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【WBC】準決勝②みどころ

WBCもいよいよ佳境に!

プエルトリコを下したメキシコと、イタリアを下した日本が対決。

勝者は決勝でアメリカと対決します。

本noteはMLB合同note企画の一環の為、メジャーリーガーの数が少ない日本を細かくハイライトしませんが、代わりにメキシコのメジャーリーガーを中心に触れてまいります。

日本と相対するメキシコがどのような状態で、どんな選手に注目すべきか気列挙してみました。

※メキシコがどういったチームであるかは以下の記事もご参考ください。

大会中のチーム成績

打撃

大会成績そのものを比較すると、日本は打率、OPSを含めたすべての項目でメキシコを上回っています。ただし、元々差のあった積み上げ系の盗塁やHRが近づいてきたこと、これまでの対戦相手のレベルを考えると、打撃の調子そのものに大きな優劣はない、と考えるのが妥当でしょう。

打率 日本 .313 メキシコ .281
OPS 日本 .996 メキシコ .784
HR 日本 6 メキシコ 5
盗塁 日本 8 メキシコ 6

https://www.mlb.com/world-baseball-classic/stats/team

投球

日本は引き続き、他国を圧倒して一位の状態。ただし、メキシコも大半の項目で3-5位と堅調。これまでの対戦相手のレベルを考えれば、日本の攻撃面でのチャンスは相当減ると言えるでしょう。

防御率 日本 1.80 メキシコ 3.33
WHIP 日本 0.69 メキシコ 1.09
奪三振率 日本 12.60 メキシコ 9.50
K/BB 日本 12.60 メキシコ 3.27

https://www.mlb.com/world-baseball-classic/stats/team/pitching?sortState=asc

予告先発と予想第二先発

日本は佐々木朗希投手ですが、メキシコはサンドバル投手です。

パトリック・サンドバル  (Patrick Sandoval) 

https://twitter.com/Beisbolpuro/status/1636919126311546880?s=20

どういう投手なのか?
Savantの各種データを要約すると、以下のような特徴を持ちます。

■投球割合は満遍ないタイプ
     ➤スライダー (28.4%) ☆ 138㌔
     ➤チェンジアップ (24.8%) 134㌔
     ➤4シーム (23%)  150前後
     ➤シンカー (14.4%) ☆ 150前後
     ➤カーブ (9.5%) ☆
■データ上、効果的とされているのは☆のシンカー、スライダー、カーブ
■打者の左右でWHIPが倍以上異なり、左は得意で、右は苦手な傾向
     ➤対左 34.1回 WHIP 0.75
     ➤対右 113回 WHIP 1.53

コメント:
満遍ないとはいえ、割合とバリューを見るに基本はスライダー投手と考えるべき。左打者のアウトローへ落とす事を基本とし、それ活かす為に対をなすシンカーを投げ、右打者にはスライダーとシンカーの中間にチェンジアップを落とす。ただしチェンジのバリューは高くありませんので、日本としてはスライダーを捨てつつ、4シームかシンカーに割り切る感じになるでしょうか。WHIPの件をみても、右への組み立てに苦労するはずなので、日本は岡本和真選手や牧秀悟選手を使っていく事になるかもしれません。

https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/patrick-sandoval-663776?stats=splits-r-pitching-mlb&season=2022

タイジュアン・ウォーカー(Taijuan Walker)

https://twitter.com/TalkinBaseball_/status/1635845463252389888?s=20

彼は本来先発の柱ですが、メキシコは残り二試合で、上述のサンドバル、ウォーカーの他にアークィディを残す状態。登板順を考えると、サンドバルが早めに降板する場合、その次の第二先発はウォーカーである可能性があります。

特徴は以下の通り。

■投球割合は4シームとスプリットで6割弱
     ➤4シーム (29.5 %)   150前後
     ➤スプリット (27.6%) ☆ 142前後
     ➤スライダー (16.3%) 136前後
     ➤シンカー (11.3%) 150前後
     ➤カーブ (8.7%) ☆ 120前後
     ➤カットボール (6.6) ☆ 142前後
■データ上、特に効果的とされているのは☆スプリット
■左右差による成績の揺れは殆ど無い

コメント:
本来4シームにバリューが無いタイプなのですが、イギリス戦ではその4シームを高い頻度で使い、4回8奪三振という成績。粗さはあるものの、打撃の面ではプールCのサプライズ的存在だったイギリスを抑えた点は認識しておくべきでしょう。スプリットを見極めつつ、主に高め、内角に決めてくる4シームを打ち返す事が出来るか。なお、大谷、ヌートバーともに昨年は対戦無し。

https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/taijuan-walker-592836?stats=splits-r-pitching-mlb&season=2022

注目野手と特徴

まず、レギュラー格であるアロザレナ、メネセス、テレスに関しては、準々決勝で触れていますので、簡単にコメントのみで。

メネセス、テレスともに、準々決勝は静かでした。やや調子が落ちてきたと言えるでしょう。一方アロザレナは元気で、引き続きトップバッター起用と思われます。しかし三振はかさむタイプですので、佐々木朗希としては組み立てやすい相手。まずは佐々木朗希がアロザレナを抑えるかが注目と言えるでしょう。

その他の注目野手は以下の通り。

イサーク・パレデス (Isaac Paredes)

https://twitter.com/LigaMexBeis/status/1636876757276958721?s=20

コメント:
昨年レイズに移籍した後にスマッシュブレイクを果たしたサードを守る24歳の若手。調子のいいメキシコ打線において中々乗り切れませんでしたが、プエルトリコ戦を経て打率 .300 OPS .841 HR1 盗塁1 と波に乗ってきました。アロザレナの後を打つ打者の成績が下がり気味なことを踏まえると、彼が活躍するか否かはとても大きいと考えます。また、守備は上手く、昨年はサードでDRSが5、OAAが2と良好な数値を残しています。

https://www.fangraphs.com/players/isaac-paredes/20036/stats?position=2B/3B

アレックス・バードゥーゴ (Alex Verdugo)

https://twitter.com/BeyondtheMnstr/status/1634638537508241412?s=20

コメント:
メキシコ打線の最重要人物。先に言っておくと、今大会はまだ全然当たっておらず、打率 .105 OPS .322 と寂しい数値。ですが、三振を経費として長打を稼ぐ打者ばかりのメキシコにあって、コンタクト力が高く三振が少ないバードゥーゴの存在は貴重。三割打者がほぼいない球界において、安定して.280を記録する打撃技術は、局面に応じてカットして粘ったり、シフトの逆を突くような器用さを持ち合わせています。チームも重要度を理解しているのか、不調でも打席を与え続け、準々決勝では二番に座り1安打1四球、かつ凡打でも確実に走者を進める仕事振り。佐々木朗希という奪三振タイプの投手が、単純な調子以外で崩れるとしたら、バードゥーゴが何らかの仕事をした時となるでしょう。位置づけ的にはメキシコの中村晃か。彼に仕事をさせるかどうかは、勝敗そのものを左右すると言っていいと考えます。

https://www.fangraphs.com/players/alex-verdugo/17027/stats?position=OF

その他、アレクトーマス (Alek Thomas,) や ジャレン・デュラン (Jarren Duran) といった、盗塁を仕掛けてくるタイプもおり、クイックに課題を残す佐々木朗希相手に揺さ振りをかけてくる可能性もありますが、上述のように、三振は誘いやすい打線ですので、気にし過ぎない事が肝心と思われます。

まとめ

はい、という事で、かなり展開が読みにくいカードですが、日本投手陣の奪三振能力が働くと解釈すれば、手は合いながらも日本有利に進むと思われます。

メキシコ打線は、バラエティに富んでは居るものの、三振で沈黙しやすいメンバーなのは事実。そのために佐々木朗希投手である事は、アドバンテージとなりそうです。

故に、長打で派手な活躍をするタイプではなく、パラデスやバードゥーゴといった脇役に注目頂くと、打線の起伏が見えて面白いかも?と考え、ピックアップしてみました。

観戦の一助となれば幸いです。

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