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ワールドクラス候補生/Andrea Cambiaso

 現代サッカーに置いて世界的に人材難と言われるサイドバックのポジションですが、その風潮に反してセリエAはサイドバックの宝物庫になっています。ウィルフィード・シンゴ(トリノ)、デスティニー・ウドジェ(ウディネーゼ)のようなワールドクラス候補生がうじゃうじゃいる中で一際輝いている選手がいます。それがアンドレア・カンビアーソです。

プロフィール
名前:アンドレア・カンビアーソ
所属:ジェノア
国籍:イタリア🇮🇹
生年月日:2000年2月20日
ポジション:LB(LWB)、RB(RWB)

 まず最初に名前に付いてですが、結構な頻度で読み間違えている人がいるので指摘させていただきます。Cambiasoの読み方は「カンビアーソ」もしくは「カンビアソ」「カンビアーゾ」になります。インテルに所属したカンビアッソのスペルはCambiassoです。今回紹介する選手はsが一個少ないです。
17-18にジェノアのトップチームへ昇格したこの選手は、昨シーズンまでB以下の下部リーグでプレーしていました。ですので今シーズンが事実上のA初挑戦ということになります。恥ずかしながらB時代のプレーはよく知らないので、経歴のみの紹介となります。

 コッパ・イタリアのジェノアvsテルナーナで初めてカンビアーソのプレーを見て衝撃を受けたのを覚えています。ていうか、昨シーズンはエンポリでB制覇してるんだから名前くらいはどこかで見かけたことがあるはずなんですが、カンビアーソはエンポリでレギュラーだった訳ではないんですよね。だから本当にあの試合で初めてカンビアーソの存在を知ることになりました。確かB制覇時のエンポリの左サイドはテルジッチ、右はフィアモッツィがレギュラーだった気が(違ったらすみません)。

 カンビアーソの特徴を説明しますと、極めて攻撃性能の高いサイドバック(ウィングバック)です。スピードとテクニックはサイドバックの選手にしては及第点以上で、ビルドアップの出口になることもあれば、詰まったら単騎で突破してしまう推進力を備えています。
 一応、左利きではあるのですが、ほぼ両利きと言っても過言ではなく、左右両方の脚から高精度のクロスを上げることが出来ます。右利きだけど両足使える選手は結構いますが、左利きだけど両足使える選手って珍しいですよね。バルセロナのデンベレくらいでしょうか。
 その分ディフェンス能力は改善する必要があります。足が速いので、裏を取られたとしても追いついてしまうのですが、ポジショニングだったりデュエルの強さだったりはまだまだな印象です。ジェノアでハマったのは守備が多少疎かでも有り余る攻撃を活かせるウィングバックでの起用がメインだからでしょう。

 今シーズンのジェノアは攻守共に致命的な問題を抱えており、26試合で得点21、失点46と悲惨な状態です。21得点のチームで1ゴール4アシストを記録していると考えれば、どれだけ優れた攻撃的なサイドバックであるかがわかります。今でもポテンシャルの高さは感じられますが、戦術で守られるチームに行けば更に化けそうな予感がしてなりません。

 ジオヴァンニ・ディ・ロレンツォやマヌエル・ラッザリの前所属チームがどこなのかを考えれば、降格圏に沈む選手だからと言って馬鹿にすることは出来ないと思います。ステップアップのタイミングと場所さえ間違えなければ、数年後にはワールドクラスのサイドバックになっているはずです。まずはジェノアを残留させるのが彼の最初のミッションになります。答え合わせは5月を待ちましょう。


(了)


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