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セリエAへの推薦状/Luca Zanimacchia

 21-22シーズンのセリエBで望外の首位を走っているクレモネーゼについては以前話した通り。よろしければ下の記事をご覧になって頂けたら幸いです。

 本項では、そのクレモネーゼでブレイク中のルカ・ザニマッキアについて紹介したいと思います。

・プロフィール

名前:ルカ・ザニマッキア
所属:クレモネーゼ
国籍:イタリア🇮🇹
生年月日:1998年7月19日
ポジション:WG

・経歴

 ユヴェントスを応援している方なら一度は聞いたことのある名前だと思います。私も彼がユヴェントスU23所属時に初めて名前を聞きました。実際にプレーをしていたのを見たのは19-20シーズンのセリエA最終節であるユヴェントスvsローマだったでしょうか。スクデットが確定し、何人かのU23メンバーがトップチーム入りを果たしましたが、その中でもザニマッキアは一際輝いていたように見えます。

 スピードを活かした縦への仕掛けは荒削りながらも可能性を感じさせ、久しぶりにU23から面白い選手が台頭してきたと胸を躍らせていました。何故かその試合は左サイドバックで出場していたので、当然の如く左利きなのかと思っていましたが、彼は右利きで、しかもポジションは一列上げたウィングが本職です。慣れないポジションにも関わらず好プレーを見せましたが、サッリはどういう意図でザニマッキアを左サイドバックで起用したのでしょうか。

 私の期待とは裏腹に、その後のザニマッキアはユヴェントスでプレーすることなく、スペインのレアル・サラゴサというチームにドライローンという形で加入しました。翌シーズンのユヴェントスがフラボッタやポルタノーヴァ、ドラグシンのような若手選手を積極的に採用していたので尚更ザニマッキアにチャンスが与えられなかったのが悔やまれます。ポテンシャルで言えば彼らの比ではないと思うのですがね…。

 サラゴサで1年を過ごした後は現所属のクレモネーゼで7ゴール5アシストを記録。チーム総得点47のおよそ1/4を占め、チームになくてはない存在となっています。ユヴェントスに復帰するしないは置いておいて、もうセリエBでやり残したことはないでしょう。クレモネーゼでBのタイトルを提げてAへ殴り込む準備は万端になりました。


・プレースタイル

 特徴を挙げるならば、フェデリコ・キエーザに似ていると言えばいいでしょうか。広いスペースでの仕掛けが得意で、相手に囲まれても強引に突破できる馬力。これらは2人の共通点ですが、ワンタッチ目で相手を置き去りにしたり、キックフェイントからの切り返しだったりがキエーザの主なドリブルですが、ザニマッキアはスピードを緩めてからの急加速やダブルタッチを多用する印象です。重心移動でディフェンダーのバランスを崩すクルセフスキや、グイグイと運ぶドリブルが持ち味のベルナルデスキとは全く違うタイプのドリブラーです。

 ドリブラーではあるものの、当初、左利きの選手なのかと勘違いしてしまう程に、左脚での得点、チャンスクリエイト能力も備わっており、左右両サイドに難なく対応出来ます。ユヴェントスU23時代にはセットプレーのキッカーを務めたこともあるように、キック精度は両脚共に高く、直接ゴールを脅かすことも可能です。

 クレモネーゼの試合内容を見る限り、ここから昇格を逃すとは考えにくく、かなりの確率でA昇格を果たすでしょう。そうでなくても、ザニマッキア個人としては充分にAで戦えるだけの力をスペインやクレモナの地で身に付けたと自信を持って言える選手です。

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