たかはと

下手の横好き。 無理のない程度に書いていきます。

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すれ違いじゃなくて永遠の片想いでしょ

コンビニを出ると横道からふいに自転車が顔をだしてきた ギリギリぶつからずによけた 「あ、スミマセン」とかそういうのはナシで 見慣れた夜空に星は無く 今日も今日とていつだって眠たいぼくは 不機嫌顔でアパートへ帰る ぼくはあのころとはずいぶん変わってしまって 社畜そのものという疲れたサラリーマン的な見た目で きっと君はぼくに気付かなかったと思う 君はあのころと変わらず屈託なくさっぱりしていて明るくて だけど自分に少し雑なのも同じで おつりを渡してくれたその手の宇宙観ネイルもピンク

    • 『庵』

      北方へ向かう列車は大蛇の如く長く、猪が猛進する姿を想起するような力強い走行で、線路に積もった雪を蹴散らしながら、灰色の空の下をゆく。 出発地点の上野を発ってから、三時間は経過しただろうか。 それにしては、車窓に映る景色は代り映えがない。 曇りガラスを手で拭ってみても、見えるのは雪をかぶった木々や田畑。 本当にこの列車は走っているのだろうか、と皮肉りたくなるほどに退屈であった。 この列車の後尾には貨物車が三台連結されている。 現地への補給物資なのだが、これではまだ不足であると

    すれ違いじゃなくて永遠の片想いでしょ