見出し画像

気象情報で飛行機の「揺れ」を予測してみよう!〜天空のマップ・カフェ〜

4月27日に開催されたメンバーズ・コミュニティ(略してMC)の天空のマップ・カフェ」の定例会は、「あなたは飛行機の『揺れ』を予想できますか?空の地図を使ってその『揺れ』を予想します!」がテーマでした。
新型コロナウィルス感染症の5類感染症への移行に伴い、「いよいよ旅行をするぞ!」と考えていらっしゃる方、また久しぶりに飛行機に乗るという方も多いのではないでしょうか。
今回の天空のマップ・カフェでは、飛行機の「揺れ」を事前に予測する方法を主宰者の太田弘さんに伝授いただきました。

2種類の地図を使って予測をします。
1つ目は「航空気象」を表した気象図です。下記のサイト【専門気象情報】地球気に様々な情報が掲載されてます。

【専門気象情報】地球気のサイト

航空気象とは、航空機の安全な飛行・運航などに関係する気象のことで「空の安全を確保するため」の気象のことです。航空機は常に安全に空を飛行して無事に目的地に到着することが求められますが、飛行中はあらゆる気象の影響を受けざるを得ないため、気象情報は非常に重要になります。そのために航空気象は、航路や離着陸地の安全のための情報などに特化されています。

下図が2023年5月4日に地球気に記されていた悪天予想図です。この天気図でいう悪天とは「航空機に危険を与える可能性のある気象現象」と言えます。
そして、悪天予想図には以下の情報が掲載されています。
・Turbulence(乱気流)の強度(MOD/並, SEV/強)
・Icing(着氷)の強度(MOD/並, SEV/強)
・Mountain waves(山岳風)
・Thunderstorm(台風)
他に、低気圧や5,000feetと10,000feetにおける0°Cの予想位置などが記されています。
加えて、地図に記されている緑の線はジェット軸(気流の流れ)です。 起点は風速が 80kt 以上に なる点で、矢印の先端は 80kt 未満になる点です。矢羽根 が風速の最大点です。
※1kt(ノット)は秒速約0.5m(時速27km)。
ジェット軸の起点や矢印の先端部分では非常に強い乱気流が発生する可能性が高いそうです。
また、地図の中に雲から引かれた四角い囲いの中には(下の地図では④と記されています)、[雲の種類、積乱雲の雲底と雲頂高度、乱気流の強さと高度、着氷の強さと高度、雷の有無]が表示されています。
そして、赤い点線で囲まれた部分が乱気流の発生する予想エリアです。赤字で書かれている「CAT」は乱気流の強さと予想される高度(フライトレベル)になります。
これらの乱気流を避けるように航路や高度が調整されます。

2023年5月4日(日本時間)の悪天図
赤い点線で囲まれた部分が乱気流の発生する予想エリア。


2つ目が「飛行機の航路」の地図です。
下記のサイト「frightradar24」は、飛行中の民間航空機の現在位置をリアルタイム表示するウェブサイトです。こちらのサイトで自分が搭乗している便の現在位置を確認できます。

ある日の日本上空の飛行状況(frightradar24のサイト)
サイト先では、各々の飛行機のマークをクリックするとその便の詳細情報を確認出来ます


このように、「航空気象の情報」と「飛行機の航路情報」を組み合わせれば、飛行機の「揺れ」を推測できるという訳です。

MC主宰の太田弘さんは、3月に札幌から福岡の飛行機に搭乗した際に「揺れ」の予想をピタリ!と当てたそうです。
「その日は日本列島上に低気圧と前線が停滞して全国的に雨模様でした。私が乗った飛行機も凄く揺れてトイレにも行けませんでした。各地で飛行機の運航に遅延や欠航が出ていた日でした。しかし、2時間15分のフライトでわずか15分だけ揺れの無い区間があることを見つけ、『今こそチャンス!』とトイレへ向かいました。20分後にはまた大きく揺れてシートベルトサインが点灯。予想がピタリ!と的中して『やったね!』というVサイン状態でした」と、話してくれました。

太田弘さんのように「ピタリ的中!」はなかなか難しいと思いますが、飛行機に搭乗した際、トライをしてみてください!!


アカデミーヒルズ 熊田ふみ子

#アカデミーヒルズ #メンバーズ・コミュニティ #航空気象 #地図 #frightradar #地球気 #天候 #気象


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?