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現役社労士が悩んだのは、サブスクリプション

私は開業4年目の現役社労士。
社労士事務所の料金設定はサブスクリプション(以下、「サブスク」という。)が多いようだ。
このサブスクに私は悩んだ。
その悩みと解決をここに書きました。
これから開業する方、開業しているが、料金設定に悩んでいる方等は参考にしてください。

社労士事務所でサブスクが多い

Twitterでは数多くの社労士事務所のアカウントがある。Twitterからホームページに移ると、その事務所のサービス内容が拝見できる。
料金表を覗くと
「〇〇人まで顧問料月額〇〇円〜」
ここもサブスク。あそこもサブスク。
どうやら社労士事務所はサブスクが多いようだ。
私がサラリーマンの時に取引をしていた大手の社労士事務所の2社どちらともサブスクだった。社労士事務所がなぜサブスクにするのかを考えた。

サブスクは本当に良いのか?

実際に私も従業員数に応じてサブスクにしていた。具体的には5人未満まで顧問料2.5万円〜と設定していた。これは実際やってみると、価格、サービス、工数が合っていないことに気がつく。
しかし、細かい料金表を作成しても、毎月請求金額を顧客ごとの請求書に載せるのが手間でミスの原因にもなる。
案件、サービスごとに料金を設定し、管理するのは煩雑で、変更漏れがあれば誤った請求が走ってしまう。その場合、お詫びやその対応に追われる。それでならば料金はサブスクで固定していた方が、安全で楽だと考える人が多いだろう。

社労士事務所のサブスクは適切か?

社労士事務所のサブスクは適切ではないと私は考えている。
従業員数が同じだからといって、毎月入退社の発生頻度や手続きの数は会社によって異なる。相談においても何かあればその都度すぐに相談する顧客もいれば、社労士側のことを考えて相談はまとめて聞いてくれる顧客もいる。従業員数で価格を設定しても適正な価格にはならない。手続きの質や難易度、提供回数に応じて料金が集計された方が適正な価格に近づく。しかし、その手続きの難易度や工数と料金帯が一致しないのが社労士事務所の課題だ。

社労士事務所の料金設定はどうするべき?

そもそも料金設定とは安易に決めるものではない。その時提供できるサービスや他社との比較、工数を把握した上で、慎重に定めるべきと考える。そしてその価格が妥当なのか随時見直す必要がある。
京セラ創業者の稲盛和夫さんも「値決めは経営」と値決めの重要性をご自身の本「実学」で綴っている。顧問料数万円で何をどこまでサポートするサービスなのかを顧客が分かるように明確に定めなければ、顧客からはどこまで何を頼んで良いか、不明確でわかりにくいサービスだと言われてしまうこともあるかもしれない。

妥当な価格とその管理方法

適切かつ妥当な価格を追い求めるなら、手続きごと、工数ごとに料金を定める。そしてこれらの案件ごとに毎月集計をして、管理して請求することだ。各事務所において価格帯が異なるのは当然で、隣の社労士と同じようにすれば良いと考えれば良いわけではない。
当社ではサイボウズ社のkintoneを活用して、案件ごとに集計をして、請求書を顧客に一斉にメールするまでを自動化している。エクセルでもマクロを組んで一括で請求書を作成することは可能だ。しかし、相手に通知すること等はまた別の方法を考えなければならない。このような運用にあった仕組化をすることが社労士事務所では求められる。過去、当法人ではkintoneで運用するまではfreee会計を活用していたが、毎月顧客ごとに料金を変更し、登録するのは手間で、ミスの原因にもなった。また経理と担当者の密な連携が必要で運用が難しく、ここには悩んだ。そこからkintoneでの運用を検討し、今のところkintoneを活用して仕組化することを私はお勧めしている。ちなみに今は担当者の案件と請求がリンクしているため、手間も管理も非常にしやすい状況だ。

最後に


社労士事務所の経営で必要なことは、目先の営業も大切だが、私は営業よりも仕組みが重要だと思う。請求管理や契約書等の管理、営業も含めて幅広く考えていく必要がある。売上が増えても早く正確に仕事をこなせなければ顧客の満足度は上がらない。先輩社労士の話を聞いてみても、ここが(請求や案件管理)が課題としている事務所は多いようだ。
これから開業する方は営業を第一に考える人が多いが、営業は無しでも顧客を集めることは可能。(また別の記事でご説明します)とはいえ営業ももちろん大事だが、まずは事務所の運営、管理の方に目を向けるべきだと私は考える。

私たちのチャンネルではkintoneを活用した事例を動画にしている。
よろしければ参考にしてください。


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