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ワールドクラス候補生/Gianluca Scamacca

 2021年12月某日、ジャンルカ・スカマッカのオークションが開始されました。サッスオーロ側は4000万ユーロを希望しているみたいですが、まずは市場評価額の1500万ユーロからスタートになるでしょう。競合に参加するクラブはユヴェントス、インテル、ミランのいわゆる北の3強です。本記事ではスカマッカのプレースタイル、そして4000万ユーロの価値があるのかを検証していきたいと思います。

195cmという恵まれた体格がありながらも、ジェノアに武者修行に行っていた際はフィジカルコンタクトを嫌い、最前線で張るよりも少し下り目でボールを受けに来ることが多かったです。サッスオーロへ戻ってからは、背負うプレーに楽しみを覚えたのか、降りすぎるということもなくなりました(単純にジェノアが最前線までボールを供給出来なかっただけなのかもしれませんが)。

 …とは言っても、CFよりはトップ下気味の位置でのプレーを好んでいそうではあります。スカマッカを9番の選手として考えるには器用すぎるからです。セリエAの得点ランキングを独走しているヴラホヴィッチは本格派の9番タイプですが、それと比べるとスカマッカは10番の資質も備わっていると言えます。9番と10番のハイブリッド型…例えるなら若き日のイブラヒモヴィッチでしょうか。これは冗談でも何でもなく、スカマッカが目指すべき姿は、9.5番の理想系であるイブラヒモヴィッチだと思います。フィジカルと足技を駆使したポストプレー、ヴラホヴィッチ以上のミドルシュートの技術、そして彼はフリーリックで何度かゴールネットを揺らしています。

さて、このスカマッカにサッスオーロは4000万ユーロという破格の額を付けましたが、その価値はあるのか否か。私が思うには““ポテンシャルを考えれば4000万ユーロ以上の価値はある””です。逆を言えば現時点ではそのレベルの選手ではありません。私がメガクラブのオーナーであれば払えても2500万ユーロが限度でしょうか。但し、これは2022年現在の話であり、2年後3年後にはとんでもないスーパースターになっている可能性は充分に秘めています。3年前にヴラホヴィッチの名前をどのくらいの人が知っていたでしょう。この1年で彼の市場価格は倍以上に膨れ上がりました。カルチョの世界では何が起きてもおかしくありません。

 スカマッカが現状よりも数段上の選手になるには、ゴール数を増やすしかありません。本格的にAデビューしたこの1年半で14ゴールはストライカーの得点数としては物足りません。散々名前を挙げているヴラホヴィッチは、今シーズンの19試合だけで16ゴールを決めています。ペースにしてスカマッカのおよそ3倍です。

 最後に、スカマッカの移籍先として最適なのはどこなのか考察していきます。

まずはユヴェントス。アルバロ・モラタの去就次第ではありますが、もしかすると冬のメルカートでの電撃加入もあり得ない話ではないです。ですが、「夏の本命」の動向も注視しているビアンコ・ネーリが冬に数千万ユーロ単位のお金を出すことは考えにくいです。加入したら間違いなく大きなプラスになるのでしょうが。

 続いてインテル。そもそも補強の優先順位は前線よりもWBやCBの方が高いのと、スカマッカ自体が2トップ、そしてシモーネ・インザーギの求めるサッカーにあまり向いていない選手というのもあって、加入の可能性はかなり低そうです。

 可能性&伸び代ともに最も高いのがミランでしょうか。先程も申したようにスカマッカの目指すべき存在であるイブラヒモヴィッチが在籍している点がとても重要で、偉大なカンピオーネの在籍中のうちに、彼から多くのものを吸収して欲しいです。昨夏にとったペッレグリが期待に応えてるとは言い難く、ペッレグリに見切りを付けてスカマッカ獲得に動くことは十二分に考えられます。

恐らく今年の8月にはネロ・ヴェルディの以外のシャツを着ていることでしょう。カンピオナートだけでなく、ブラジル出身のジョアン・ペドロを招集することも考慮されるほど、ストライカー難に喘いでいるアッズーリの救世主になれるのかも彼のキャリアに大きき関わって来そうです。

PS
 本当はスカマッカの23歳の誕生日である1/1に本記事を投稿しようと思ったのですが、私にそんなお洒落な事が出来るはずもなく…翌日の投稿となりました。2022年もよろしくお願い致します。


(了)

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