菅原道子

エッセイ

菅原道子

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最近の記事

これぞ社会人

safariの閲覧履歴に残された「パン屋になりたい」の文字。「パン屋 なりかた」ではなく、「パン屋になりたい」となっていることからも、論理的ではなく、散文な様子が伺える。ブラック企業の午後5時13分。会議開始が15分後に迫る中、今日中に出さなければならない書類のコピーに追われ、さっさと会議室に向かって行った体裁上の愛しかない上司に頼まれたコピー群をやらねばと、ただ今日中にこのコピーは出さねばならぬのだと言い聞かせ、ただもう15分後には会議が始まってしまうという云々に悩まされ、

    • 漫才「カラオケ」

      最近カラオケ行くのにはまっててさ。 歌うまいの? 安達祐実よりはうまいと思う。 何基準?安達祐実の歌唱力とか知らないから。 ま、いつもは90点は超えるかな。 すごいじゃん。 ま、他が全くできないからさ、いつも国語の点数でテスト乗り切ってる。 高校の時の定期テスト、国語だけずば抜けてできるやつかよ。 だからさ、国語だけ試験科目の大学受けようと思ってて。 そんな大学あんのかよ。 あるんだよ。○○……(結構沢山あってビビる) もういいもういい。分かった。で、カラオケは?カラオケ。

      • コント「混ぜご飯」

        先輩、いつも混ぜご飯持ってきてますよね。 ね。 混ぜご飯、美味しいですよね。先輩は何味の混ぜご飯が好きですか? えー、普通に、醤油とか。 え、おもんな。 え。 せっせと毎日混ぜご飯持ってきてるくせに、あんまこだわりないんですね。 いやー、まぁ。自分で作って持ってこようって思って持ってきてるわけじゃないからね。 えー、じゃあ誰が作ってるんですか。 まぁ、彼女。 へー。 なんかいっつも作ってくれるんだよね。 へー。同棲してるんですか? まあね。月末に結婚する。 へー。 だから、節

        • 2024年の抱負

          花園神社に初詣に行った。近所の神社と迷ったけど、新宿に行く用事もあったし、おみくじも良さげだったので、花園神社を選んだ。おみくじは場所によっては、大量生産・大量入荷の、全国どこにでもあるような既視品だったりする。それを見ると、好きなラーメン屋の麺が自家製じゃなかった時の虚しさのようなものを感じてしまう。そうならないために、事前に調べてから向かった。それに、おみくじマニアの私としては、花園神社のおみくじを引いてみたかった。神社とか何のためにあるんだろ?と普段思っていたけど、こう

        これぞ社会人

          「コタツがない家」感想

          好き過ぎる。何が好きかって? 小池栄子さん演じる深堀万里江のことが好き。つい人のためになることを、無意識のうちにやっちゃう人。本当につい。善意とかじゃなくて。そういう人が実際私の周りにもいて、その人達のことが大好きだからそう思うんだと思う。

          「コタツがない家」感想

          漫才・雑談

          雑談がうまい人って、かっこよくない? 雑談って要りますか? 雑談上手くなりたいからさ、ちょっと練習させてよ。 雑談って大体まじで要らない話しますよね。不要なこと話してる。 そういう不要なことから、生まれる大事なことだってあるんですよ。ちょっとやってみよう。 エレベーターで偶然一緒になった仕事の上司との雑談。 おはようございます。 ああおはよう。 いやー、今日も暑いですね。まったくもう10月なのに。 いや、寒くない? え? 今日寒くないですか。 そうですかね。 うん、ヒートテ

          自由律俳句

          レッドブルなんか配るなや 映画なんてただの趣味。釣りと一緒。 「何があれば満足しますか?」 あそこにコップ置いた助監督天才

          自由律俳句

          漫才台本コンプラカード

          最近コンプラとか流行ってるじゃん。 別に流行りとかじゃないと思うけど。人としてどうこう、っていう問題じゃない? たしかに。私、社会人経験あるんだけど、そんな感じだった。えっ、あなた本当に同じ人間ですか?って言いたくなるような。 ちょっと言い過ぎじゃない? 失礼失礼。 (と、コンプラカードを口にやる) なにそれ? コンプラカード。危なそうな時するようにしてる。前の職場でさ、ほんとクソみたいな、お前がクソだったら、その他のクソが全部綺麗な水みたいな人がいたんだけど、 (と、相方、

          漫才台本コンプラカード

          二度目の「花束みたいな恋をした」(ネタバレ注意)

          六本木のTOHOシネマズで、初めてポイントを使ってポップコーンを食べながら観た一度目。そして雨の中、家で観た二度目。こんな風に書くと、自分があの2人のようにならないか心配になってくるが、二度目観て感想を整理できたのでそれを綴ろうと思う。「花束みたいな恋をした」は、ラブストーリーだけど、ラブストーリーだけではなくて、時間の流れ、過去・現在・未来を描いている作品だと思った。あまりハマらなかった友人は、ただ付き合って別れる話だから好きじゃないし、なんでみんながあんなにいいと言ってい

          二度目の「花束みたいな恋をした」(ネタバレ注意)