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ZERO to ONE

生み出し続けよ。ならば、創業し続けられる。

概要

  • ピーター・ティールは反知性主義とインターネット黎明期のオルタナティブな未来を志向する文化に影響を受けている

  • あたりまえを疑い、自ら考える人、そして、進歩が留まることない社会を作ろうとしている

  • 「進歩が留めないためには、生み出しつつけなければならない」

きっかけ

  • 起業家でもあり、加速主義を謳う思想家としても奇異な存在として引き合いに出される。本当にそうなのか?と

読後記

それほど奇妙な思想の持主ではない。シリコンバレーにあるヒッピー文化、オルタナティブな存在としてのインターネット文化、ベトナム戦争への反戦運動でもよく知られた、ティモシー・リアリーの「Think for Yourself, and Question Authority」とのメッセージと似た背景を抱えている。

隠された真実に向き合い、時に当たり前を疑い、語られることのない負を解消し、進歩させるために何ができるのかを積み上げようとすると、競合がいるところでわざわざ何かを生み出すことに意味を見出せない。確かにそう。自然な発想だと思う。

一般にこの背景は語られにくい。「一部の優秀な人が世界を動かすために優遇され、それ以外の人はベーシックインカム、ゲームとドラッグを与えておけばよい」というニュアンスをもったリバタリアンや加速主義の代表格=急進的な思想家、つまり、コワい人、危険な思想家というイメージを打ち出したいのかもしれない。この評価は妥当ではないと思う。

一方で、タダ乗りし、世界が進歩しないことを嘆くするものへの非難が滲み出ているようにも見えた。奇しくもそれは共感できてしまう。

おわり

備忘録

ティールの法則

「創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップはあとで直せない」

  • 結婚生活を築く:誰と一緒に始めるか?相性は?

  • 所有、経営、統治:取締役は3人まで

  • バスに乗るか、降りるか:フルタイムでなければならない、ストックオプションを持たない人、固定給をもらう人とは利害が一致しない

  • Cash is Kingは間違い:給与報酬が適切でないと、時間を投資して未来に価値を生み出そうというインセンティブにならない、CEOの報酬は2000万円以下に

  • 起業の瞬間を引き延ばす:新しいものを生み出し続ける限り「創業」が続く

7つの質問

  1. エンジニアリング:段階的な改善ではなく、ブレイクスルーとなる技術を開発できるか?

  2. タイミング:このビジネスを始めるのに、今が適切なタイミングか?

  3. 独占:大きなシェアが取れる小さな市場から始めているか?

  4. 人材:正しいチーム作りができているか?

  5. 販売:プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか?

  6. 永続性:この先、20年生き残れるポジショニングができているか?

  7. 隠れた真実:他社が気づいていない、独自のチャンスを見つけているか?

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