見出し画像

九州大学システム情報科学府の合格体験記(完全攻略ガイド)[令和6年度入試]


バカでも対策すれば合格できる

結論から申しますと,令和6年度の九州大学システム情報科学府の情報理工学専攻に合格しました.2024年に,高専の専攻科から九州大学のシステム情報科学府へ外部入学を行う予定です.
なので経歴は高専(本科)→高専(専攻科)→九州大学(予定)といった感じです.
自分は元々の頭がめちゃくちゃ悪くて,テストでも半分から下くらいでした.しかし正しい対策をした結果,本番での出来は
TOEIC: 855点 → 8割5分
数学:8割
専門:10割

といった感覚でした.

実際に自分が外部院試を経験して,情報を集めることや対策に苦労したのでこれから受験される方への助けになればと思います.

一気に読もうとせず,ブックマークなどをしておいて気になったところ(対策法や参考書など)を都度確認するのがよいかと思います.

長い文章を読みたくない人向けに伝えたいことをまとめておきます

  • 勉強は1月に始める.遅くても4月

    • じゃないと内部生に負ける.

    • 内部生は授業動画見直し放題&周りに質問し放題

  • 一般入試の倍率は3.6倍

  • 数学の選択科目はベクトル解析を選ぶ

  • 専門の選択科目は電気回路・計算機アーキテクチャを選ぶ

    • 平成20年代のオートマトンに騙されないように.平成30以降は難易度が3倍になる.

  • 一番大切な勉強法は過去問を解きまくること

    • 研究室訪問でもらえる過去問の解答は意外と結構間違ってる&直近の年の解答は作られてないことが多い

    • メルカリに完璧な解答がある

試験対策

全体のざっくりとした対策

  • 勉強を始めるおすすめの時期

    • 外部生は1月から

      • 遅くても4月

      • 他の大学院受けないならもう少し遅くてもいい

    • それまでに研究室訪問とTOEICは済ませておく

  • 選択科目選び

    • 数学

      • ベクトル解析がおすすめ.問題のパターンが限られてるから

      • 余裕があれば保険として確率統計もやっとくといい

    • 専門(★はおすすめ度)

      • 電気回路★★★★★

        • 毎年似たような問題が出題される.

      • 計算機アーキテクチャ★★★★★

        • 毎年同じ分野から出題される.

        • 大問1は出題形式が同じ

      • アルゴリズム★★★☆☆

        • 難化の影響をあまり受けてないってだけで相対的におすすめ度が高い科目

      • 電磁気★★☆☆☆

        • 問題が意味不明でしかも難しい

      • 情報理論★★☆☆☆

        • 年々傾向が変化&難化

      • オートマトン★☆☆☆☆

        • 年々傾向が変化&クッソ難化

    • 勉強法

      • とにかく過去問を周回する

      • 研究室訪問でもらった解答を見ながら対策

        • 直近3年分くらいの解答は作られてないor正確じゃない事が多い
          →メルカリで最新の過去問を入手可能

      • 公式やつまづいた問題の解き方を専用のノートにどんどんメモしていく

    • 勉強時間(参考までに)

      • TOEIC:150時間

      • 数学・専門:500時間

数学

数学の勉強法ですが,広く浅くを意識して勉強しましょう.
大学院試験の数学はそこまで難易度が高くありません.
なので難しい応用問題を解けるぐらいの実力は不要です.
大事なのは

  • 大学レベルの数学の範囲を網羅すること

    • 過去問だけで問題演習を行うと本番で傾向が変わってコケます

  • 公式や証明方法がどうしてそうなるのかを理解すること

    • 証明問題や一工夫が必要な問題は公式の成り立ちを知っているかで解けるかどうかが分かれます

自分が行った対策としては.
過去問を1年分→参考書とYoutubeで基礎固め→ひたすら過去問

です.はじめに過去問を1年分解いて自分の解けなさに気づくことで基礎固めのときの吸収力が全然違います.
基礎固めは,「編入数学徹底研究」で全体的な知識をつけて,わからない部分は「マセマシリーズ」「Youtube(ヨビノリなど)」を使用して知識を補完することが超おすすめです
最初からマセマで勉強するのは非効率なのでおすすめしません.

編入数学徹底研究:金子書房 おすすめ度★★★★★

「なぜ編入のテキスト?」と思うでしょう.実は院試用の参考書である某黄色の本は解説がわかりにくい&超難問ばかりで九大(他の殆どの大学院も)のレベルと全く合ってないのでめちゃくちゃ非効率です.
「編入数学徹底研究」をおすすめする理由は,

  • 大学数学の全ての分野を網羅している

    • 各分野の大事な部分が的確に載っている

    • 院試のレベルに特化している(簡単すぎず,難しすぎない)

  • 各章に大事な公式が載っていて復習しやすい

  • 例題→練習問題→章末問題 で過去問が解けるレベルまで到達する

です.
院試対策で色々な参考書を見ましたが,1冊でここまで院試に特化した参考書を他に知りません.「編入」というタイトルのせいで院試向きじゃないと思いがちですが,ゴリゴリに院試特化のテキストです.
参考書の使用頻度は徹底研究8割,マセマ2割くらいです.

線形代数,ベクトル解析は公式の理解のためにマセマを使用しました.

演習キャンパス・ゼミ:マセマ出版社 おすすめ度★★★★☆

マセマは通常のものと演習の2種類がありますが,演習のほうが公式をわかりやすく導出していて院試レベルだとこっちがおすすめです.(演習量も稼げる)
通常の方はもうちょっと原理について深掘りしてるけどそこまでの理解は正直不要な気がする.

微分方程式と微積は個人的にマセマほどの細かい説明は不要でした.

複素関数はヨビノリの複素関数の授業がめっちゃわかりやすくておすすめです.

専門:電気回路

九大の電気回路は位相問題,Z行列,等価回路,最大電力,過渡応答など広い範囲が出題されます.そのため大学レベルの電気回路を網羅しておくことが重要です.
また,電気回路は勉強する内容がどの大学でもだいたい同じなので出題者によって問題にクセが生まれにくい科目です.(専門科目にしては珍しい)
一般的に対策に使う参考書は受験する大学が授業で使用するテキストを用いますが,電気回路に関しては気にしなくて大丈夫です.

電気回路の勉強法も,参考書で基礎固め→ひたすら過去問です.
下記の参考書を一周しておけばあとは過去問の解答と合わせて

電気回路の対策に使用した参考書はこちらの1冊です.

解きながら学ぶ電気回路演習:朝倉書店 おすすめ度★★★★★

全受験者これでいいレベルの神参考書です.
普通は1冊じゃ分かりにくかったり演習量が足りなかったりで何冊か買うのですが,この本は超わかりやすい&過去問が解けるようになるレベルという神みたいな参考書でした.
オームの法則や回路とは,みたいなところから始めるので電気回路を全く知らなくてもついていけます.
問題が解きやすくなるテクニックとかも載ってて助かりました.
九大の試験範囲と丸かぶりしてるので全ての章の内容が試験に出てます.

専門:計算機アーキテクチャ

この科目は本当に対策に苦労しました.
数年前までは問題パターンを覚えるだけで解けるものばかりだったのに,近年の傾向変化のせいでしっかりとしたキャッシュやプロセッサの理解が必要です.
しかも計算機アーキテクチャって範囲が広すぎるから大学の先生によって問題が全く違うこともしばしば...
その先生のテストで高得点を取るためには,その先生の授業を聞いてないと不可能って感じです.
さらに,テストで問われるような詳しい内容はネットに情報が少ないっていうね...

とはいえ他の専門科目ほど傾向が変わっているわけではなく
1️⃣ 論理回路の最簡積和形を求める問題
2️⃣ 命令パイプライン処理に関する問題
3️⃣ キャッシュの動作に関する問題

はずっと継続してるみたいです.
しかも,暗記がメインの科目なので解くのに時間がかかりませんし,ケアレスミスで本番で失点することがありません.ちゃんと対策すれば余裕で満点がとれます.
解くのに時間がかからないってことは,本番でもう一方の科目の難問やミスがないかチェックする時間を多く割けるということなので

早速対策についてですが
大問1の対策は,ひたすら過去問を解くです.
実はこの問題は計算機アーキテクチャってよりも論理回路の問題(なのに論理回路の参考書にも載ってないような問題)なのでこの類似問題を探すのが結構難しいです.
簡単な問題ならネットにゴロゴロありますが九大の過去問ほどひらめき力が試される問題はほぼないでしょう.

大問2と大問3の対策は九大の授業資料と参考書とネットで知識を補完し合うことです.

どちらの問題も先生のクセが出てる問題なので九大の授業資料がないと詰むと思ってください.
ただし,知識があまりない状態で最初から授業資料だけで勉強するとあんまり頭に入ってこないと思います.そこでわかりやすい薄い参考書が光ります.

具体的な勉強法は以下です.

  1. 過去問と解答と一緒に眺めてみる(1年分)

  2. 薄い参考書を使って試験に出る範囲に絞ってある程度の知識をつける

  3. 過去問を解答を見ながらひたすら解く

  4. 過去問の問題文の用語や問題の解き方で,なぜそうなるのかわからない部分を授業資料を使って調べる→3へ

外部生の方は,「ワードアドレス」とか「パイプラインのステージ・段数」とかの単語で躓くと思います.そういう用語で詰まったときのために辞書的な参考書も一冊あると便利です.ネットには意外と情報少ないので.

あと,近年は説明問題が多めになっているのである程度問題を予測してどのように答えるのか対策ノートにメモしておきましょう.

自分が使用した参考書は以下です.

コンピュータアーキテクチャ:電子情報通信学会 おすすめ度★★★☆☆

この本は薄いため取り掛かりやすく,かつ内容も深いものになっているため計算機アーキテクチャをざっくりと理解するのに重宝します.
計算機アーキテクチャの基礎を固めたい人におすすめします.

パターソン&ヘネシー コンピュータの構成と設計 上・下 おすすめ度★★☆☆☆

九大の授業にはこちらが参考書として使用されています.
よくパタヘネと略されるくらいコンピュータアーキテクチャ界隈では有名な本です.
上と下に分かれており,一冊が大きくてめちゃくちゃ分厚いです.
知りたいことをネットで調べても出てこないことはしばしば合ったので,辞書的な役割として1冊持っておくとよいかもしれません.

ただ,上下で1万円はさすがに高すぎる...
しかも1万円分ぐらい参考になったかと言われると微妙です.
内容は間違いなく良いし濃いものなので知識の後ろ盾としてはいいんですけどね...

試験内容(2024年度入試)

出題科目と配点

  • TOEIC 100点

  • 数学(100分) 200点

    • 必須

      • 線形代数

      • 解析学(微積・微分方程式・複素関数)

    • 選択 2つから1つ選択

      • ベクトル解析

      • 確率統計

  • 専門(120分) 200点 6つから2つ選択

    • 電気回路

    • 情報理論

    • オートマトン

    • 電磁気学

    • アルゴリズム

    • 計算機アーキテクチャ

近年の傾向

全体
最近のシステム情報科学府の傾向として,倍率が異常に高くなっている事が挙げられます.定員170人に対して志願者が480人くらいで合格者が200人くらいです.ちなみに6年前は志願者が250人でした.
志願者と入学者の情報はここから見られます.


高倍率の原因は外国人留学生(主に中国人)の志願者数が増えて全体の半分くらいを占めているからです.
試験会場では中国語が飛び交ってました....

合格者を200人とすると70人は特別試験で毎年合格するので,一般試験の倍率は3.6倍くらいになります.(院試としては異常な倍率)

ですので,TOEICも合わせてトータル8割くらいの得点率じゃないと合格するのが厳しい状況だと感じています.(留学生はTOEIC絶対高い)

倍率の上昇に伴って,受験生の中で差をつけるためにどの科目も傾向が変わるor難化してきている印象です.

数学

線形代数
毎年4問中2問くらいは証明です.
個人的に半正定値or直交行列or固有値の応用あたりが頻繁に出題されているイメージです.しかし,自分の年はまさかの傾向が変わって線形変換の核とか部分空間の証明とかで過去問だけで対策している人間を落としに来ている意思が感じられました.
毎年最終問題は証明問題となっていて,結構難しいです.これが初見で解けたら実力がついてきたなと思ってもらって大丈夫です.

解析学
微積は最近になって追加された科目で対策が難しいです.偏微分がよく出てるなと思ったら自分の年はガウス積分...これも過去問の傾向だけで対策してると詰んでました.
微分方程式は毎年簡単です.基本的な解法とベルヌーイとか完全とかオイラーとか有名なやつを対策すれば容易に完答できます.自分の年は簡単すぎて忘れました.
複素関数も微分方程式ほどじゃありませんが傾向は簡単に予想できます.院試レベル+試験時間内で解き終えるという条件で出題できる問題は限られています.複素平面,複素積分,実積分への応用,ローラン展開がよく出ています.

ベクトル解析
自分は確率統計は一切勉強せず,ベクトル解析一本に絞りました.
ベクトル解析は線積分,面積分が出題される可能性が8割くらいで残りが平面の方程式や曲面積,平面と点Pの距離が出題される印象です.
今年は線積分でよし!!と思ったらクソ難しい線積分が出て白紙でした
ほかの数学は基本完答出来たのですがベクトル解析だけは全くわかりませんでした.確率統計やっとけばと思いました.

専門

電気回路
専門科目の中で唯一複数の大問から2問選んで解答することができる科目です.平成13年から令和5年入試まで大問4つの中から2問選ぶ形式だったのになんと自分の年から大問3つから2問選ぶ形式に変更...
ただ,問題内容の傾向は例年同じなので当日完答できました.
各大問に小問3つという構成で
大問1が回路の位相問題,大問2,3はZ・Y・伝送行列,等価回路で(3)が最大電力,大問4が過渡応答といった構成です.今年は大問2と3が一つになった感じでした.
計算機アーキテクチャ
大問1が論理回路と真理値表から隠されている論理回路の最簡積和形もしくは真理値表を求める求める問題です.対策できる参考書とかがないので過去問を解いて勘を育てるのだ大事です.
大問2命令パイプライン処理に関する問題.数年前までは問題ほぼ同じでしたが最近は毎年傾向が変わっています.変わった点として説明問題が多くなった,性能向上比・スーパースカラ方式について問われるようになった.のが大きいですね.ただ,ここから更に傾向が変わる可能性は大です.
大問3キャッシュに関する問題.例年の傾向はセットアソシアティブ方式のミス率を答える問題やキャッシュ関連の用語について説明させるのが定番でしたが,これもここ2年くらいは少しずつ変わっています.今年出た問題は階層記憶のCPIかヒット率だったっけ...キャッシュ自体のミス率は出ませんでした.
個人的にこっちも完答出来たので専門は満点かと思っています.

オートマトン
こちらは傾向が毎年変わる&年々難化してきています.基礎を抑えたくらいじゃ1問も解けないと思ってもらっていいです.よっぽど自信のある方はぜひ.僕は令和2年くらいで難しすぎて解くのをやめました.
平成30年位までは傾向が同じかつ簡単なので騙されないようにしましょう.

電磁気・アルゴリズム・情報理論
電磁気は研究室訪問の際に問題そのものが意味不明だからやめとけと言われました.これは近年の傾向変化とか以前に元々難しいらしいです.
アルゴリズムは周りから特に何も聞きません.元々どの大学院入試でもアルゴリズムはプログラミングが得意な人が選ぶ科目という印象が強いです.また,近年の傾向変化の影響は小さそうなので電気回路と計算機アーキテクチャが解けないときの保険として勉強する科目には良さそうです.
情報理論は他の人の合格体験記を読む限り昔は簡単だったが年々難化しているようです.こういう難化している途中の科目は急に過去問と全く違う問題出してくるそうなので要注意.

科目選びの個人的な結論として,自分がおすすめする科目は電気回路と計算機アーキテクチャ,そのどちらかが当日解けないときの保険としてアルゴリズムを対策するのがいいかと思います.

試験本番

8/28に最寄り駅(九大学研都市)の隣の駅(姪浜)の近くのホテルで前泊をしました.8/29が筆記試験,8/30が面接でした.

8/28は15時くらいにホテルに着いて,ひとまず2泊に必要な食料や日用品を買いに行きました.20時位から寝るまで,各教科のまとめノート(公式とか解き方とか注意点をメモしたやつ)を3周くらい見直しました.
(こういうやつが全科目合わせて60ページくらいある.)

字が汚くてすみません

寝れるか不安でしたが,意外とすぐ寝れました.
もし寝れるか不安に思ってる方は

  • 湯船に20分くらい浸かって体を疲れさせる

  • 午後はカフェイン(お茶・コーヒー)を摂らない

ことを試してみてください.

8/29は10時20分から数学(100分)で,13時から専門(120分)でした.
朝6時に起きてコーヒーを飲みました.カフェインは接種して3時間後に集中力アップのピークが来るので試験前のカフェイン摂取はおすすめです.
学研都市からバスを使って8時くらい会場に着くと試験場が情報理工学専攻だけで2部屋(大講義室と教室,自分は大講義室)に分かれてました.座席表から受験者数をざっと数えると216人で,特別試験で合格してる人を差し引くと余裕で3倍以上あります.結構焦りました.
しかも,試験開始直前に会場を見回してみると空席がほとんどない.まじで倍率3.6倍やんけ..

試験会場は時計がありません.腕時計を絶対持っていきましょう.
服装は95%くらいが私服でスーツを着ていた人はほぼいませんでした.まあ1日目は筆記だけだしね...
エアコンが結構強く効いていたので上着を持っていったほうが良いかもしれません.

試験前は必ずトイレに行きましょう.会場までは猛暑なので水をたくさん飲むと思いますが試験はエアコンの効いた部屋で100分や120分じっとしてなきゃいけません.過剰に接種した水分を汗を出して調節することが不可能な環境です.トイレに行っとかないと確実に後悔します.

試験開始30分前くらいに,TOEIC等英語試験のスコア票の原本を回収します.そして試験に関してのアナウンスが日本語と英語で行われます.

10分前くらいに問題用紙と解答用紙が配布されます.どちらもB4くらいのバカデカイ紙で配られたので置き場所にちょっと困りました.
解答用紙は名前と受験番号を書くところ以外は完全に白紙です.
数学専門どちらも解答欄などは用意されていません.
大問1つに大して一枚を使うというシステムで数学は3枚,専門は6枚配られました.

数学も専門も時間配分を決めておきましょう.でないと難化or傾向変化した問題に気を摂られて見直しに時間を確保できません.自分の場合は数学こんな感じで前日に決めました.

腕時計の時間と照らし合わせやすいように下に時間付けた

個人的にTOEIC8割・数学8割・専門10割くらいの感覚でテストが終わった瞬間受かったな思いました.

ホテルに戻って,寝る前に初めて面接の対策を考えました.(1時間くらい)
定番の質問に対して答える内容をchatGPTと一緒に考えました.
まじでchatGPTはこういう時めちゃくちゃ便利.
面接は合否にほぼ関係しないのでそれ以外は観光とYouTube見てだらだらとしてました.

8/30は面接でした.
受験者数が多いのでA~Cグループに分けられて,集合時間もグループごとに1時間ぐらいずらされてました.
自分は一番早いグループでしたが集合時間がなんと13時...
こんな遅く始めて全員面接できるんか..と思いましたが,面接室がなんと8つも用意されてました.

待機室では全員スーツでした.

部屋に入ると面接官は2人で,自分の椅子の前にパソコンが置いてありました.そのPCはミーティング中になっていてその先に20人くらいの参加者がいました.
多分録画されていて後で見返せるようになっています.
聞かれた内容としては

  • 受験番号と名前

  • 志望動機

  • 行きたい研究室の先生とコンタクトは取ってるか

  • どんな研究がしたいか

とかです.あとは忘れました.10分もないくらいで終わりました.

驚いたのが,自分が答えたことに対しての深掘りの質問がなかったことです.受験者数が多いからか決められた質問事項を一方的に聞くだけのようでした.


勉強スケジュール

概要


2022年

7~9月:TOEICを勉強→855点取得
10月:大学院の候補を決めて研究室訪問(3つ訪問した),九大では過去問と対策資料を頂いた
11月~12月:もらった過去問をもとにだらだら勉強をする(平均1日1時間くらい)

2023年

1~3月:スイッチを切り替えて勉強する,専門科目を3つに絞った(1日4時間くらい)
4月:もう一度研究室訪問をする.もらった対策資料だけではたりない部分があったので授業資料を頂いた
5月:勉強時間を増やす.過去問と並行して数学と専門の全体的な知識を補完.(ここから受験日まで平均1日8時間くらい)
6月:学会発表の準備や他大学院の受験勉強でほぼ九大の対策はしてない
7月:ひたすら過去問対策
8月:ひたすら過去問対策,29日30日に試験本番

詳細


※科目ごとの詳しい勉強内容に関しては各科目の対策にて記載しています.こちらでは立ち回りや行動について記載してます.

2022年

7月~9月
TOEICに集中して勉強をしました.もともと2年前に700点を取得していましたが,7月の勉強開始時に模試を受けるとまさかの430点くらい...頑張って9月の試験までの2ヶ月半勉強しました.勉強時間はだいたい合計250時間くらい.

10月
行きたい大学院を3つくらい候補を挙げて,それぞれで面白そうな研究をやってる研究室に研究室訪問のメールを送りました.高専でやっている研究との関連性はどれも全くありません.
メールの内容はネットで沢山でてくるやつを参考にしました.自分の研究内容について特に述べる必要はないかなと思います.
九大の教授から,「遠くまでくるのは大変だろうから,まずはオンラインで研究室について説明するよ」的な感じのメールがきてzoomで面談しました.
正直,研究室訪問は学生から過去問と対策資料を入手するのが目的の9割です.なのでzoomの面談をした後にオフラインでも訪問させてくださいと伝えて10月の終わりに訪問しました.
オフラインでの研究室訪問の際に研究室の学生さんから,平成13年から現在までの過去問,学生が作った解答,各科目の対策資料のデータ頂きました.
他にも,合格した人がどうやって対策したか,おすすめの科目などを教えてもらったので非常に有意義でした.
ちなみに,2023年8月にある入試のために2022年10月に研究室訪問をするのは相当早いそうです.自分が1番目と言われました.
だいたいみんな受験する年の3月4月に訪問するのが一般的なんだとか..

11月~12月
勉強しない日も全然あって,勉強時間は1日で平均したら1時間くらい.
もらった過去問を数学と専門どちらも解きました.数学も専門も全く解けず,解答をみながら進めていました.専門科目は研究室訪問の際に電気回路,オートマトン,計算機アーキテクチャがおすすめだと聞いたのでそれらの過去問だけ見ていました.
ここで,直近5年の過去問は実力がついてから力試しとして使いたかったので平成21年くらいから勉強していきました.
大して時間をかけていなかったので,2ヶ月で過去問を21年~26年まで一周して傾向を掴む程度でした.解くというより解答を見て定番パターンの解法を知るって感じでした.正直あんまり身について無い気がする.

2023年

1~3月
さすがに1日1時間はやばいと感じて勉強時間を増やすことを意識しました.YouTubeで見た「塗り絵勉強法」というものを参考にして,勉強時間を毎日記録するようにしました.

1月と2月は数学だけに集中しました.数学が忘れてることも多かったので「編入数学徹底研究」線形代数,ベクトル解析,複素関数の「マセマ(演習)」を使って基礎を固めました.あと,参考書で分からないところはYoutubeで解説聞いてました.
3月は電気回路と計算機アーキテクチャについて勉強しました.
電気回路は参考書を使って勉強,計算機アーキテクチャはひたすら過去問を解いてました.

4月
研究室訪問で入手した過去問の解答は抜けている部分や間違っているところも多々あったので,過去問だけでなく授業資料も使用して勉強したいと考えtえもう一度研究室訪問をしました.
4月になると2023年入学の修士学生がいたので最新の傾向やその対策などを聞けてよかったと思いました.

5月
ここでトラブル発生,なんと平成30年以降の専門科目を解いてみたところオートマトンと計算機アーキテクチャの傾向が毎年のように変わっていて出題される問題が予想できなくなっているじゃないですか.
しかもオートマトンは傾向が変わるだけじゃなく半端ない難化...
今までは試験当日に専門3科目の問題をみてどの2科目を取るか決めるという方針にしていましたが,「電気回路」と「計算機アーキテクチャ」をメインにして,サブで「オートマトン」に切り替えました.
ここで,初めて平成31年~令和5年度入試までの過去問を解いてどの年もだいたい正答率が7~8割程度でした.

6月
7月に学会発表があることと,他の大学院(NAIST)の受験の対策もしなければならなかったため九大の勉強はほぼしませんでした.計算機アーキテクチャを20時間やったくらいです.

7月
他の大学院の入試と学会発表が7/10に終わり,残りのタスクは九大の院試だけになったため頭の中がスッキリしました.ここから熱が入り,7/14から九大の勉強を再開して試験本番の日(8/29)まで一日もオフの日を作りませんでした.
このときの自分の実力としては,数学も専門も一通り対策を一度は頭に入れたことがあるけど,記憶はしていない状態って感じの実力です.ひたすら過去問を解きながら公式や解法を完全に記憶するのを頑張ってました.
他の科目の勉強始めると前やってた科目の内容忘れるので苦労しました...
あと,オートマトンは流石に難しすぎるので8月からは一切勉強しませんでした.

8月
変わらず過去問をひたすら解いてました(このとき1年につき6回は解いてた).計算機アーキテクチャに関して勘違いがちょこちょこあったため授業資料とインターネットで調べて知識を正確なものに固めていました.(勘違いがあったのは過去問の解答を過信していたから.結構間違ってる部分があったので知識の修正にかなり時間を潰した.こういうのは内部生だと互いに確認し合って1日で解決するけど自分は外部生なので2週間ぐらいかかる)
試験まで1ヶ月を切ったということで,実際に時間を測って過去問を解いたり,紙とシャーペンで模試をしたり(普段はiPad),本番を意識した対策をしました.

まとめ

非常にボリューミーな内容となりましたが,受験生の参考になれば幸いです.また何か質問があればコメントまでよろしくお願いします.コメントには気づいたらできるだけ返せるようにします.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?