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ぷちえっち・ぶちえっち18 初体験 僕のチンポが入らない

この連載はちょっと笑えるちょっとエッチなエッセイです。今回は「ぶちえっち」編。かなり際どいお話です。

 僕の初体験はわりと遅めで、大学一年生の時、19歳の夏だった。すこし言い訳をさせてもらえば、僕は高校の時全寮制の男子校にいて女性とは全く縁がなく、その後1年間浪人していた時にはさすがに受験勉強に専念していたので彼女がいなかったのである。

 結果、19歳まで初体験はもちろんのこと、女性とキスもしたことがなかった。

 僕の初体験の相手は当時付き合っていた17歳の女子高生のみどりちゃん。僕より2つ年下だが、何人かと経験済みであった。

 東京・荻窪の僕の6畳一間の下宿でその日はやってきた。僕はもうドキドキワクワク、胸を躍らせていた。何しろ初キス、初おっぱい、初〇〇、と、いっぺんに全てを経験できるのである。盆と正月が一緒に来たような、そりゃーもうお祭り騒ぎなのであった。

 まずみどりちゃんが僕に顔を寄せてきて、キスをしてくれた。初めてのキスは、

「なんじゃこりゃー!!!」

というぐらい感激モノだった。柔らかなしっとりした唇の感触は言葉を失う気持ちよさである。舌と舌とが触れ合うなまめかしさはものすごいドキドキ感で、早くも僕のおちんちんは

「だんな、これだけでもういっちゃいそうです」

と悲鳴を上げている。こんないいものを知らなかったとはいままでなんてもったいないことをしたのであろう。

初めて触ったおっぱいは、今までに触ったすべての物とは違う圧倒的な触り心地の良さであった。すべすべで柔らかく、どこか弾力も感じられ、たまらなく愛おしい。なんなら一生触り続けていても悔いはないであろう。

初めて見る一糸まとわぬ女性の裸は、本当に美しかった。少し上向きのツンとした胸、絶妙としか言いようがない腰のくびれ、緩やかで豊かな曲線を描くヒップライン。6畳一間の下宿にはもったいない芸術作品であった。このまま部屋に飾っておきたいぐらいだ。

初めて見る女性の〇〇も、裏ビデオなどで見たものよりもずっときれいで、清潔感があった。不思議な造形は美しく、物珍しさにいろんなところを引っ張って詳細に観察していたら、みどりちゃんに

「ちょっと痛いからやめて」。

と怒られた。ごめんなさい。

さあ、いよいよその時である。僕が初体験、みどりちゃんは経験者、ということで、自然に僕が下に寝っ転がって、みどりちゃんが上に乗っかる形になった。さあ、19年間待ちに待った瞬間である。僕は目をつぶって、初めての経験に神経を集中した。

ここまではよかった。

僕のおちんちんを握って自分の中に導こうとしていたみどりちゃんが、

「あれっ?」

と小さく声を出した。僕はつぶっていた目を開いてみどりちゃんを見た。

 みどりちゃんは苦戦していた。もちろん僕のおちんちんは臨戦態勢に入っている。するっと突入できておかしくないはずである。でもうまく入らないようなのだ。

 「おかしいなあ。ちょっと待ってね」。

みどりちゃんは腰をくねらしたり、位置を変えてみたりするが、どうもうまくいかない。結構長い時間、といっても20分ぐらいだろうか、頑張ってくれていたが、

「ごめんね、おちんちんがなんかほかの人とは違うみたい」。

とついにさじを投げてしまった。

僕はこれ以上ないショックを受けた。おちんちんがほかの人と違うから、女性とエッチはできないのだ。実は、僕には思い当たる節があったのである。

 よほど経験豊富な人を別にして、女性にはわからないと思うが、男性のおちんちんというのは人によって結構違いがあるのだ。よく言われるのは、大きい、小さいの違いだが、それだけではない。太さも結構違うし、先細や先太など形も違う。カリの高さや皮の状態も違う。色も色々だ。また、まっすぐなものばかりではなく、上下左右に曲がっているものも珍しくない。

理想的なおちんちんは、太く、大きく、黒く、カリ高で、上に反っているものとされる。

しかし、僕は逆なのだ。大きさは人並みだが、下に反っているのである。斜め45度の角度でお辞儀をしている人のように、真ん中あたりでカクン、と下に曲がっている。

 性に目覚めたころから、僕は自分のおちんちんが

「何か形が変じゃないか」

と思っていろいろ調べてみた。その結果、やはりみんなとは違う、ということが分かった。これはすごいコンプレックスだった。そのコンプレックスが、よりによって初体験の時にリアルに障害になったのだ。

 みどりちゃんとの初体験に失敗して、僕はもうこの世の終わりだと思った。この出来損ないの下曲がりちんちんのくそ野郎のせいで、僕は一生女性とはエッチができないのである。男として生まれてきた最大の目標と生きがい(それでいいのか?)が奪われたのである。もう神も仏もない。

 その1週間後、僕はみどりちゃんとリベンジマッチをした。みどりちゃんが何か工夫してくれたのだろう、その時は意外に簡単にするっと入ったのだ。ものすごい気持ちよさをしっかり味わい、最後まできちんと終えることができた。

 1週間あんなに落ち込んでいたのに、現金なものである。うまくできてからは、ああ楽しい、ああ楽しい、世の中バラ色、っていった状態になった。

 こんな男の相手をするのが面倒くさくなったのだろう、みどりちゃんとはすぐに別れた。だが、みどりちゃんのおかげで女性のすばらしさにすっかり目覚めてしまった僕は、その時から女性のお尻を追い掛け回す、しょうもない男としての人生を送ることになるのである。


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