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若松佑弥さんの計量失敗 省みる前に今は前に進めの巻 計量にまつわる青木真也の考えも添えて

明日の朝開催のONE FIGHT NIGHTに出場される若松佑弥さんが計量をパス出来ず、キャッチウエイトでの試合成立を目指す流れ。キャッチウエイトで成立するであろうとは思いますが、オフィシャルからの公式の契約体重と成立がアナウンスされていないので、「キャッチウエイトでの試合成立を目指す流れ」と記すことにします。計量ミスよりも、それほど話題になっていないことに僕はショックが大きかったし、計量ミスだけで大きなニュースにする平田樹さんはやっぱり優れたタレント性の持ち主だなと思いました。若松佑弥さんは人が良くて、良くも悪くも可燃性がないんですよね。まあそれはそれとして。

若松佑弥さんとは何年も毎週練習で御一緒させてもらう関係性です。彼の練習への取り組み、栄養と身体への向き合い方を間近で見ているだけに、計量をパス出来なかったことのショックが大きいです。パス出来なかったのだから、何らかの要因はあって、やり方が間違っていた部分はあるのだろうけれど、それでも通常練習時から毎回尿比重を測って、食事も水分も気を使って、腸の反応が強くて疲労するからとグルテンを取らないようにしているほどに徹底している彼が計量パス出来なかったことにはショックでしかないです。

ONEの計量ルールの中でも難なく通過している選手が大半なので、若松佑弥さんの計量ミスを擁護するものでもなければ(彼は2試合連続2回目の失敗だし)、ONEの計量システムを批判する性質のものではなく(何故なら僕は一度も計量をミスしたことがないから)、若松佑弥さんの取り組みをヨカタよりも少しだけ近い距離で見ている者の感想として、ショックなのが正直な感想です。

ONEの計量システムだろうと一般的な計量システムだろうと試合体重と通常体重が明らかに違う、不摂生自慢と減量自慢の選手や、取り組みが追いつかない選手がいます。最近で言えば修斗で計量失敗した片山将宏さんは、フライ級の56.7kgにも関わらず、計量から試合までの1日で10kg体重が戻る上にリカバリーも焼き肉を食べる胃の強さで、「いつか失敗する」と注意喚起をしつつも面白がっていたら、先日、僕の予告通りに見事にオーバーしていて、反則金を払うために肉体労働に身を投じたと思っていたら、突如「欲望のために頑張る」と狼煙を上げていて、相変わらず格闘技界はサファリパークなのだと思いました。若松佑弥さんの取り組みは一線を画したもので、そうなると余計に残念な気持ちが強くなります。

キャッチウエイトが成立すれば若松佑弥さんは明日の朝に試合をします。後述しますが、計量失敗に関する外国人と日本人の一番の違いは自責の念が強いか否かだと思っています。日本人選手の場合は計量ミスした申し訳なさで力を発揮せずに負けていく、むしろ切腹のように負けにいくようなところがありますが、外国人選手はキャッチウエイトでファイトマネーから対戦相手に支払っているんだから成立していると捉えて、コンディションの良し悪しはあれど力を発揮できます。

試合をするのであれば、計量失敗のことは一旦外して考えて、万全のベストなパフォーマンスで試合をして、「勝って」きてほしいと思っています。軽量級で28歳は一番強いときだと思うし、格闘技への気概も生き方への気概も彼は持っているからこそ、ここは踏ん張りどころです。ここを乗り越えたらまた強くなるし、プロ格闘技選手で自分の名前で生きていこうとする人間が、そう簡単に反省しちゃいけません。省り見る前に今は前に出るときだ。

がんばれ。若松佑弥。


ONE計量でギリギリを攻めるとドツボにハマる

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