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グレープフルーツ・ジュースを読む

「グレープフルーツ・ジュースが読みたい。」
この発言に対し、これまで何度も「グレープフルーツジュースを飲むじゃなくて読む?」と周りから尋ねられてきました。そうなんです。読むためのグレープフルーツ・ジュースがあるのです。

「グレープフルーツ・ジュース」との出会いは6年前。偶然立ち寄った本屋さんで、「心の処方箋」と題して、ビブリオセラピーのコーナーを見つけました。

ビブリオセラピーとは、読書療法のことで、世界的にみても本によって、心を勇気づけるような取り組みは多くなされてきた歴史があるようです。

経験則でいっても、実際本に影響を受け、勇気をもらったことは何度もあり、本は心の栄養だと感じています。

こちらの処方箋バラエティ豊かで、
 ・大人の恋愛がしたくてたまらない
 ・最初の一歩が踏み出せない
 ・大人になりたくない
 ・パワー不足
と手に取る内容は様々。

いくつもの処方箋を眺める中で『面白いな〜』と、手に取った処方箋でオススメされた1冊こそが、オノ・ヨーコの「グレープフルーツ・ジュース」でした。

ただ、その時はその本を買うという決断になんとなく至らなくて、別の本を購入してそのお店を去りました。

それからずっと頭の片隅にあった私の処方箋。

何度か手に取ろうと、本屋さんで検索をかけましたが、置いている本屋さんはなかなかなく、取り寄せするしかなかったこともあり、後回しになっていました。今年こそ手に取ろうと、2021年の野望のひとつとし、今やっと対面する運びとなりました。

この「グレープフルーツ・ジュース」は、ジョン・レノンが「イマジン」を作曲するきっかけともなった本です。
命令口調で、短い言葉が写真とともに並べられています。

印象深かったのはオノ・ヨーコさんのまえがきです。

「習慣的な生活だけでは、たまらない。何か新しい行為を人生につけ足したい。〔中略〕そういうふうに思っているあなたのために『グレープフルーツ』を書きました。」オノ・ヨーコ 南風椎 訳 『グレープフルーツ・ジュース』(講談社,1998),8

『これは、私のための本ではないか!』
と、改めて心にヒット!


あの頃の処方箋は、今の私にとっても有効でした。

解釈の仕方が多様な詩が多く、経験や年齢によって見方が変わるようなそんな1冊でした。

読む「グレープフルーツ・ジュース」がくれた、生活をますます豊かにするヒントを胸に、新たな気持ちで日々を営んでいきたいと思います。


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