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長崎、国営諫早湾干拓事業

あびこさんはいつから、こういった社会問題に興味を持ったんですか?と聞かれてよく思い出すのは

「長崎、国営諫早湾干拓事業」

豊かな干潟にすむムツゴロウを中心とした生き物、そしてその土壌が生み出す栄養が湾の豊かな漁場の所以だった。

平成元年、国が「ここを農地にする!」と、湾を鉄扉で締め切り、干拓工事事業を強引に突き進めた。

魚も海藻も獲れなくなり、漁業は衰退。農業もさほど盛り上がらなかった。
計画から20年経った今も変わらず、海は枯れ続けている。

当時、さして社会問題に興味のなかった私でさえ、この自然を破壊する国や行政の意図不明の横暴がわかった。

20代のこの頃から、社会問題を考え始めたのか?といえばそうでもない。

多分、中学生くらいの時から。
ニュースを見ていて、住民が不当な扱いを受けて行政にや国に意見を言っても、彼らが真摯に向き合ったという映像を見たことがない。
いつだって「国や行政は、目的達成の為に市民を犠牲にする」って伝えていた。ダム建設、宅地造成、護岸工事・・・。
その構図は日本中の世界中のどこにだって見て取れていたけれども、その頃の私は、それに違和感を持ちつつ「それを受け入れないと生きていけないんでしょ」と思っていた。

ただ、そのおかしさに声をあげたり、深く考える人たちに、若い頃たまたま出会えたからこそ、今の私はあきらめることをしていない。
出会ってなかったら、きっと「自分の意見は、この社会の中では間違ってるだろうから、言うのはやめよう」と思っていた。

為政者は、一人一人の生活まで考えない。
自分たちが作り出した政策や生み出したものが、住民同士を争わせ分断させたって責任を持たない。

だから私たちが、それ違うよって言わなきゃいけないんだってこと。
たくさんの人たちとで「違うよ」って言わないとわからないみたい。

こういう過去のニュースをみて、今もその問題は何も解決されていないどころか、どれだけの人たちの苦労や不幸を生み出したのか?知って、社会に、もし、疑問を感じたら、それぞれ考えて動けたらと改めて思った。何もしないことは、賛成したことと一緒になってしまう。

おかしいことにはおかしいと言える自分でいたい。

ETV特集 「引き裂かれた海~長崎・国営諫早湾干拓事業の中で~」 -NHKオンデマンド https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2020107903SA000/…)

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