見出し画像

無酸素運動や有酸素運動って何⁉︎part①

こんにちは!福岡市のトレーニングジム「TORQUE」でパーソナルトレーナーをしております徳丸です!

今日から数回に分けてエネルギー産生システムについてのお話をさせていただきたいと思います!

よく400M走は究極の無酸素運動だ!とかダイエットには有酸素運動が有効だ!
などさまざまな意見や考え方がネットやテレビで話題になりますが、そもそもこれらは何なのか。そして違いは何なのでしょうか。

全ての生物のエネルギー源であるATP

人間を含む生物の体内にはATP(アデノシン3リン酸)という化合物が存在します。
アデノシン3リン酸とはアデニン+リボース+3つのリン酸で構成されています。
この物質は地球上のすべての生物に存在すると言われており、細胞の増殖や、運動、光合成に大きく関与しています。
中でもヒトでの最も大きな役割は、「筋肉を収縮させるエネルギー源」として、運動時に働いてくれています。

ATPは骨格筋の中にわずかに貯蔵されており、ATPから1つのリン酸が分解されて外れてADP (アデノシン2リン酸)になったときにエネルギーを放出します。
このエネルギーを使って筋肉を収縮させるんですね。

3つのエネルギー産生回路


前述したように、ATPは筋肉の中にわずかに存在しており、使用するとすぐに枯渇してしまうので絶えずに体内で生成する必要があります。
1ATP-cpr系
筋肉中に存在するクレアチンリン酸という物質を使用してATPを産生します。
この生成システムでは、クレアチンリン酸をクレアチンとリン酸に分解された時のリン酸を利用してADPとATPの再合成を行います。
筋肉中で極めて短い時間で再合成が完了するので、瞬発的な力が要求されるときに使用されます。ただ貯蔵されている量は体内で僅か120gram程度と少なく、単体での運動可能時間は8秒程度と言われています。

2解糖系
名前の通り糖質を分解してATPを産生するシステムです。
体内に糖質はグリコーゲン(グルコースの集合体。肝臓および筋肉)、グルコース(血中)として蓄えられており、運動だけでなく、脳でもほぼ唯一のエネルギーとして使用されています。それらがピルビン酸という物質に変換される過程で2つのATPが生成されます。ATP -cpr系とピルビン酸に変換される過程で産生されるATPには酸素が関与していないので、無酸素系運動とも言われますね。そしてさらにピルビン酸はミトコンドリア内に取り込まれてATPを生成する際に使用されます。(後ほど説明)
数秒〜1分程度のスプリントやピッチングなどの単発的な高強度運動では解糖系の関与が最も大きくなると言われています。
そして持久力が問われるような運動の際には、いかに解糖系の関与を減らせるかが鍵になります。
Vo2maxや乳酸閾値が高いランナーは解糖系でのエネルギー産生が極力抑えられていると言えます。(ここも後日まとめます。)

3有酸素系
主に体内に貯蔵されている脂質をメインにATPを産生するシステムです。
体内の脂肪組織である皮下脂肪や内臓脂肪に存在する中性脂肪がエネルギーが必要な際に遊離脂肪酸に変換されます。その後血中をアルブミンというタンパク質と共に移動し、筋肉の膜を通過してミトコンドリア内に取り込まれます。
そこでβ-酸化という現象でアセチルCoaに変換されてTCA回路という回路に取り込まれるとそこで出来た水素から電子を受け取り電子伝達系で酸素と結合して水になる際にATPを生成します。この1つの流れの中で生成されるATPは38個と言われています。ミトコンドリアが活動するためには酸素が必要不可欠であることから、このエネルギー生成経路は有酸素系と呼ばれています。ちなみに解糖系でグリコーゲンから変換されたピルビン酸もミトコンドリア内で同じようにアセチルcoaに変換されエネルギーになります。
ATPを生成する時間が最もかかることから、短時間での高強度運動にはあまり適しておりませんが、体内に酸素と脂肪が存在する限り、そのエネルギー供給時間はほぼ無限と言われています。ジョギングや日常生活では主のエネルギー産生回路になります。

つまりこれらの最も大きな違いは、「何を利用してATPを産生するか」ということです。

まとめ

かなり長くなってしまい申し訳ございません💦
今回は体内でどのようにエネルギーが作られているのかをお話ししました。
運動の強度によってメインのATPの作られ方は異なります。
じゃあ、マラソンランナーは試合を想定して同じような強度の練習をすればタイムは変わるのか。サッカーやバスケの選手は何本もスプリントを繰り返すことが体力の向上に繋がるのか。そして序盤でも話題に挙げた、400m走は本当に無酸素運動なのか。ここには様々な要素が関わっているので、次回エネルギー産生システムの観点から考え方とトレーニング法等をご紹介したいと思います!
最後までお読みいただき有難うございました🙇‍♀️


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?