もう後戻りできないから どうか光のなかに立っていてね
人間を太陽と月に分けるとするなら、きっとわたしは月側の人間だな。太陽の光がなければ光ることすらままならないから。
あの頃、本気でそう思っていた。
誰かに「そんなことないよ」と言って欲しかったわけじゃなくて、本心で、なんなら無邪気に、むしろほんのすこし、そう思うことが誇りにさえ思っていた節があった。わたし、自分のことよく分かってるでしょって。
そんな高校生だったわたしに、当時バイト先の仲のよかった大学生の男の先輩が「きみも、誰かにとっての太陽なんだよ」と言ってくれたことを、