阿部 昌利

ヤプリのデータ分析屋。分析職12年目。データとは刺激。出身は北海道羽幌町。早大一文心理…

阿部 昌利

ヤプリのデータ分析屋。分析職12年目。データとは刺激。出身は北海道羽幌町。早大一文心理 → 帝国データバンク → コロプラ → オリックス → ABEMA → ヤプリ。Facebook = https://www.facebook.com/masatoshi.abe.52

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翻訳としてのデータ分析#1 理想のデータ分析

まえがきデータ分析は翻訳に似ている、と思っている。どこかに100%の事実(=原文)があるとして、それをデータとして集めて整理して伝える(=翻訳)、という側面がデータ分析にはある。 大学時代、心理統計学のゼミにいた。恩師がたまに用いる枕詞に「もし神様が全部知っていたとして〜」というのがあった。その言葉が好きだった。全知な存在が見ている景色にどうすれば近づけるのか。どうデータを扱えば100%の事実を可能な限り再現できるのか。 修士課程まで勉強して、その翻訳で食っていけたらいい

    • 対話型生成AIに、早くデータ活用業務を引き継ぎたい

      本記事は、trocco Advent Calendar 2023に捧げます。対話型生成AIのことを考えたら、クエリ職人としてのキャリアを振り返る記事になりました。 * * * 僕はSQLのクエリを書くのが早い。 2014年からBigQueryを触り始め、ずっと付き合ってきた。そして良くも悪くも、現場でクエリを叩くキャリアを歩み続けている。おかげでクエリを書く筋肉が発達した。ミーティングしながら画面共有でクエリを書くこともしばしばだ。 僕は幼い頃、公文式を習い筆算マシー

      • 2023年の五大感動本

        去年、一昨年に引き続き、2023年に感動した本を5冊紹介する。 今年の感動のテーマは「よくぞ書いてくれた!」だ。今まで漠然と感じていたことや、全く思いもよらなかったこと、待ち望んでいたことについて読むことで、感動することが多かった。 たまたま海外の本に触れる機会が多めだったので、そうなったのかもしれない。では、参ります! 反脆弱性『ブラック・スワン』で有名なナシーム・ニコラス・タレブの著書。 「すべてのものは変動性によって得または損をする。脆さとは、変動性や不確実性に

        • データの価値が生まれる場所とは

          本記事は、trocco Advent Calendar 2022に捧げます。 データを取り巻く環境について、個人的に2022年に大きかったトピックを振り返ったら、「データの価値はどこで生まれるか」のメモになりました。 * * * データを扱う現場にいる身として今年最も印象的な変化だったのは、サービス運営用のデータベース(以下、DB)をニアリアルタイムで同期する機構や構想を、各社がリリース・発表したことだ。 Google Cloud : Data Stream の Pr

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        翻訳としてのデータ分析#1 理想のデータ分析

        マガジン

        • ぼくはデータ分析という翻訳について、こう考えています
          52本
        • 心震わされた本・映画・舞台の考察
          26本

        記事

          2022年の五大感動本

          去年に引き続き、2022年に感動した本を5冊紹介する。 今年は情緒的な感動というよりも、新規性で感動することが多かった。「こういうものの見方があったか!」や「これとこれを組み合わせるのか!」という斬新さへの感動だ。 それは情報としての新規性もあれば、読書体験としての新規性もある。というわけで、「この本を読むと、どういう新しさに感動できるのか」でまとめていきたいと思う。 では、推して参る! 「読む」って、どんなこと?読書論についての本だ。何気なく行っている「読む」。その

          2022年の五大感動本

          『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は、応援歌劇という新ジャンルだと思う

          予備知識ゼロで、劇場版スタァライトを観た。映画館で観た。 レヴュースタァライトという概念は、1ヶ月前まで知らなかった。 アニメもゲームもミュージカルも素通りしてきた。 だが職場で強烈に推されて、「これは映画館に行かねばならぬ」という気になった。17回鑑賞したデザイナーさんが、歌詞テキストを巧妙に描いて、その素晴らしさを語っていた。 観た結果、衝撃を受けた。 映画館で、何度も観たくなる作品だった。 感動で涙したわけではない。 キャラクターに恋したわけでもない。 強烈に応

          『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は、応援歌劇という新ジャンルだと思う

          続 『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク

          1) シェーンベルク 三つのピアノ曲 作品11 2上) シューマン ピアノ協奏曲イ短調 作品542下) シューマン ピアノ協奏曲イ短調 作品543) ドヴォルザーク ピアノ五重奏曲 イ長調 作品814) ペルゴレージ 「スターバト・マーテル」5上) モーツァルト クラリネット五重奏曲 イ長調 K.5815下) モーツァルト クラリネット五重奏曲 イ長調 K.5816上) ショパン スケルツォ第3番 嬰ハ短調 作品396下) ショパン スケルツォ第3番 嬰ハ短調 作品397)

          続 『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク

          いい時代になった、とは

          本記事は、trocco Advent Calendar 2021に捧げます。データを取り巻く環境の10年間を振り返ったら、「いい時代とは何か」の考察になりました。 * * * 研究室の先生が言っていた。 そんな昔話に「やー、大変でしたね」なんて言いつつ、当時院生だった自分は、Rのメモリの限界までデータを読み込ませて夜な夜なパソコンを唸らせていた。そして寝起きに、計算失敗の画面を見ては焦っていた。12年前の話だ。 1日1回の渾身の処理を回す、という意味では、昔の先生と似

          いい時代になった、とは

          2021年の五大感動本

          いま勤めているヤプリのバリューの1つに「感動体験」がある。 僕は年賀状で、その年のオススメ本を書くことが多かった。でも今年からは、感動体験本という名目でまとめていこうと思う。 年をとると涙もろくなると言うけど、自分の場合、全般的に感動しやすくなった。本を読んで「すげぇ」と圧倒されたり、「これは人類皆読めばいいのに」という思いに駆られやすくなった。もちろん泣くケースも増えた。 そういう意味で、感動体験ベースで本をまとめていくと、ちょうどいい整理になりそうだなと思っている。

          2021年の五大感動本

          『小澤征爾さんと、音楽について話をする』私的Youtubeリンクまとめ

          少し前に、村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』のYoutubeリンクをまとめた。 セコセコとリンクをコピペしながら、「そういえば『小澤征爾さんと、音楽について話をする』の最後に出てくる『ラプソディ・イン・ブルー』も今ならYoutubeにあるかも」と思った。探したらあった。驚くべき演奏だった。ジャズとクラシックが格好よく融合していた。 演奏で昂った気分に乗じて、他に登場する楽曲のリンクもいくつか集めてみた。主に聴き比べされている曲である。 なお次のCDに、この

          『小澤征爾さんと、音楽について話をする』私的Youtubeリンクまとめ

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク 81-100

          81) シューマン チェロ協奏曲 イ短調 作品129 ・カッサードは情熱を楽器に委ねることを寸分も躊躇しない ・始めはそのロマンティシズムに戸惑うが、次第にその芸風を愉しめる ・今のチェリストで、ここまで確信的に自分の個性を貫ける人はいまい ・そういう意味で得がたい記録 82) ブラームス ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 作品8 ・カントロフは僕の好みのヴァイオリニスト ・モーツァルトのソナタと協奏曲はどれも素晴らしい ・このブラームスでも先頭で、美しく大胆に音楽に切り込む

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク 81-100

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク 61-80

          61) J.S.バッハ 管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067 ・ベイヌムの演奏は、かなり古風に感じられる ・年老いた上品なご婦人のような優しく優雅で控えめなバッハ ・楽団の少しくぐもった音がよく似合っている 62) プロコフィエフ 組曲「キージェ中尉」 作品60 ・ラインスドルフは世間の評価がそれほど高くなかった ・時どき「これは」と感心する演奏に行き当たる。これもその1つ ・ラインスドルフ盤を聴いてからこの曲を好きになった ・バリトンの歌唱が入っていて、かっこよくて素

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク 61-80

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク 41-60

          41) ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15 ・この頃のリヒテルは凄まじいものがあった ・迷いひとつなく、向かうところ敵なし、みたいな ・ピアノ一音の鋭い響きに、当時のベートーヴェンの清新な息吹を感じる ・ミュンシュの指揮もそれを受けて気合が入っている 42) ブロッホ 「シェロモ チェロと管弦楽のためのヘブライ狂詩曲」 ・バーンスタインの演奏は、普遍的な意味において驚嘆すべき見事な演奏 ・曲そのものが、一段階上の音楽に聞こえてしまうほど ・しかしそのあま

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク 41-60

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンクまとめ

          クラシック音楽を楽しめるようになりたいと思って、聴いては諦めを繰り返して、10年以上経った。 しかしこの度、村上春樹が『古くて素敵なクラシック・レコードたち』という本を著してくれた。村上主義者の自分にとって、春樹の言葉を取っかかりにできる今度こそは、クラシック音楽に馴染めるかもしれない。 本書では1曲につき複数レコードが紹介される。春樹の文章にそそられた演奏のYoutubeリンクを貼っていく。そそられたポイントも箇条書きでまとめている。 同一録音が見つからなかった場合は

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンクまとめ

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク 21-40

          21) ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第7番「大公」変ロ長調 作品97 22) ドビュッシー 前奏曲集 第1巻 ※24曲中1曲しか見つけられなかった 23) べートーヴェン 七重奏曲 変ホ長調 作品20 24) バルトーク 弦楽四重奏曲第4番 25) チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35 26) ロッシーニ 歌劇「泥棒かささぎ」 序曲 ※本当は「そのへんのおっさんと一緒にオペラ観劇をしているようなハッピーな気持ちになる」ガルデッリ盤を聴いてみた

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク 21-40

          『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク 1-20

          1) ストラヴィンスキー 「ペトルーシュカ」 ・アンセルメとスイス・ロマンド管はモノラルとステレオで二度吹き込み ・ステレオ盤の方が録音も演奏も鮮やかで鋭い ・モノラルの方がよりジェントルでふくよか ・演奏はどちらも流れが自然。適度なユーモアも漂う ・安心して何度も耳を傾けることができる ・アンセルメさんの人徳みたいなものを感じさせる ※上がモノラル盤、下がステレオ盤 2) シューマン 交響曲第2番 ハ長調 作品61 ・戦闘的 ・この曲が意識下に含んだ、精神的緊迫を引き出

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