Tips of Buddhism

No.73
In the histry of Japanese art,Hujiwara Shunzei藤原俊成 (1114-1204) first proclaimed that “the aim of art means the enlightnenment of Buddhism” in his work the Poem’s true image of all ages 『古来風躰抄』.His idea was based on popular phrase of Hongakusiso本覚思想 “ all the earth attain Buddha-nature “「山川草木悉皆成仏」.This thought swept over Japan since the medieval period,and remains to this day.Do you wonder the temple and the shrine are same place?If you don’t,you are influenced by Hongakusiso.(My composition)

(訳)
日本芸術史において、藤原(ふじわら)俊(しゅん)成(ぜい)は「芸術の目的は仏教の悟り」であると始めて宣言した。「古来風躰抄(こらいふうたいしょう)』においてであった。彼の考えは、人口(じんこう)に膾炙(かいしゃ)したフレーズ、本覚思想の「山川(さんせん)草木(そうもく)悉皆(しっかい)成仏(じょうぶつ)」に則(のっと)っている。この思想は中世以来、日本を席巻(せっけん)し、今日まで残っている。寺と神社が同じ敷地にあるのは不思議と思うだろうか?そうでないなら、本学思想の影響下にあるのだ。
(解説)
三崎氏は、本覚思想と芸術の関係を考察し、以下のような説明をする。
日本の芸術史において、”最後的なものは悟るほかはない”と歴然(れきぜん)と言いだした最初の理論的提唱者は、藤原(ふじわら)俊(しゅん)成(ぜい)(1114-1204)であり、それは1197年の『古来風躰抄(こらいふうたいしょう)』においてであった。それゆえ”さとりの美学”の実質的解明は、俊成のこの言明をまず分析する必要がある。…(三崎(みさき)義(ぎ)泉(せん)『止観的(しかんてき)美意識(びいしき)の展開 中世(ちゅうせい)芸道(げいどう)と本覚(ほんがく)思想(しそう)との関連』平成11年、題名のルビは私、pp.248-250、ルビ私、1部標記変更)
俊成の周辺の事にも触れておこう。俊成の四歳下に、西行(さいぎょう)がいる。彼も、本覚思想の濃密な影響下にあった。その様子は、こう伝えてられている。
 仏教は何事にも染着(せんじゃく)することを排するかと思われるのに、西行は…心を美に染めることによって悟りに向けることができたのだ。だからこそ、彼の歌詠(かえい)は仏道(ぶつどう)成就(じょうじゅ)であり、往生(おうじょう)安楽(あんらく)国(こく)になるのであった。〔西行は詠む〕
  やみ晴れて心の空にすむ月は西の山辺(やまべ)や近くなるらむ(観心、以下略)
  〔私訳、悪い心の闇を払って澄んでいる心に月が見える。そのように月を写す心は、西にある浄土に近づくものだ。まるで月が西の山に傾くように〕
 心なき花月にかえって人心の迷(めい)蒙(もう)を救われ、本然(ほんねん)の心を自然(じねん)なる法界(ほっかい)美(び)に遊ばせた西行の自在境(じざいきょう)は”さとりの美学”の一大典型である。(三崎(みさき)義(ぎ)泉(せん)『止観的(しかんてき)美意識(びいしき)の展開 中世(ちゅうせい)芸道(げいどう)と本覚(ほんがく)思想(しそう)との関連』平成11年、題名のルビは私、p.266、〔 〕内の現代語訳は私、ルビはほぼ私)
ところで、神社と寺が同じ敷地にあっても違和感を感じない理由は、「本地(ほんち)垂迹説(すいじゃくせつ)」にある。これは「インドの仏が日本の神となって降臨(こうりん)した」とする説で、神と仏は同一視される。これも本覚思想に由来する。以下の解説にはその様子がよく示されていよう。
 〔伊勢神宮の〕度会家(わたらいいえ)行(いき)の『類聚(るいじゅ)神祇(じんぎ)本源(ほんげん)』にも、「凡(およ)そ世界は本より本覚なり…」と記されて、神は仏であり法界(ほっかい)であり衆生(しゅじょう)であり法(ほう)爾(に)自然(じねん)であるという思想が見られ、〔また〕「神は則諸仏の魂、仏は則諸神の性質」という文句を挙げる…度会家行は〔密教を奉じる〕真言(しんごん)僧(そう)から教えられたようであるが、神仏関係を説いてその極地とも言われる思想が、このように本覚論から展開したのである。(三崎(みさき)義(ぎ)泉(せん)『止観的(しかんてき)美意識(びいしき)の展開 中世(ちゅうせい)芸道(げいどう)と本覚(ほんがく)思想(しそう)との関連』平成11年、題名のルビは私、pp.526-527、〔 〕内私、ルビ私、1部表現をやさしくした)


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