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積極財政への転換は必ず来る!〜転換されたとある2つの業界の話 その②〜

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今回の転換された業界とは…

スキー業界です!

今回も業界話で経済の話からは逸れるような感じにはなりますが、どうやって転換が起きたかを見て頂けると良いかな?と思います。ただ、今回の話は前回の雷魚釣りと違って、公益財団法人である全日本スキー連盟が1人の経済学者に振り回され、1999年から始まり実に2014年に終わりを迎えるまで約15年に渡って混乱と経済的被害やトラブルを与えたという点ではかなり大規模な話になります。かく言う私も直接的には数万ほど被害に遭ってます。

この話を理解する前提として、まず日本のアルペンスキー界には大きく分けて基礎スキーと競技スキーの2つの勢力があります。競技スキーはいわゆるオリンピックの競技にもなってるアルペンレースをやっている方々を言います。対して基礎スキーは日本オリジナルの競技で滑る時のターンの上手さ、この斜面をどう合理的に降りて来るかを競ったり鍛錬したりする事を主眼に置いたものになります。基礎スキーの集大成とも言うべき全日本スキー技術選手権という大会があり、ここでの優勝者や優秀な選手をお手本として日々練習に励んでいたりします。ちなみに基礎という言葉が付いるため初心者がまず通るべき何かみたいなイメージがあったりしますが、実態は全く違います。(大学の部活、サークルで下手の横好き的な同好会かな?というイメージで入ると全然違って面食らうと思います。)ちなみにこの基礎スキーという競技、採点方式なんですが、採点基準がイマイチ分かりません。多分明確に説明出来る人はいないと思います。(ちなみにこの全日本スキー技術選手権はルールブックが無かったりします…)

そんな基準が不明確な競技ですが、20世紀末まで主流だったスキー板(長くて真っ直ぐで先の尖ったスキーブーム時に履いていたあの板をイメージして頂ければオッケーです。)では競技内容は違えど基本的にベースとなる技術は同じでした。と言うのも、当時の板は操作性の許容範囲が狭かったため、上手く滑るにも速く滑るにも自然と同じような技術を会得しないとダメだったのが理由でした。

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昔ながらの真っ直ぐなスキー板。雪に対する食い付きが悪く短いと安定しなかったため、一般的に身長より10センチ長いのを使い、上級者や速度を求める場合は2m越えの長さを使う人もいました。

ところがあるスキー板をキッカケにこの関係性が崩れてしまいました。それが90年代初頭に登場した…

カービングスキーの登場です!

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こちらがカービングスキー、昔の板に比べて前後が太く、板を雪面に傾けた時に前と後が雪に食い込み板がたわむことで昔の板よりも雪に対する食い付きが良くなり安定してターンが出来るようになりました。その恩恵で昔よりも短くなっています。

この板の登場により上達が早まったこと、また高速域かつ極一部の達人にしか出来なかったカービングターンという技術が一般人にも比較的低速域で出来るようになりました。ちなみにこのカービングスキーは当初はイロモノ的な道具として見られており、基礎スキー側は正当な道具では無い!というような認識でしたが、競技スキー側は速く滑って勝つのが目的だったため比較的早くに取り入れていました。(それでも使い出したのは長野オリンピック頃です。)

競技スキーで使用するようになり、メーカーも一般向けのカービングスキーを売り出し、それに伴い一般のスキーヤーに普及するにつれ基礎スキー側もカービングスキーが当たり前になっていき、この板に合わせた新技術の必要性を感じるようになりました。

しかし、新技術が必要との認識はただの誤解でした。ではなぜ?そう考えたのか?単に基礎スキーのトップ達がスキー技術を本質的に理解していないだけでした。

えっ?そんな事あり得る?と思われるかもしれませんが、スキーというスポーツは小さな頃からやっている人ほど上手い傾向があります。と同時にそういう方はどうして上手くなったか覚えてないので実は感覚で滑っていたりします。もう1つ重要な要素として…

見かけ上の滑りが大きく変わってしまったことです!

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上が古い板での滑りで下がカービングスキーでの滑りです。同じパラレルターンなのですが、姿勢等含めて全然違うように見えます。しかし、操作についてどちらもほとんど同じことをしており、板の特性から滑り方が違って見えてるだけです。

しかし、見かけが変わっただけで滑り方の本質は変わってはいませんでした。しかし、本質に対する無理解と見かけが変わった事で…

何か新しい事をしている!

と認識してしまいました。そして、その間隙をまるでぬったかのうように登場したのが…

経済学部出身の市野聖治氏でした。

彼は1999年にカービング革命という本を出し2年後にカービングターンの科学という本を出しました。内容は力学的な解説や実験なんかを駆使して科学的にカービングスキーの滑り方について解説した本でした。当時としては革新的な内容だったらしく、これは良いという感じで基礎スキー界に受け入れられていきました。しかし、実はこの本に書かれている科学的解説は…

まるきっりデタラメの解説でした!

というのも物理が分かる人が見たら、力学的にありえない方向にベクトルが向いてたりと…完全に間違ったものでした。その間違った力学から「水平面理論」なるものを作り出してしまいました。ただ、この本が一解説本としてひっそり売られていれば良かったのですが、全日本スキー連盟の教育部が何とこの本の内容を…

カービングスキーの技術の軸にしてしまいました!

ですが、当時の人達が間違った事に気付かなかったのは仕方ないとも言えます。まずネットもそこまで普及していない時代に本を出してくる人がまさか完全に間違ったものを出すとは思いませんし、読む人はスキーは好きでも物理が好きな人はそうそういません。とは言え、軸に置くのならばしっかり下調べは必要でした。何しろ競技スキー側は先行して使用していたのだからヒヤリングするなりして正しいかどうか確認してからでも良かったのですが、それを試みられた形跡はありませんでした。

とは言えいきなり切り替わったわけではなく、初めはこんなのがありますよ。程度だったのが段々と雑誌の紙面をこの技術に関する内容にページを割くようになり、気付けば市野氏がスキー連盟の役員に抜擢されました。その辺りから紹介レベルからこの理論をスキー指導の…

根幹におくべきモノ!

に切り替わっていきました!本来切り替えるのもおかしく根幹理論なのである程度の技術を持ち、カービングスキーを履いて滑走している人は自然と提唱する滑りになっていかないとおかしかったのです。なのに彼らは元々あったスキー検定というスキー技術の上達度を見る制度を利用し、この理論通り滑れてるか?滑れてなければ不合格にするような事をしていきました。(これも前述のスキー技術選手権と同じく評価する基準が元々不明確でした。)

このスキー検定というのはスキーヤーにとっては一種のステータスになっています。1級から5級までありさらにテクニカル、クラウンという評価もあって、1級持ちは超上級者、テクニカルとかクラウン持ちは天上人と言っても過言ではないくらいの価値があります。ちなみに持ってるからと言って何か得するわけではなく、自慢以外に使えません(笑)ここに前述の理論が持ち込まれました。(私自身は競技スキー出身なのですが、人にどの程度出来るか説明するのに楽だと思い何度か受験しましたが、当時は水平面理論なるものを知らず訳の分からん事を言われ、何度も落とされました。1回の受験で1万円近く取られるので計4.5万くらいは使ってしまったと思います。途中でアホらしくなってやめました(笑))

さらに前述した技術選手権の評価にもこの理論が適用されるようになり、競争スキーヤー達にもこの理論が広がっていきました…しかし、広まれば広まるほど、この理論に対して…

おかしいんじゃねーの?

という声も大きくなっていきました。そりゃそうです。そもそも間違えているからです(笑)特にスキースクールの指導員達は苦労したと思います。例えどこが間違ってるか指摘出来なくても初心者に教える事は無理なのは肌感覚で理解していたからです。他にもトラブルは続出していました。理論を理解しするためにスクール代に巨額の費用を注ぎ込み逆に下手になった方や、理論が合ってるだの、間違ってるだのといったネット上やリアルでのケンカ、競技スキーヤーが理論を取り入れた事で逆に上達を妨げてしまった等々…事例を挙げればキリがありません。そういった声に対して連盟…いや市野氏はどう対応していったのか…理論の検証をするのかと思いきや…

権威付をしたり新しい言葉をシーズン毎に発するごとで煙に巻こうとしました!

トッププレイヤーに演技させて解説させたり、新しい言葉を作って今年はコレだー!みたいな事を言って必死に取り繕うとしていました。しかし、取り繕えばろうほどドンドンボロが出てきました。終盤の方は本当に何言ってるのか訳の分からない状態になり、ついにはトンデモ本を紹介するト学会にこんな紹介をされてしまう始末に…

さらにはかのエベレスト最高齢登頂で有名な三浦雄一郎氏の息子で元オリンピック選手の三浦豪太氏に新聞でここまで言われる事態に…

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ここまで来てついに終わりかと思いきや、最後にこんな事を言い始めました…

この理論はリラックス出来て健康に良い!

はっ?ってなったのを本気で覚えています。しかも怖かったのが、実験してトッププレイヤーに感想を述べる内容を雑誌に記載しており、実験内容の稚拙さから感想までがマルチか何かにしか見えない状態になってました…

しかし、これが最後の抵抗でした。この記事が出た翌シーズンの2013〜2014には彼は役員から降り、指導内容も…

今までと比べたら相当にマトモになり一気に転換しました!

あれだけこの理論は素晴らしいと言っていた人達はスッと黙り消えてしまいました。あれだけ健康にも良いとか高評価してたトッププレイヤー達は何食わぬ顔で普通に雑誌に出て喋ってたりします(笑)

この一連の事態をスキー界では…

失われた10年

なんて呼ばれ方をしております。まるでどこかの国の経済状態ですね(笑)でも本当にその通りで、スキーの難易度を下げてくれたカービングスキーを適切に使えば難しさから離れた人、敬遠していた人を呼び込めるチャンスだったのにその機会を失ってしまいました…

どうでしょうか?結末以外は日本の経済と良く似ているのではないでしょうか?スキー理論を主流派経済学に、市野氏を財界、スキー連盟を財務省、トッププレイヤー達を御用学者と捉えると個人的にはかなり共通項があると感じています。特に市野氏が経済学専攻というのがミソですね(笑)

経済の話というよりほぼスキーの話で申し訳ありませんでしたが、このように強固な組織や取り巻きに固められても…

必ず間違いはいつか正され転換される!

という事がご理解頂けたのではないでしょうか。経済のほうはまだ時間が掛かると思います。たかがスキーの間違いを正すのに10年以上もの時間を費やしてしまいました。けれど必ず転換されます。昨今の情勢を鑑みるにそう遠くない未来には起こる気がします。なので皆様…

諦めずに声を上げていきましょう!

以上になります。最後まで読んで頂きありがとうございます!なお、ここが分からなかったというのがあればコメントで教えて下さい。やった事ない人から見たらイメージがつきにくい話なので…

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