタルをやられてしまうのは、トレードのミ スです。僕は「ある程度あればいい」「これだけあればいい」と思ってやっています。 そのラインを超えたら、ラッキーみたいな感覚です。

地上波のテレビに出ると、爆発的に知名度は高まりますが、消費されるスピードが 速まり、飽きられるスピードも速くなります。ここをうまくやらないと本当に怖い。 僕はなるべく消費されたくないし、カウンターカルチャーみたいに根付いたら強い、 そんな存在になりたいというクリアな意志があります。

 それこそが「ブレない自分だけのものさし」であり、「折れない心」をつくる糧に
なります。「これでいい」という自分の目標が明確だから、ブレようがないんです。 僕のルールはそう決まっている。多くの人はルールがあいまいで、目的がはっきりし ないからブレてしまうんです。

逆算思考で「捨てるべきもの」を見つける


目的がハッキリしていない人や、自分のルールが決められない人は、自分の欲しい ものを明確に書き出すことをオススメします。 書き出すことができれば、そのために何をすればいいか考えるだけなので、すごく シンプルになります。ようするに、フィニッシュから考えることが大切なのです。

僕は試合のときもフィニッシュから考えて戦略を立てます。たとえば、背中を取っ て首を絞める「バックチョーク」をフィニッシュにすると決めます。すると、そのた めにやることが見えてきます。「まず、相手を倒す↓押さえ込む↓相手が嫌がったり 立とうとしたりして背中を向ける↓バックを取る」という戦略が描けるのです。

ゴールを先に設定して、目的を一つひとつ設定していくのです。まさに逆算思考。
 
大雑把でもいいのです。

なぜなら、細かいことを決めてもそのとおりにいかないから です。手順で言えば くらいです。だいたいの流れを決め、大まかな枠を考えるイメージです

試合に関しても、大枠だけ考えるようにしています。明確なビジョンを描きすぎる と、そうならなかったときの対処法を考えなければいけないから、逆にしんどくなる からです。

 僕は、すべてのことを「自分ルール」に則って生きています。練習体系もそうです。

「必ずここで毎日練習する」「ここでできなかったら、ここでやる」という自分ルール を決めているのです。この「自分ルール」がないと、特にフリーランスではやってい けないでしょう。

自分ルール、つまり「自分だけのものさし」を決めるプロセスはそれぞれでしょう が、「ここにたどり着きたい」という明確な目的地さえ見つかれば、あとはわりと イージーだと思っています。

僕は昔から「自分のものさし」で生きようとしてきました。

しかし、 歳で警察官になったときにだいぶブレました。どうやって生きていきた いのか、やりたいことの明確なビジョンがなかったからです。ただ「のうのうと生きていきたい」という漠然とした思いだけはあって、のうのうと生きていくために公務 員になったのです。

そんな感じで、「将来をラクして生きていきたい」「ずっとぬるま湯につかっていた い」という気持ちだったので、警察官になってもうまくいくわけはありません。あまりにも警察という居場所が自分に合わなくて、つらくて、警察官を辞めました。 「これはまったく合わない」と思ったときに、「捨てるべきもの」が見えてきました。

僕は、すごく悩み、いてもたってもいられなくなったことで、本当に捨てるべきも のが見えてきた。これは、素晴らしい発見でした。

もし、あなたがいま悩んでいるとしたら、それは「自分だけのものさし」を見つけ るチャンスでもあります。

僕の場合は「毎月食っていくぶんのお金があって、格闘技だけできれば幸せだ」と いうものさしを見つけることができました。それで格闘技の世界に来た。このものさ しが明確にあるから、他人に振り回されることなく、自分らしく生きることができま す。まずは、そのための自分だけのものさしを探してみませんか。




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