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直撃・青木真也! 証言!『DREAM』(23)「人生が終わった瞬間」

◉『Bellator 66』(2012年4月20日、アメリカ・オハイオ州クリーブランドI-X センター)
×青木真也(1R 2:14 TKO/右アッパー→パウンド)エディ・アルバレス○

◉『ONE FC 6: Rise of Kings』(2012年10月6日、シンガポール・インドア・スタジアム)
○青木真也(1R 1:25 三角絞め)アルナウド・ルポン×

人生が終わった瞬間


――もう終わりがすぐそこまで見えてきた、この『DREAM』回顧録なんですけど、今回は最後の年となった2012年の話です。
青木 ええ。
――2011年大晦日の北岡悟戦を終えて、3月7日には『Bellator 66』(2012年4月20日、アメリカ・オハイオ州クリーブランドI-X センター)でのエディ・アルバレス戦が発表されます。
青木 その試合は、実は北岡戦が決まる前から決まっていた試合だったんですよ。
――あ、そんな早い段階から!
青木 本当なら日本でやる『DREAM』に出たかったけど、もう兵糧攻めに遭っているようなもんじゃないですか。
――兵糧攻め(苦笑)。要は、備蓄米しか残っていなくて、新規の収入がないっていう。
青木 完全な兵糧攻めですよ。だから外貨を稼ぎに行くしかないわけで。
――そういうことですね。
青木 自分としては(シンガポールの)EVOLVEジムで練習を初めて、強くなっている手応えはあったし、勝負してみようって思っていたところだったし。
――一度勝っているアルバレスでもあるし。
青木 そうッスね。だけど実際、現地に行ったら、ちょっとニュアンスというか雰囲気が違っていたんですよね。
――というと?
青木 その試合では、僕がKO負けするんですけど、正直なことを言うと、試合が始まった瞬間というかリング上で向き合った瞬間、「これは勝てねえな」って思ったんですよ。
――向き合った瞬間に?
青木 いや、もっと言えば、前日の計量ですね。
――前日の計量!?
青木 その時点で「勝てねえかもな」って思っていたから。
――まさにやる前から負けることを考えていた?
青木 (脳裏を)よぎっていましたね。
――試合後には「単純に僕が負けたので、何も言うことはありません。アルバレスが僕よりも強かったということだけです」とだけ言い残しています。
青木 なんかねえ、もう余裕がなかったんですよね。
――余裕がなかった、というのは誰にですか? 青木真也に? 『DREAM』勢に?
青木 もうみんなにですね。
――みんなに!
青木 そこまでの2年間、僕はアメリカで(ギルバート・メレンデスに)負けてから、ずっとアメリカに勝つためにやってきたはずなのに……。
――ですよねえ……。
青木 言ってしまえば、あそこで僕の人生は1回終わったんです。
――え?
青木 終わったんだよなあ、あそこで……。

正式に『ONE』と契約

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