見出し画像

第102回二科展 2017年9月8日

こちらも久し振りに行って来ました。

昨年行けなかったので待ちに待った感です。
入選者が前日まで分からなかったので、 #若月佑美 ちゃんが入っているのかやきもきしていました。
結果、 #佐藤詩織 ちゃんも入選していてよかったよかった!
(以前は2~3日前には入選者等が発表されていたと思うのですが、今は直前なのですね。数年前に日展の不正疑義があったので、ルールか運用を
変えたのかな?)

いつも通り金曜日夜に行ったのですが、案の定ガラガラなので展示室独り占めです。
この時間と空間とは我々のいる次元を超えて異空間に居るようです。
通常の展覧会と違って、壁面とパーティションとに入選、入賞した絵画、デザイン画、写真、彫刻などが一面に飾られているだけであり(作者名と出身地とを書いた名札も)、その他の装飾が全くありません。
照明も比較的明るいので独特の雰囲気を醸し出しています。
何度も同じ引用をしますが、ウルトラセブンの「 #第四惑星の悪夢 」の雰囲気に似ています。
無機質な空間を故意に作り、作品を際立たせようとしているのかもしれません。

今回も写真だけは観ずにその他の作品を一通り観てきました。

内容は、
全体的に「暗い」印象を持ちました。
別の言い方をすると、
  ごちゃごちゃしている、
  何処かで観たことあるような、
  同じような、
  メリハリがない、
そんな印象です。

結果、これはいい、気に入ったという作品がほとんどなく、ちょっと残念でした。
その中でも気に入ったのは、
  「旅の記憶-2」 #今井与志子
  「北物語」 #戸狩公久
  「gray」 #上村咲弥
の3点です。

「旅の記憶-2」
  自分が旅行した後に頭の中に蘇る風景は確かにこうかもしれない、と思わせてくれる絵画でした。
  その風景は鮮明でも明るくもないけど、自分の頭の中だけに確実に刻み込まれたもの、
  その風景の中に現に生きている(現地の)人々の喜びや悲しみを全て包含して、(自分が)少しでも共感を得た喜びがある、
・・・そんなことを感じさせてくれる絵画でした。

  別の(下衆の)見方をすると、今は分かれてしまった男と行った旅先の風景、と言ったところかな。

「北物語」
  夜、雪が降る中に係留されている二艘の船。漁船かな。
  全面が暗い「青」で描かれているその色に惹かれました。
  (あの「色」をどう言葉で表現すればいいのか私には分かりません。きっと画を描く方ならば表現する言葉をご存じなのでしょう。)

「gray」
  雨粒の残ったガラス窓に左手を衝き、目を瞑る女性。
  何を思うのか?
  それこそ観る人が色々考えることのできる画です。
  私には「悔しさに溢れている女性」に見えました。
  ガラス窓に左手の指をグッと押し付けている、瞑目している(ように見える)ことから、もう自分ではどうしようもない、そんな表情に見えます。
  「gray」というのは彼女の心象を言っているのでしょう。

佑美ちゃんのデザイン画は色彩がきれいでした。
少しメタリック調でそこもお気に入り。
彼女の作品は、素人(私)が観ると何か一筆足りない、といつも感じてしまいます。素人は余計な一筆を加えてしまい、その結果ごちゃごちゃして何を言いたのか分からない、という結果になるんだと思います。余計なものを削ぎ落して作品を創ることができる、それが上手い人なんでしょう。

詩織ちゃんの作品は
  「何、これ?」
写真とデザインとを融合した作品で、メッセージが前面に出たものです。
  「一歩出て、色々な東京を見に行こう。」
写真を使っているところに予想を裏切られ、ちょっとビックリした次第です。
二科展の奨励賞の位置付けを知りませんが、将来の成長の余地が大きくある、と認められた、と理解しました。

その他、面白かった作品は、
・このモデル、松井玲奈ちゃんだろう!?
  「素顔」 #吉沢智大
・このグループ、乃木坂46だろう!?
  「輝く青春・未来に向かって」 #瀧進
・この人(モデル)観たことあるぞ~
  「IL Sogno」 #嶋崎達哉

二科展、一年に一回の非常に大きな楽しみになりました。
前にも書いたと思いますが、通うきっかけは2012年初入選した佑美ちゃんの作品を観るためでした。

そうそう、毎度思うのは入選者に静岡県の作者が多いということ。
美術が盛んなのか、学校があるのか、何か歴史的背景があるのではと思っています。

(作品の)写真以外は撮影OKなのですが、SNSに載せるのは憚るのでチケットの写真だけ載せます。