漫才・雑談

雑談がうまい人って、かっこよくない?
雑談って要りますか?
雑談上手くなりたいからさ、ちょっと練習させてよ。
雑談って大体まじで要らない話しますよね。不要なこと話してる。
そういう不要なことから、生まれる大事なことだってあるんですよ。ちょっとやってみよう。

エレベーターで偶然一緒になった仕事の上司との雑談。
おはようございます。
ああおはよう。
いやー、今日も暑いですね。まったくもう10月なのに。
いや、寒くない?
え?
今日寒くないですか。
そうですかね。
うん、ヒートテック4枚重ね着してる。
寒がりなんですね。
そうそう。君は?
はい?
君は何枚着てる?ヒートテック。
えーと、着てないですね。
そう。
・・・先輩がちょっと着過ぎなんじゃないですか?
は?
すみません。
(大きなため息をつく先輩)

(元の人格に戻り、)
ね、だから言ったでしょ。雑談は不要だって。ただ関係性が悪化しただけじゃないか。
いやいや、あんたがおかしい。普通暑いですねって来たら、暑いですね、って返すのが雑談だから。
感じ方はそれぞれだから。
いや、そういうんじゃなくて、暑いですねって来たら、どんなに寒いって思ってても、暑いですねって返すのが雑談だから。
ただのオウム返しじゃん。面白くない。
それが、雑談だから!正直、雑談って面白くないから。沈黙に耐えられない人間のエゴだから。
でしょ?言ったでしょ、雑談は不要だって。

・・・それでも雑談したいと思うのが人間なんじゃないんですか。私はあなたと仲良くなりたい、あなたと円滑に仕事がしたい。そういう気持ちが雑談を生むんです。
別に私、あなたと仲良くなりたいわけじゃない。円滑に仕事がしたいからって、どんだけ戦略的に生きてんだよ。そういう風に生きてるから、お前上手くいかねえんじゃねえの?
・・・
雑談なんかに頼ってんじゃねぇよ。もっと本気でぶつかってこいよ。
・・・漫才にそういうの要らないから。
え?
それってあなたの感想ですよね?
え?
漫才は学校じゃねぇんだよ。
え?
語り出した途端、つまんなくなるからな。
え?
なんか、思ってること全部言いたくなっちゃって。
は?漫才は学校じゃねえんだよ、は正直意味分からなかった。
大体、雑談要らねっていうやつは、友達いないんですよね。
いるよ。
誰?
君が。
えっ。
君も雑談苦手なんでしょ?僕たち、仲間。
こういう人、嫌い。
もうええわ。

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