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あなたの気になるビジネスは?-宇宙ゴミ除去、昆虫食、3Dプリンターの家 etc.-

メンバーズ・コミュニティ「個人事業研究会」の第156回の定例会が1月23日に開催されました。テーマは「2022年の凄いビジネスアワード」で、みんなで気になるビジネスや企業を紹介しあいました。

将来に期待したい企業

最初のキーワードは、「今は利益がでていないが、将来に期待したい企業・ビジネス」として4社があがりました。
1社目は、安全で持続可能な宇宙環境を目指して、スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去ための軌道上サービスを提供する「アストロスケール」です。世界的にも注目されている日本の企業です。


2社目が「ユーグレナ」
ミドリムシを活用してバイオ燃料から化粧品、食品まで様々な製品を販売している企業です。
2005年に設立されて海外へビジネスを展開していますが、今のところ収支は赤字のようです。しかしサスティナブルな社会のために、これからの成長に期待したい企業の1つです。
ところでユーグレナは、「探求心とグローバルな視点からアグレッシブに社会課題に挑む」ことを目指すために、18歳以下しか就任できないCFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)というポジションが設けています。今は2022年8月に15歳の方が3代目として就任されているようです


3つ目のキーワードは“昆虫食”です。
特にコオロギが注目されています。大手では「無印良品」が徳島大学と連携してコオロギ粉末入りのチョコとせんべいを開発しています。「地球にやさしい未来食」と表現されています。

4社目が「FUNDINNO」です。
「フェアに挑戦できる未来を創る」をミッションに掲げて、ベンチャー企業への投資を促すために、インターネット上にベンチャー企業と投資家のプラットフォームを設けている企業です。

未来に向けて頑張ってほしい企業・ビジネスを4つあげていただきました。

犬猫の殺処分ゼロを目指す活動

こちらはビジネスではなく注目したい活動になります。
NPO法人等の活動により、犬猫の殺処分数が減少していることをご存じでしょうか?
環境省のサイトによると、2020年度に全国の動物愛護センター(保健所)への引き取られた数は72,433匹、そのうち23,764匹の犬や猫が殺処分されているそうです。率にして32.8%です。しかしこの数は、年々減少傾向にあります。
殺処分ゼロを目指す団体が立ち上がったり、里親を積極的に探す動物愛護センターの活動などにより減少していますが、活動に消極的な自治体や費用の問題など課題は多いようです。
今回改めてこの問題を調べてみると、関係者が多く、解決のために各々の立場で取り組む必要があると環境省のサイトでは説明されていました。

環境省のサイトより転写

また、「コロナ禍でペット人気が高まった」という新聞記事の中では、

コロナ禍による経済的困窮で飼っていたペットを手放したり、安易な気持ちで飼い始めて飼育が困難になったりする事例もみられる。専門家は「ペットを寿命まで飼う覚悟を持ってほしい」と呼びかけている。

読売新聞オンライン(2022/1/14)

と記載をされていました。
私はペットを飼ったことがなく、問題の存在に気が付きませんでしたが、このような社会問題があるのですね。

3Dプリンターで家を建てる!

次は、3Dプリンターを使って24時間以内に家を建てるビジネスを展開する「セレンディクス」という企業です。

セレンディクスは、10㎡の3Dプリンター住宅「Sphere(スフィア)」を、330万円というとても手頃な価格で販売しています。2022年度の販売分の6棟は2022年の11月で完売したようです。
そして、60歳以上の方々からの問合せが多いことから、「夫婦2人が住める49㎡の3Dプリンター住宅」を慶應義塾大学と共同で開発して、2023年の春から「フジツボモデル」として販売を予定しているそうです。
ところで、このビジネスのアイデアは、「30年の住宅ローンを本当に払い続けられるのだろうか」という疑問がスタートだったようです。
参考までに、国土交通省の住宅市場動向調査によると、30代後半で住宅を取得して住宅ローンは30年以上かかって返済するケースが平均的で、定年後も住宅ローンの返済をされている方々が多いとのこと。
車を購入する感覚で住宅を購入できるようになると良いですね。

ところで、以下の意見や情報共有がありました。

  • このビジネスモデルから、内装や外壁を手掛けるビジネスが拡がる可能性があるのではないか。

  • 消防法など法律が追い付いているのか。

  • 似たようなアイデアとして、隈研吾氏とスノーピークのコラボレーションの「住箱」というトレーラーハウスがある。


チック症のウーバー配達員の夢は自分の飲食店を持つこと!

次は、ある個人に注目したお話です。
ウーバー配達員をしているチック症の20代の男性です。調理師免許をもっている彼は、いつか自分の飲食店を持って、同じようなチック症の人も普通に来れるお店にしたいという夢をお持ちです。
チック症とは、思わず起こってしまう素早い身体の動きや発声です。まばたきや咳払いなどの運動チックや咳払いや鼻すすりなどの音声チックが現れる症状ですが、多くは一時的で軽快するそうです。
しかし症状が治まったチックが再び出現し、日常生活に支障を来すほどになる場合にはトゥレット症とよばれ、人口1,000人あたり3〜8人に認められ、男性のほうが女性より2〜4倍多く見られるとのことです。(国立精神・神経医療研究センターのサイトより)

「日本社会は障害を持っている人など一般的ではない人に対してもっと寛容になるべきではないか。」という話になり、「注文をまちがえる料理店」や、「分身ロボットカフェ」が話題になりました。
「注文をまちがえる料理店」は、認知症の方々がホールスタッフを務めるレストランプロジェクトです。この取り組みは海外でも注目を集め国内外で数々の賞を受賞しています。
また、「分身ロボットカフェ」は外出困難者の従業員が分身ロボット『OriHime』&『OriHime-D』を遠隔操作してサービスを提供する新しいカフェです。
多様性を受容する社会に向けて、ユニークな取り組みが出現していますが、まだまだ課題は多いと実感しました。

HR系ビジネス -副業ではなく複業-

最後は、労働市場の活性化に挑む「複業クラウド」です。

ユニークな点として「求職の登録は無料で、求人する企業へはサブスクモデル」を適用しているところです。
多くは、採用が決定した場合の手数料モデルですが、採用後に短期間で退職されてしまうと企業にとっては高コストになります。複業クラウドは、雇用ではなく業務委託だからサブスクモデルが成り立ち、低コストで依頼ができるというメリットがあるのでしょうか。
そして、この話をしている最中に実際に登録した参加者からは、「簡単に登録ができた。他の求職サイトは登録項目が非常に多く、自分の“売り”を細かく記載する必要があるのに。。。」という話が出ました。
また実績企業には地方自治体の名前があり、スポット採用で業務を補っていることも話題になりました。
日本企業と外資企業で働いた経験のある方からは、「日本企業は粘土型だが、外資はブロック型」という発言がありました。的を得た面白い表現です。日本企業はその状況に合わせて求められる役割が変化し、その変化に上手くアジャストできる人材を求める傾向にありますが、外資はジョブディスクリプションが明確です。
コロナ禍で働き方が多様化しましたが、アフターコロナで働き方がどのように変化するかは注目したいところです。


最後に、みんなが紹介してくれた企業、ビジネス、人の中で、一番気になったトピックスを投票したところ「複業クラウド」が一位になりました。
私たちに一番身近なテーマだったからでしょうか?


今回のテーマは「“凄い”ビジネス」でしたが、“凄い”と感じるポイントが人によって異なり、多様なトピックスに拡がったことがとても印象的でした。

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子


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