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大石泉ちゃんと久川颯ちゃんの組み合わせ

 大石泉と久川颯の振る舞いの違いを少し考えてみます。まず、泉の振る舞いの形から見てみます。

まず機能性に注意を向ける

 大石泉は合理的に物事を観察しているように見えます。難解な物事も事前に計算しておく、公式に当てはめて解を割り出してクリアしていく、などという場面がしばしば描かれます。直近の「この恋の解を答えなさい」イベントでもそのような大石泉の考え方が表れていました。最適なアルゴリズムを用意して、コストを抑えて論理的に困難を解いていくというやり方で泉は問題に対処していきます。
 一方で、メモリアルコミュ4のライブシーンのように計算できないアドリブで状況を突破しなければならないときもやってきます。そこを切り抜けていくことが泉の成長の証として提示されます。
 頭を使って、プランを立てて合理的にトラブルを解決することは泉にとって苦ではないのでしょう。考える作業、あらかじめ困難をシミュレーションする作業、そうした準備をして難事に取り掛かる泉の構えはユーザー側にとっても参考になる点が多くあります。

無加工(自然体)の自分を誇る久川颯

 次に久川颯の振る舞いについて見てみます。颯は泉ほど合理的ではありません。構築されたロジックに沿って進んでいくのではなく自分の思うままに行動します。合理的ではなく私的と言えばいいのでしょうか。自分の身体でいろいろなことを体験して自分を作っていきます。
 颯が私的な行動に走るぶん、時として合理的な理屈は彼女の後景に退きます。颯は自分のやりたいようにやる自由さを持ち、その自分の、「個」としてのやり方が通用しなくなると困ってしまいます。そうした困難な状況から再起するシーンが各種コミュで描かれますが、そこで颯は自分なりの解を作っています。颯が颯を救うために編み出した、颯個人のための解です。
 辛いことに対してその回答を自分の中から出していく作業は難しいことですが、颯はがんばってそれを実行しています。これといった特技や才能があるように描かれることがほとんどない久川颯ですが、自身がファイトすることで傷を負いつつも強くなっていくという勇敢な姿勢を見せています。リスクを負うという合理さに欠けていながらも、自分のやりたいことを自分のやり方でやる私的な強さを颯は備えてます。

客観的に考えて行動する泉と自分自身の考えで行動する颯

 これら大石泉と久川颯の特性の組み合わせの一例が「この恋の解を答えなさい」で描かれました。このイベントは恋愛がメインテーマでしたが、恋というものはロジックが必要になる場面もあるし、非常に私的な体験でもあります。好きな人を振り向かせるために合理的にデートコースを調査したり、円滑にコミュニケーションするため話題をセレクトする等相手とのやりとりを研究する合理性も重要なのですが、恋を実らせるには個人の個性的な行動が必要です。
 恋愛とは自分と相手の人格そのものが表れる体験なので、相手と結ばれるには自分を主張し、相手の主張も受け入れなければなりません。恋は合理性と私的さがブレンドされた、とても複雑な物事です。その複雑な問題を解くにあたって、泉と颯の特性を組み合わせればちょっといい感じのことが起こるのでは……ということを示したのが「この恋の解を答えなさい」のお話だったんじゃないかと思っています。
 大石泉と久川颯は対照的なコンビですが、「この恋の解を答えなさい」の劇中では親しく触れ合っています。なのでこの先もふたりがセットになって行動していくともっとおもしろいことになる予感がします。今後のデレステの展開に期待しつつ、スタージュエルを貯めたいと思います。ウッホッホ。

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