【WBC】準々決勝④見どころ
準々決勝も最後のカードに!
死の組プールDを一位で勝ち抜けたベネズエラと、優勝候補ながらプールC二位と苦戦したアメリカが激突します。
ベスト8の中ではトップレベルに選手が豪華な両者、試合の見どころを考えました。
打撃
打率、OPS、HR、などほぼ全ての項目で互角の状態。また、そのどれもが参加国中で5-6位と、両チームの調子は悪くありません。
投球
ここでは明確に差が出来ています。投球回は2しか差がないものの、パワー型の投手を多く選んだベネズエラは、奪三振と与四球が多いが被本塁打は少なく防御率は日本に次ぐ二位、対してバランス型の投手を多く選んだアメリカは、奪三振と与四球は少ないものの、被本塁打は4と嵩みそれが防御率に現れる結果に。WHIPではほぼ差がないだけに、両者の投手選考が、早くもその差を表現し始めたと言えるでしょう。
したがって、投球視点で考える注目すべき打者タイプは、以下のように考えられます。
ベネズエラ投手陣
→ 三振をしにくい、四球選択に優れる打者を警戒
アメリカ投手陣
→ コンタクト力、長打力のある打者を警戒
この視点に立ち、それぞれの予告先発と、警戒すべき特長をもった(つまり活躍が想定される)打者をピックアップします。
予告先発から考える注目の打者
ベネズエラ先発 マーティン・ペレス (Martín Pérez)
ベネズエラはパワー型投手を多く選んだ、と言いましたが、普段のペレスはどちらかといえばバランス型に属します。ただ、ドミニカ共和国戦では3.1回4奪三振と投球回以上の三振を奪う、良い意味でらしくないパフォーマンスを見せました。よってアメリカ代表の三振をしにくい、あるいは四球選択に優れる打者との対決は注目と言えるでしょう。
vs ムーキー・ベッツ (Mokkie Betts)
vs ポール・ゴールドシュミット (Paul Goldschmidt)
アメリカ先発 ランス・リン (Lance Lynn)
通算勝利数で言えば123と地味なものの、投球回は1700を超える35歳のベテラン。球界のトレンドに合わせて投球スタイルを変える器用さがあり、カッター/シンカーで全盛期を渡り歩き、近年では変化球の質を変化させ、奪三振スタイルを確立。誰もが知る超ビッグネームではないものの、彼のような長くMLBを支える投手が出場することには、アメリカ代表は勿論の事、球界にも良い影響を与える事でしょう。
大会成績は5回6奪三振と、確実に仕事をこなし調子も上々。そこで、アメリカ投手陣の課題と言えそうな、ベネズエラの長打力のある打者との対決は注目であり、リンが抑えることでアメリカの弱点を補いたいところです。では、誰に注目すべきか?二人挙げてみます。
vs アンソニー・サンタンデール (Anthony Santander)
vs サルバドール・ペレス (Salvador Perez)
まとめ
はい、いかがだったでしょうか。
構図としては、いまだ調子の上がっていないアメリカ側が、ランス・リンを立てて好調ベネズエラ打線をどう抑え込むか、となっており、それが成立してはじめてゲームとして噛み合う、と言えるでしょう。
一方アメリカとしても、過去に無いレベルで早期にプロモーションをかけ、各プールで多くの観客動員に成功し、さらに (日本と) アメリカ代表に、特別な配慮をして組んだ日程で、負けるわけにはいかないでしょう。
ただし、ローンデポ(マイアミ)という土地を考えても、必ずしもアメリカ一色になるとは思えず、調子が上がらない上に、歓声も半々か劣勢に、ということさえ考えられます。
運営の成功と代表の成功がイコールになる必要はありませんし、ここまでagainstなアメリカ代表を観られるのは珍しいかもしれませんが、選手の格を考えた場合、いったい何人殿堂入りするんだろうというレベルのメンバーを抱えたアメリカが、易々と敗退する姿が想像できないのも事実。
直近のデータではベネズエラ有利も、アメリカが意地を見せることで歴史的な好勝負になる事を期待し、準々決勝まとめを終えたいと思います。
追記:
アメリカ代表については以下の記事もご参照ください。
ベネズエラ代表については以下の記事もご参照ください。
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