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生成AIでデザインの民主化が進む!-デザインについての勉強会-

アカデミーヒルズのメンバーズ・コミュニティ「デザインについての勉強会」の2024年2月の定例会は、「生成AIや無料のデザインツールの普及で、自分の仕事にデザインをどう活用出来るか?『デザイン活用の相談会』」をテーマに開催をしました。

今までの定例会は、“デザインとは何か?”について様々な切り口でテーマを設定して開催してきました。
例えば、
・デザインをするにあたって画像や文字をどのように配置したら良いのか

・ノーコード「STUDIO」を使ってwebを作ってみる

・ChatGPTをアシスタントにしてデザインの魅力について考えてみる

一方で、生成AIのサービスがスタートして約1年になりますが、ChatGPTをはじめとして様々な生成AIを使ったサービスが提供されています。その動きを受けて今回は、自分の仕事にこれらをどのように活用していくのが良いのかについて話合いをしました。

最初に「デザインについての勉強会」主宰のデザイナーの鈴木さんが3つのポイントについて話題を提供してくれました。
1 デザインの民主化

鈴木さんの説明資料(©PORSAS design)

今までデザインは、「デザイナーという専門家が行うこと」という特別なイメージが強かったと思います。しかし様々なツールの登場で、「デザインすること」のハードルが下がり、誰でも参加できるようになりました。
それには以下3つの要素があると言われます。
・ツール
Canva(キャンバ)Adobe Creative Cloudなどで、手軽に無料でデザインを起こすことができるようになりました。本格的に利用するための有料版も準備されています。
・教育とリソース
オンラインによる講座やセミナー、そしてYouTubeでも様々な情報が発信されています。
・デザインプロセス
今までは“秘伝のたれ”をつくるように、デザイナーは職人として仕事をしてきましたが、今は自分が持っているデザインの仕方(コツ)をプログ等で紹介したり、書籍として出版しています。
また、生成AIに尋ねると色んな事を教えてくれます。鈴木さん曰く、「生成AIには間違いもあるが、デザインの分野では間違いは少なく、オーソライズされた情報が多いので安心して使って良いのではないか」とのことです。

2 デザインの分野

鈴木さんの説明資料(©PORSAS design)

2つ目はデザインの分野が広がっていることです。モノのデザインから、空間デザインサービスデザイン、そしてデザインシンキングなど様々な分野でデザインという発想が生まれています。
それらの分野各々で民主化が起きています。例えば3Dプリンターで誰でもモノを手軽に作れたり、ノーコードでwebサイトを作成できることが挙げられます。

3 デザインに必要な能力

鈴木さんの説明資料(©PORSAS design)

3つ目は、どのような能力が必要か?という点です。
・創る能力:情報力(集める・編集)、発想力(思いつく、イメージする)、造形力(構築する、視覚化する)
決める能力:美的基準(美術判断、イメージ)、判断/決断(今求められていること、自分が何をすべきか)
実現させる力:プレゼンテーション力(伝える、表現する、分かりやすさ)、コミュニケーション力(相手の立場を理解、自分の主張と協調性)

鈴木さんからは「これらの力は、若い人が優れているような気がする。生活の様々なシーンでデザインされたものを見慣れている、その様な環境で育っていることが要因ではないか」というコメントがありました。

鈴木さんの説明を受けて、参加したメンバーからは様々な質問がでました。特に必要な能力に対するコメントが多かったと思います。

■「造形力」の可視化について、いつもレイアウト(配置)に悩んでいる。
<鈴木さんのコメント>
視覚的重量(絵は重いが文字は軽い)を考慮した配置、例えば「黄金比」(1:1.618)や1対2、1対3などを意識すると良いのではないか。絶対的な評価指標はないので、自分の方法があると良いのではないか。

■ 配色の黄金ルールはあるのか。
<鈴木さんのコメント>
色数は最小限(2~3色程度)にして、メインカラー、サブカラーを決めると良い。そして配色を試せるサイトAdobe Colorや、クリエーターの作品の配色を参考にできるサイトAdobe Behanceを紹介してくれました。

■ カラー検定等学ぶことは有益か。
<鈴木さんのコメント>
カラー検定は基礎的な情報だが、情報を持つと見方が変わってくる。
デザインには、「理屈で理解する部分」と「感覚で分かること」の二つの要素があると思う。
理屈が分かると使い方の幅が広がる。そして感覚については、良いモノ・作品を見ることで、判断する感性が磨かれると思う。

■ プレゼンのコツについて知りたい。
<鈴木さんのコメント>
客観的な「物差しになる基準」が存在していれば良いが、まだ感覚的に(主観的に)判断することが多い。そうであるなら、物差しになる基準を「責任を持って自分で作る」ことも大切。
私自身の仕事では、
・プロジェクトを成功させる要件を決めて基準を自分で作る
・自分が作った物差しでプレゼンをする
・デザインのプロとして、私の責任においてこういう基準をつくり、私の責任においてデザインした、というように話をしている
こうして「責任と根拠」を示すこともプレゼンのテクニックの一つだと思います!

今回も参考になるコメントを沢山いただきました。
良いモノ・作品を見て感性を養い自分の基準が出来ると、人生がより豊かになるかなと感じました。

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子

#アカデミーヒルズ #メンバーズ・コミュニティ #デザイン #民主化
#創る能力 #決める能力 #実現させる能力



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