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計量ミスを責めても何も解決しない。まずは安全ありきだし、選手が再起できるような環境があるといいよね。

キックボクシングのイベント「ノックアウト」でメインカードが計量失敗で無くなるニュースが僕のタイムラインに流れてきました。

計量失敗は珍しいことではないし、国内の大会でも大小関係なく計量ミスで試合が消滅することは珍しくない話です。数が多いから計量ミスが許されるわけではないし、ミスはミスです。勘違いしてほしくないのは計量ミスを肯定しているわけではないこと。

僕は52戦のキャリアの中で計量ミスは一度もないし、ケガで欠場したこともないです。そのくらいイベントに穴をあけることの重要性を認識しています。

これは65Kgまで落とした時の写真。本当に死ぬかと思いました。それでも節制して落としたけれども、試合では全然動けなかったです。体重を落とせばいいものではないです。

計量失敗に対してはインターネット上には辛辣な言葉が並んでいて、その気持ちも十分にわかります。同じ選手であれば、落とすことがプロとして当たり前だし、自分だって苦しい思いをしてるんだと思うでしょう。ファンの立場からすれば、楽しみにしていた分だけ思いは出てくるでしょう。その気持ちは十分わかります。

僕も昔は必死で落とせよと思ったし、厳しい言葉を浴びせていたのだけれども、今は体を大事にしてほしいし、事故がなくてよかったと思うのです。

それはONEで計量で事故があった経験が大きいです。事故にあった、その選手とは前の大会で写真を撮ってくれと頼まれて「マイヒーロー」と伝えてくれた選手が事故で亡くなったときに計量で無茶をしてはいけないし、周囲も追い込むようなことはしてはいけないんだと反省しました。

事故があってはいけないのです。
計量を通過するよりも安全性が優先順位では上です。命を賭けてまで体重を落とす取引をしてはいけないのです。利尿剤、血を抜く、サウナでの極限の減量。そんなことをしてまで落とさないでいいです。危ないです。

皆、軽く見てるのかもしれないけれども「死ぬ」から。
なのでオーバーできない状況に追い詰めてしまうことのリスクは大きいのです。その意味ではペナルティ強化では解決しないと思っています。いくら罰金をつけても、その罰金が重荷になって最後に無茶されて事故が起こったら逆効果でしょう。二度と試合に出さないっていうのもその意味では全く意味をなさない。

大切なのは知識であり、教育や啓蒙をしていくことだと思うのです。
そこをやらずに罰則強化で済ませていくのは、ずるいし怖いなあと選手の立場からは思います。

選手は体重に関して今一度考えましょう。
まずは落とせば強いわけではないです。体重が軽い方が相手のパワーが少ないので相対的に有利に働くとの考えは理解できます。ただ自分の力も落ちることもあるし、自分のパフォーマンスが出せないのであれば、勝ちにはつながりません。

3食食べて稽古して体重が上がるのであれば階級をあげよう。

若い選手が減量をする姿を見ると勿体無いなと感じます。強くなる時期は体重を落とすよりもたくさん練習して、強くなった方が効率がいいのです。僕はずっと強くなることに重きを置いてきました。だから選手寿命も長いし、ケガもないのだと思っています。

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青木真也 shinya aoki

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青木真也 shinya aoki

格闘技選手をしています。青木真也です。

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