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顔認証で珈琲のカスタマイズ注文

OldTown White Coffeeというチェーン店のSuntec支店で顔認証の機械が導入されたということで見てきた。
https://www.straitstimes.com/lifestyle/food/eatery-chains-woo-younger-diners-with-smart-technology-hip-interiors-and-better-food

顔認証といえば中国のKFCでalipayが行っている顔認証決済をイメージするが、シンガポールのこの端末は珈琲注文のカスタマイズを顔認証でやるだけであって顔認証決済をするわけではない。決済は隣についた端末で行う。
この2つは明確に違っていて、顔なじみの店でツケで買い物するのと、顔なじみの店でいつものといって普通に注文するくらいの違いがある。決済部分まで顔認証でやると間違ったときに大問題になるが、注文内容のサジェストを間違えても大したことはないのでシンガポールの試みは現実的で低いハードルからスタートしているということだ。

珈琲に限った話ではないが、注文する時に何かを入れないでくれとかリクエストを出すのがシンガポールでは一般的なので、それを再現しようというのがこの端末なんだと理解している。ジロリアンの呪文のライトな感じと呼べるかもしれない。

ちなみに決済はEMVやNFCのような非接触の決済やQRコードによる決済に対応している。ちなみにこのNETS QRにはDBS PayLah!も対応しているので決済端末の液晶画面に表示されたQRコードをスキャンすることによってPayLah!も利用することができる。

さて肝心の顔認証機能であるが、結論から言えば今回確認ができなかった。最初に未登録の段階で顔認証を使おうとすると、全然知らない電話番号が表示されてあなたの番号ですかと尋ねられるわけだが、そんな簡単になりすましできる仕組みでいいんですかという気分になった。その番号は違うと選択すると自分の電話番号を入力する画面になり、普通に注文したわけだが、食後に珈琲でも飲もうかともう一度この端末で顔認証したが未登録扱いで、電話番号を入力しても先ほどの注文は記録されてなくて、全然使えなかった。
もしかして一日一回しかデータベースに記録しないのだろうか。端末のレスポンス自体は全然問題なかったのだが、これあまり賢くないのではという印象を受けた。

しかし所詮カスタマイズ注文のサジェストだけなので失敗しても大した実害はない。なりすますインセンティブもないし、どこまで本気なのかもよくわからない。地味なところから一歩ずつやっていくのも社会実装の大切な所なのだろう。

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