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アミタケ(網茸)Suillus bovinus


時期

夏の後半から秋にかけて
(福岡県では5~6月頃、10~11月頃の二度観察することができます。)

発生環境

アカマツやクロマツなどのマツ林地上に発生します。

落ち葉のすき間からひょっこりと…

特徴

】全体的に黄土色をしていて、表面は湿り気がある時はぬるぬる。乾燥している時はややツヤがあり、触れるとぺたぺたしています。場所によっては傘の表面に枯葉がくっついていることもあります。

雨水をまとってぬめぬめしていました
乾燥している時は傘の表面にはやや光沢があります

管孔】黄土色、孔口は多角形で大型。他のイグチ類と比べると粗くみだれているように見えます。管孔が網目のように見えることから、「アミタケ」と名前が付いたと言われています。

幼菌の時は浅いあみあみですが…
成菌は深いあみあみ
管孔を見てみると、大きな網の中に小さな網が見えました。

】傘と同色。

斜め下からのぞいてみた

根元】きのこの根元には白色の菌糸がまとわりついています。

根元の菌糸は白色です

昔からなじみのあるきのこ

アミタケは昔から食用きのことして人気が高く、和風料理や洋風料理などさまざまな料理にあうきのこです。見分けが難しい野生きのこですが、アミタケの場合は加熱すると紫色に変化するため見分けるのも容易です。

アミタケは、きのこ狩りの対象として昔から人々に親しまれているため各地域によって様々な呼び方が知られています。
・あみこもだし(仙台・福島)
・あめだけ(秋田(南秋))
・あらめ(秋田(北秋)
・うまんくそなば(大分(湯布院))
・かのこなば(広島(東城))
・はちのすなば(山口)
・ふなば(佐賀(厳木))
など一部分だけ書いてみました。方言事典にはもっとたくさん載っています(笑)

アミタケと一緒

アミタケがよく見られる場所では、もうひとつの「きのこ」も一緒に観察することができるでしょう。「オウギタケ」というきのこは、アミタケの菌糸に寄生して栄養をとっている寄生菌として知られています。

上はオウギタケ、下はアミタケ。どちらも幼菌

【参考書・文献】
山渓カラー名鑑日本のきのこ(山と渓谷社)
小学館NEO きのこ(小学館)
しっかり見わけ観察を楽しむきのこ図鑑(ナツメ社)
きのこの語源・方言事典(山と渓谷社)
写真:岩間杏美

注)きのこ豆知識は毎月2回更新をします。(第1、第2金曜日に更新を予定していますが、臨時休載、更新の変更などもあるかもしれないので、その際はご了承ください)

過去掲載一覧表

【あ行】
アミタケ(網茸)◆今はこの記事をみています
オウギタケ(扇茸)
【た行】
ツバキキンカクチャワンタケ(椿菌核茶碗茸)
【な行】
ニセマツカサシメジ(偽松毬占地)
【は行】
ヒラタケ(平茸)
【ま行】
マツカサキノコモドキ(松笠茸擬)
マツカサタケ(松毬茸)
ミドリコケビョウタケ(緑苔鋲茸)
【番外編】
きのこの暮らし
きのこの役割

ABURAYAMA FUKUOKA 自然観察センター

福岡市油山にすむ生きものの標本や季節の展示、最新の自然情報発信を行っています。各専門スタッフが交代で常駐していますので、自然・生きものの困り事はお気軽にご相談ください。

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休館日  毎週水曜日(祝日の場合翌平日)

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