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南天の実は満月に向かっている


見上げると
南天の赤い実が
漆黒の空を彩っている
風が吹く
南からの風は新しい年の風だ
目標を連れてくる風だ

木々の匂い

仄かに香って胸の奥を刺激する

準備している
春を待つものたちの匂い
春を待つものたちの声
春を迎える準備は進んでいる

感じろ
見えないものの力を感じろ
時は刻々と流れて力を溜めている

溢れ出す木々の匂い
風の声
空との語らい

目を閉じて感覚を研ぎ澄ます
たしかな足音が聞こえる
新しい風が
目標を示している

ああ
今日は満月だ
雲間から顔を出した月が
光が笑いかけてくれる
ずっとそこにいたんだな

南天の赤い実が揺れる

失敗を恐れるな
歩み出さないことを恐れろ

注いでも
注いでも
太陽の光は溢れ続ける

月は東から西に歩みを止めない
春は必ずやってくる

何億光年も昔から
宇宙の神秘は続いている

目を閉じて
空と風と宇宙を感じて
私はひとつくしゃみした

ああ
谷川俊太郎も
「二十億光年の孤独」に
思わずくしゃみしていたな

新しい年の風は
目標を連れてくる










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