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イギリスの寮の種類 〜寮の選び方〜




ホームステイ?それとも寮?


 『今大学生?』
 『はい、留学しています』

 こんな感じの会話を親戚や友人、昔お世話になった先生やバイト先のおばさんとしていると、よく聞かれる内容に、『ホームステイ?それとも寮?』があります。かなり高確率で聞かれます。
 留学なので、もちろん大学内の寮に住みます。町の中心部にある学生向けの寮と大学が提携している場合もありますが、私の場合、大学内に複数の寮があるので、その中から希望の寮を複数選んで応募しました。私は過去1回、別の大学内の寮に暮らしたことがありますが、街中心部からバスで15分くらい離れたところにある大学だったので、授業のことを考えるとキャンパス内の寮の方が利便性が高いと思っていました。

 イギリスの大学の寮には主に2タイプあります。それはシャワーとトイレが共有か、各個室についているかの違いです。自炊をするか、追加料金を払って自炊をしないでmeal planを注文する学生もいます。meal planを注文するのと自炊するのも寮選びに大きく関わってきます。


希望した寮

 寮の条件は、各個室にトイレとシャワールームがあること(en suite)、窓が大きいこと、キャンパスの中心に近いこと、でした。そして、写真で見る限りの情報しか分かりませんでしたが、清潔感のある場所を探していました。できるだけ新そうな雰囲気で、古い建物ではない、というのが最低ラインです。大学の寮用サイトを舐めるように見ていて気づいたのは、En suiteの寮は大概新そうということでした。
 そこで、同じ建物内に学生用バーとセミナールーム、レクチャシアターが完備しているK寮を第一希望に、キャンパスの端に位置しているとはいえ窓と共有キッチンが大きくて、五階まである建物のT寮を第二希望、そして二階建ての集合住宅のようなP寮を第三希望として申し込みました。

第一希望・K寮…大きな建物で同じ敷地内に学生用バーがあり、地図上で見るとキャンパスの中心に位置する。
第二希望・T寮…キャンパスの端にあるが五階建ての建物。
第三希望・P寮…T寮とは反対側のキャンパスの端にある寮。二階建ての集合住宅のような寮。

 その他;上記と同じ条件で、もう一つ寮がありました。Tu寮です。どの寮も似たような価格帯なのですが、このTu寮だけ一週間£8、他の寮よりも高かったので諦めました。このTu寮はK寮の後ろ側に位置していたので、値段以外は条件の揃っていた寮だったので残念でした。


決まった寮

 申し込みをしてから数日後に返信が返ってきて、第二希望だったT寮に決まりました。もし不服があれば、もう一度申し込んで選び直すことができたのでしょうが、この時すでに渡航まで一ヶ月を切っており、私はその場でOKの返信をしました。焦っていたのと深く考えるのが面倒臭かったという理由も挙げられます。住めば都といいますし、第一希望のところに住めたところでフラットメイトに恵まれない可能性もありました。
 条件的にT寮が良かったとはいえ、Webサイトの写真をいる限り、T寮は殺風景でところどころ赤い壁紙が覗くデザイン的に素敵な寮、と言うわけではありませんでした。殺風景なのは写真やポスターを飾れば解決!と思うことにし、2年目は希望の寮になるよう早めに申し込もうと誓って手続きを行いました。
 そして、支払いは渡航後3回に分けること、当日どのようにして入寮するのか、重要事項などの説明をメールで受けて無事に寮が決まりました。

 寮の金額は一週間£220.71、39週契約なので、合計で£8607.69とかなり高額、母は悲鳴をあげていました。他の大学と比べると、en suiteとはいえ£200を超えるのは高いのです。


入寮日の出来事

 キャンパスについてまず最初に行かなければいけなかったのは、寮のreception、いわゆる受付です。全ての寮の受付が同じ、ではなく私の大学は各寮に個々に受付があったので、とりあえずキャンパスの端まで重いスーツケースを引いていくことになりました。しかし、その時の私の荷物は全て合わせて3つ+ショルダーバッグ。一生懸命スーツケースを引っ張りましたが、亀のように遅々として進まず、道路さえも渡れない、挫けそうになりました。スーツケースを一つ置いて行くことも考えましたが、知らない町でスーツケースを置き去りにするのは抵抗がありました。その通りはキャンパスを横切るように伸びいている行動で、ちょうどそこを通りかかった二人の新一年生が、快く手伝ってくれたので、私は無事、寮に着くことができました。本当に心強かったです。

23kgギリギリのスーツケースふたつと10Kgのボストンバッグ、合計55Kg越えの大荷物

 T寮の第一印象は、『眺めがよさそう!そして思った以上に清潔感がある!』でした。T寮の前に暮らした寮は、清潔感こそあるものの廊下の汚れや窓の汚れ、エレベーターの汚れが目立っていて、お世辞にも居心地のいいところとは言えませんでした。なので比べると、T寮は前回の寮よりもいい場所といえました。
 建物、部屋のある階、部屋に入るには同じ鍵が必要で、いちいちスキャンする必要があり、セキュリティはかなりしっかりとしていました。
 私の部屋はC棟最上階の西向きで、窓からは隣の建物(同じT寮のB棟)が見える、そんな部屋でした。眺めも最高で、全身鏡があり、セミダブルベッド、収納力抜群のクローゼット、そして、広いデスク。一つ目の寮とは比べ物にならないくらい素敵な寮で、ワクワクしたのを覚えています。フラットのキッチンは部屋とは反対側にあり、窓からは町の中心部が見えました。
 写真で見る限り、T寮は白地に赤が入った殺風景の部屋でしたが、それはB棟の写真で、このC棟は緑と黄色を基調とした落ち着いた部屋でした。


入り口からの眺め。右手の黄色い扉はシャワールームとトイレ


部屋から見る夕焼け


キッチンからの眺め

 その後の寮の生活は別の記事にまとめたいと思います。

学生生活に大きく関わる寮選び

 衣食住というように、人間の生活には衣服と食事、そして住居が大きく関わってきます。私の場合、この三つとも重要で、一つ欠けたり我慢を強いられたりするとストレスになります。
 慣れない土地で予期しない体の不調に遭う人も多いと思います。精神的にまい流こともあります。それは生活習慣の乱れだったり、合わない食生活、さまざまです。でも、それが異文化のなかで生活をするということなのだ、と私は留学生活で学びました。『辛い』と声に出して涙を零すことが解決につながることもありますが、留学を経験していて思うのは、少しの工夫が必要ということです。例えば、地元の食材で日本食を再現したり、部屋を実家の様に彩ったり、好きなもので部屋を埋め尽くしたり。
 寮は第二の我が家になる、第二の我が家にしてみせよう、そう思って私は寮決めの際、写真を目を皿の様にして眺めました。こんな風に考えれる様になったのは、1回目の寮決めで失敗したからなのでしょう。本当に失敗は成功の母です。




おまけ:その他の寮

 前述した通り、大学には二種類の寮があります。共有シャワー、トイレの寮か、各個室にシャワールームとトイレがついているタイプの寮です。
 大学には実際、上記の4種以外にたくさんの寮がありました。その中から少し選んでご紹介します。

B寮…en suiteタイプの寮。meal planを利用する生徒向けの寮です。
D寮…シャワールームとトイレ、キッチンが共有の寮です。外側から見る限り、キッチンはかなり広く、建物自体も大きい寮で、300以上の部屋があります。地図上で見ると三ツ矢サイダーのマーク同じ形をしていました。セミナールームも同じ建物内にあり、別の寮に暮らす生徒も頻繁に出入りしています。
E寮…シャワートイレ共有の寮でmeal planを利用している生徒向けです。キッチンはなく、共有スペースに冷蔵庫と電子レンジのみ設置されていました。D寮の様に大きい建物で、セミナールームと学生向けハンバーガーショップがあり、多くの生徒が頻繁に出入りしていました。まるで迷路のような建物で、ただ歩いているだけだと、北と南がわからなくなります。唯一この寮には訪れたことがあり、ここに住んでいる友人は、E寮のことを『刑務所みたいなデザインで好きになれない』と言っていました。
R寮…E寮と全く同じ構図の建物で、同じタイプの量になります。私の記念すべき最初の授業はここでした。
W寮…比較的新しい寮で、500room以上あるen suiteタイプの量です。自炊をする生徒向けで、キッチンもあります。どの部屋も大きめの正方形の窓があり、雰囲気的にはT寮に最も似ています。しかし、院生向けと2年生以降の学生のための寮で、新一年生の申し込みはできないと聞きました。

 すべての寮の中でD寮,E寮,R寮が最も古い建物でレンガ調の壁がおしゃれ、いかにも大学生の寮、大学の建物、という雰囲気を醸し出していました。


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