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2023/07/30 獅子の母なんかじゃない

 6時半起床。息子1の勝負飯を作る。
 白い塩おにぎり。1合で3個、具は塩昆布と鮭フレーク。なんでもいいわけではなく、なぜか九州のドラッグストアのコスモスのプライベートブランドのものを好むのでそれ。県大会は普通弁当で良かったのに、今回は本気…この人は幼児期から、コンクールやコンペの当日の昼食や間食はこれのみ。作り続けてかれこれ12年目。本日は吹奏楽コンクールの、県代表の選考会。九州大会出場がかかっている大会。
 朝食にちくわと玉ねぎの卵とじや浅漬を出すも、子はあまり入らず。いつもなら食べられるフルーツもあまり食べられず。でもまあ食べたので良し。
 県大会と同じ準備をして送り出した。またしても「いつも通りでね」と声をかける。

 休みを取っていたオットは午後から県劇へ出撃。私は行かない。緊張感に耐えられないので。送り出して原稿を書く。やっと体裁が整って一安心…と、時間を見ると息子1の出番が迫っている。こうなって神仏に祈ったりなんかしない。ただ、子が、子の仲間たちが力を出し切れるように強く思う。音楽は頑張ればいいってもんじゃないけれど、せめて、みんなそれぞれ出来ることがちゃんと発揮出来るように。
 そこから、なんとなく何をしても手につかず、細々とした家事をしていた。6時半にオットから電話。子ら、なんと県代表になっていた。とりあえず、息子1のLINEにお祝いスタンプを送る。しかしなあ、代表かー。県大会聞いた感ではやや怪しかった。1ヶ月前あった県の総文からずっと、内心ハラハラしていた。それでこれなので、よかったなあと思う。
 しかし家の中にいてもおそろしく緊張したので現場に行けばよかった。来年は3年生なので、ここから先は全ての大会を逃さず見に/聞きに行くからまあこの後悔は意味がないと思いつつ。

 オットは帰りの会で保護者会長挨拶をし、息子1たちは大はしゃぎ、解散後そのまま水前寺公園のお祭りへ、ということをオット帰宅後に聞いた。若者たち体力すごい。思えば昨日の夜は、校区の夏祭りに今日の代表選考会に出た違う高校に通う中学の部活仲間8人で行っていた。
 県大会の聞いた人たちの評を色々見たり聞いたりしていたけれど、オットの評を聞くと、その人達の意見とは違った印象を持ったらしいので、興味深い。聞いていると息子帰宅。祭、ほどほど楽しんできたとのこと。
 息子1、本日の演奏については「代表になるような演奏ではない」とバッサリ。あいかわらず厳しい。
 晩飯、ローストポーク、ゴーヤと夏野菜を炒めて卵でとじたもの。私は行ってもいないのにすごく疲れたので、お風呂に入ってさっと寝た。11時半。

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 この私の、子らにのみ発動する強度の緊張は考えて見るに、子のここまでに付き合ってきたからだなあと思う。そもそもピアノを始めたのは息子1本人の意志だ。3歳過ぎから「ピヤノやる」と言い出した子をもう少し物心ついてから選ばせたいと4歳まで誤魔化したもの意志が固く、それなら、と始めたのだ。それはいい。しかしその後の10年に渡るコンクール出場がいかんかった。コンクール、上位の子はみんな体格が良い。それに交じる色白で細身の息子1。一人歩きすらさせたことのない子がたった一人ステージで、体に対して巨大なフルコンのピアノに向かう姿がいかんかった。低学年までは毎回、胸がキューッとなって、とてもつらかった…なんで私はあの子をあんなところに送り込んじまったんだ、と思ったもの。これが緊張の元ではないか。
 色んな人に、うちは音楽に関わる両親が我が子に小さなうちから厳しくやらせているのだと思われているけれど、どんどんやりたいことにむかって突っ走る息子に必死でついていっているのが現実。私は「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」の、獅子のような親じゃない。もう全くもって、挑んでいる姿を目にするのは無理。それを経てきっと成長するのがわかっていても、正気でいられない。お子さんに自分の夢を託してハードな、ガッツリ勝ち負けがつくことをしているのをじっと見ることが出来る親御さんはすごいなあ、と思う。

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