ある物理分野の大学教員

関東の大学で物理に関わる研究や教育をしています。

ある物理分野の大学教員

関東の大学で物理に関わる研究や教育をしています。

最近の記事

テニュア教員を目指すタイミング・諦めるタイミング

若手研究者の方々で「まとまった研究成果が得られてから大学の任期無し職にチャレンジしよう」と考えている人は、多くないでしょうか?一方で、周りには業績が強い研究者が多く「まだまだ業績が足りない」と思ってしまい躊躇している人もいるかもしれません。実際のところ、私自身はそう思ってた所があったのですが、本当に早く目指した方が良いと思ったので、この記事を書いています。 今回の記事の結論から言うと「私大教員 (理系、特に物理) なら、筆頭論文 5 本以上・30 代前半 (ポスドク一期目以

    • 大学教員公募書類の内容公開: 不採用時と採用時の書類の比較 (教育への抱負)

      世の中に、公募書類書きへのノウハウが書かれた記事はそれなりにありますが、じゃあ自分の書類はどこが悪くて、どう改善すればいいんだ?と、実際の文章と対面すると分からなかったりします。今回は、自分がどのような所をどのように改善してきたかを具体的に示すため、自分の公募書類を可能な範囲で公開し、どのような表現が良くなかったかなど議論したいと思います。ただし、「これまでの研究の概要」や「これからの研究計画」などは、かなり個人に寄ると思いますので、より多くの人に共通しそうな「教育への抱負」

      • 大学教員として生き残るために必要な業績 (ある物理分野の場合)

        研究業績への不明瞭で強いプレッシャーアカデミック業界で生き残るためには、業績の影響は少なくありません。特に若手研究者は、学振PDなどを代表する数年任期の博士研究員(ポスドク)を何度か経験したあと、大学や研究所の任期無しポストを目指すことが現在の主流になっており、研究業績はその際の競争を勝ち抜く上で重要なファクターとなっています。しかし、短い任期の間にコンスタントに研究成果を得るのは、精神的にも強い負担となります。そこで「どの程度の業績が生き残りに必要なのか?」という疑問に対し

      テニュア教員を目指すタイミング・諦めるタイミング