高麗川で渡来人に思いを馳せる(2)
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聖天院は、高麗王若光の菩提寺です。
はじめは法相宗、のち真言宗に改宗されています。
もともとは若光の守護仏とされる聖天尊(歓喜天)を本尊としていたそうですが、のちに変更され、現在は不動明王を本尊としています。
歓喜天は象の頭をした仏様同士が抱き合っている姿で象られるために、しばしば秘仏とされるそうです。
本尊が不動明王となったのは、それが理由だったのかもしれません。
参道には「天下大将軍・地下女将軍」の石柱(石像?)が建っています。
「チャンスン」というものだそうで、JR高麗川駅の案内板によると朝鮮半島で「村の魔除けとして建てられた」ものだそうです。
そういえばその案内板も、チャンスンに支えられていました。
さて、そのチャンスンを抜け、「雷門」を潜ります。
ここからは完全に日本のお寺の風情。
さらに受付のある中門を抜けると庭園があり、白いヒガンバナが咲いていました。
左手から石段を登っていくと、対の仁王像に出迎えられます。
仁王像を抜けると本堂で、その前は展望台になっており、遠くまで見渡せます。
「いくさの際には間違いなく砦になってますね」
そんな話をしながら、しばし景色を堪能。
ふと振り返ると、天からは歓迎の光が(?)
不動明王の祀られた本堂をお参りしましたが、こちらは2000年に落成した総欅造りの、立派で綺麗な建物です。
さらに奥へ進み、鍾堂を超えると、突然別世界になりました。
大きな広場、そこに並ぶ像は、韓国式のもの。
青みの緑の岩絵具が鮮やかな八角亭。
そして、一際高い塔は、在日漢民族慰霊塔とのこと。
まるで韓国を訪れたかのようでした。
しばし異国風情に浸ったのち、石段を下って戻り、最後になってしまいましたが高麗王若光のお墓にお参りしました。
そして、チャンスンの後頭部も興味深いなあと思いながら聖天院を後にしたのでした。
(3)につづく
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