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原木しいたけの年間暦について

皆さんどうもこんにちは、阿武町地域おこし協力隊の古金です!

2022年も残すところあと1ヶ月ちょいとなりました。
色々あった1年ですが、振り返るとやはり時が過ぎるのは早く感じますね笑
あと一ヶ月ちょいも濃い生活をおくりたいと思います笑

さて、先日山口県周南市で行われた、原木しいたけ栽培についての講習会に参加して参りました。

そこで今回は、原木しいたけがどのような工程を得て栽培されているのかを簡単に紹介したいと思います。

原木しいたけの年間暦

11月:原木の伐採
なるべく乾燥した木が望ましいという事で、紅葉した木を切り倒します。その際、葉枯らしの為枝葉はつけたままにします。
基本的に使われる木はクヌギ、コナラが最適でアベマキ、ミズナラ等でも栽培可能です。樹種にもよりますが、クヌギであれば植えてから大体8〜15年くらいの木が適していると言われます。(萌芽であれば12年程で切り時期になるそうです)
コナラ、ミズナラであれば15〜20年
中央直径が10〜12cmの原木が最適です。
また、若い木ほど萌芽率が高いです。


12月:葉枯らし、枝枯らし
切り倒してから約40日〜60日間葉枯らし、枝枯らしを行い、幹の水分を抜きます。(樹齢15年以上の場合は100日程度)
これは水分が抜けて乾燥した木でないと、しいたけの菌が回らない為です。
ですが乾燥しすぎると植菌後の初期活着が悪くなります。


1月〜2月
玉切り/植菌
伐採40日〜60日経過後乾燥した原木から順次玉切りを行います。
目安
伐採木の木口のひび割れが1/2〜2/3程度まで
小枝の内樹皮が緑から褐色に変化したら
小枝を折った時折れ口がササクレ状になる
小枝を燃やすと褐色の樹液が泡となって出る


1m〜1.2mくらいのサイズでカットします。
玉切りをしたらすぐに植菌を行います。
※害菌が成長を開始する気温(15℃位)になる迄に植菌を終えます。
※雨の日は打たない


3月:気温が低ければ仮伏せを行う
しいたけ菌は5℃以下では動かなくなる為、気温が低ければ仮伏せを行います。
コモや遮光ネットをかけて保温、保湿する事で菌の初期活着を促します。
場所
・雨がよくあたりかつ排水が良い場所
・風で榾木が乾燥しない場所
・日当たりがよく温度がとれる場所
・散水が可能な場所
※直射日光には当てない


4月〜5月:本伏せ
暖かくなって木の芽が吹き、芽が出そろう5月頃から入梅までに本伏せを行います。
伏せ方は色々あるのでその場所に適した伏せ方を選びます。
6月〜7月:天地返し
梅雨前又は梅雨明け後に天地返しを行います。(榾木をひっくり返したり、組み直したりすること)
ここから1年半伏せこみを行い菌が伸びるのを待ちます。


翌年9月:ほだおこし
2夏がすぎて、しいたけ菌が蔓延した榾木をしいたけの発生しやすい環境へうつして組み直すことをほだ起こしといいます。
樹皮を傷つけないよう丁寧に運搬車等でほだ場へ運びます。
しいたけが発生しやすい場所
・湿度が80%ほどある所
・木漏れ日がチラチラ当たる場所
※空っ風が強い所は防風ネットをする

乾燥している榾木やあま皮のほだ化が遅れているものは地伏せの後(倒して土から水分を補給させる)、ほだ起こしをする。
ほだ場に移動後棒積み束立てにして直ちに散水をする。
状態の良い榾木はすぐ立てる

低温刺激に併せて、打木の刺激も有効


11月:中低温系の秋子発生時期
金木犀の花が香る頃に秋子の採取
敵期採取を守り良質の生産を行う

どんこで5〜6分開き、
こうこで6〜7分開き、
こうしんで7〜8分開きとし、
出来るだけ日和子で採取する。


12月:袋かけ
山間部では低温時に袋かけやビニールかけで成長を促します。
来春以降も発生させる為、古ほだ木はほだ倒しと同時にナタ目、クギ目を入れると効果的です。

以上がざっくりしたしいたけ年間暦になります。

しいたけ菌も生き物なので、その土地に適した栽培方法があると思います。それを探りながら栽培するのも醍醐味かも知れないですね。

しいたけ栽培に関してまだまだ、知識も技術も未熟なので、講習会や実践を通じて知識、技術を身につけ、阿武町ならではのしいたけ栽培方を探っていきたいと思います。


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