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就活生だった私

7年前の今日、私はセミナー会場で某大手金融機関の説明会を聞いていた。

3月11日。いわゆる、「就活」真っ只中だった私。髪を黒に染め、リクルートスーツに身を包み、四角いバッグを持って、少し低めの黒いパンプスを履いていた。THE 就活生。

説明会の終わりに司会の人が東北で震災が起きたことを告げ、会場を出て地上に出ると、なんとなく街の様子がざわついていたのを覚えている。街ゆく人は携帯を手に電話をしたり画面を見つめていて、そんな中当時まだスマホではなくガラケーだった私の携帯には、母親から安否確認のメールが届いていた。

震災の発生により就活のスケジュールは大きくずれ、3、4月のスケジュールは、ほぼ白紙状態になった。

当時、行きたい会社に出会っていた私。まだ採用試験はスタートしていなかった。震災で採用のスケジュールを遅らす通達を見たとき、すでに内定をもらっていた会社に入ろうかと思った。ほぼ初めて、「働く」ことについて考え、悩み、ぶちあたっていた私は、どこか疲れていた。心の中で、早く就活を終えてしまいたいという思いもあったと思う。震災でぽっかりあいた時間に、「あっちもいきたかった会社だし。」と自分で言い訳も作っていた。

そしてあれから7年。

最初に内定をもらった会社を断り、最終的に、一番いきたいと思った会社に入った私は、いわゆる中堅という立場に入ってきた。入社当時とは、会社に対する感じ方や、仕事への考え方も変わった。新入社員の頃はキラキラした思いで取り組んでいたことに、真っ直ぐ向き合えない自分もいる。だけど、今の会社に入ったことはまったく後悔していない。あのとき、言い訳に逃げなくてよかったと本当に思う。

1年、2年・・、と毎年この時期になると、自分の心に問う自分がいる。「あのとき考えて出した自分の未来を、真剣に歩んでいるか?」と。

正直、真っ直ぐに「はい」と答えられない自分がいるときもある。だけど、少なくとも答えられるような自分でありたいとは思う。それは別に、今の会社にい続けることだけが全てではない。入社してから今までがむしゃらに走ってきたけど、今は少し、これからをもう一度考えてみたいと思う時期な気がする。

天気良く少しあたたかくなってきたこの週末、そんなことを考えていた。

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