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夜の空気日記

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寝る前に夜の空気を観察して感じたことを書く
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1/24 am4:19

乱反射する光に惑わされそうになる、万華鏡のような夜。やさしい風にそっと頬を包まれているけれど、どんどん冷たくなる肌に驚き距離をおく。カーテン越しがちょうどいいわ。

1/23 am2:26

漂白剤の匂いがする。白い空にブルーグレイの雲が流れていて、辺りは明るい。けっこうはやいな、乗ってみたいけれど…落ちちゃうかな。指にチクチクと刺さる空気中の何かは、なんなの?

1/22 am2:13

柔らかいけれど、まっすぐこちらを射抜くような視線。オレンジの皮をむいた時のような爽やかさとサイダーを注いだコップを持った心持ち。乱視の私でも数メートル先までしっかり見える、そのくらい明るいの。でもね、おやすみ。

1/21 am1:20

冬らしい空気。月明かりがベランダに一筋の道を作っている(私は歩くことはできない)
冷気に背筋から攻められるけれど、浮かない顔は見せたくない。ぁあ、カーテンを閉めて仕舞えば攻められないらしい。それでも、カーテンを空けてしまうのは女の性なのだろうか。

1/20 am9:55

いつのまにか引き摺り込まれた。帰路を思い出しながら夜の空気を創造する。人がいない道を手を繋ぎながら歩いた。どこからかお好み焼きの香りがして「お腹すいたね」とつぶやく。君に触られているのか夜を触っているのかわからないまま。

1/19 am1:12

贈り物が届きそうな雰囲気。
マスカットの果汁が飛び散って香りを運ぶ。幼い頃、誰かと手を繋いで歩いた道を思い出しながら、それが誰かもわからぬまま目の前から消えていく。白ワインのホルマリン漬けになった私は生きているのか、死んでいるのか、それすらも。

1/18 am1:44

柔らかに嫋やかにそこにいる
少し厳しい夏の夜のような。
新しい空気を吸い込んで新しい肺を作った気になっている。どこも変わっていないのにね。外で誰かとカップラーメンを食べたくなるなぁ。

1/17 am 3:15

塵ひとつ落ちてないような大気に耳鳴りがする。冷気が私を歓迎して飛び出したくなるけれど生憎パジャマで媚びへつらう。マーブル模様の空に手を伸ばして掻き乱したくなる。目はとうに覚めてしまった。

1/15 am0:59

無数の針が、窓を開けた瞬間刺さってきた。敏感な肌は拒絶するようにカーテンを閉める。優しさのない光がアスファルトを照らし夜を作る。星すら彩らない天邪鬼さに辟易す。

1/14 am1:49

ネイビーブルーの石鹸を空気に溶かして髪をすすいだ。頸動脈が夢見る明日と花の香りにハッとする。ひんやりしてしまったから、頰を包んで欲しい。